しかしこの数字だけはにわかには信じがたい。その数字が何かと言えば、今年の春から民営化(ツタヤ)された佐賀県武雄市の図書館入場者数である。
その数たるや、実に3ヶ月で26万5千人にも及び、昨年1年間の入場者数を早くも上回ったのだという。
これだと1ヶ月に9万人弱になり、1日にすると3000人ということになる。
小さな地方都市の図書館の話なのに、こんなに多くの人がいったいどこからやって来るというのだろうか。
図書館にはよく通っており、入場者の動向はいつも敏感に感じている私としては、どう考えてもこの入場者数は異常としか思えない。
なぜなら人口50万人のわが街の中央図書館でさえ1日の入場者はせいぜい500人前後なのである。
それに比べて佐賀県武雄市といえばわが街の10分の1の5万人程度しか人口がない地方の小都市である。
それに、言っては失礼かもしれないが、佐賀県ばどちらかと言えばマイナーな県である。武雄市はその県にある小さな都市である。
佐賀県がマイナーというのは毎年発表されている日本の県の人気ランキングでいつま最下位あたりにランクされているからである。
そうは言っても有田焼という超有名な焼き物のブランド品もあるのだが、どちらにしても民度が比較的低い県であることは間違いない。
それなのにいかに民営化されたからといえ、この小さな街の図書館にこれだけの人が集まるのは異常である。いや、集まるというより殺到するといった方が適切かもしれない。
これが東京や大阪などの大都市の話だと、図書館だとは言え、3ヶ月で30万人ぐらいの入場者でも驚かないのだが、どう考えても武雄市のような小さな街には不釣合な数字である。
併設されてスターバーックコーヒーの効果だという声もあるが、いまどきスターバックのどこが珍しいのだろうか。都会にはそうした店は履いて捨てるほどある。
こうした店に人が殺到することと自体、地方の特異な現象だと言えなくもないのだが、でも静かであるべき図書館が、こんなに物見遊山的な人が殺到して騒々しくなるのがはたして良いことなのだろうか。
それを喜んでいる関係者がいるのもおかしな話である。こんなナンセンスなことなど、どこの図書館も見習う必要はない。
以前私はこのブログで公立図書館の民営化に反対の意見を述べ、その理由を書きました。ここでそれをもう一度載せておくことにします。
武雄市図書館民営化、予想されるデメリットとは
・物品販売店が併設されるということで商品購入目的の来館者により利用層が変化し
図書館の雰囲気が変わる(悪化する)。
・読書目的以外の来館者が増え、静寂性が保てなくなる。
・物品売り場や喫茶室の設置などにより単なる商業施設と化し、図書館の本来の目的が
損なわれる。
・予定されているTカードが本来の目的以外に使用され個人情報が漏洩する恐れがある。
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