2011年4月21日木曜日

人種のるつぼニューヨークだからこそ・・・

まるで世界中の人種がすべて集まっているのかと思えるほど様々な国籍の人々が混在するアメリカ社会であるが、その中でもニューヨークは特にその傾向が顕著である。

マンハッタンをはじめその周辺には黒人居住区ハーレムをはじめチャイナタウン・ジャーマンタウン・イタリアンタウン・コレアンタウンなど世界各国の出身者がかたまって居住する地域が市内あちこちに点在している

特に古くから住民数の多いチャイナタウンなどはマンハッタンのダウンタウンの一郭にかなり広いエリアを占めていて民族衣装や中華料理の魅力もあってか、NYの人気観光スポット一つにさえなっている。

さてこうした人種のるつぼであるが故に、まるで思いも及ばないような珍しい体験に出くわすことがよくある。

路上でとつぜん白人に英語で道順を尋ねられるということ

ある日、日本の新聞が読みたくてしかたが無くなり、急に思い立って「新聞・雑誌閲覧室」がある西44丁目にある日本人協会のビルへと向かっている時であった。

地下鉄を降りて少し歩いてストリートへの角を曲がったときである。

向こうからやってきた初老の白人中年夫婦がやおら私のほうへ近づいてきたかと思うと主人の方がいきなり英語で聞くではないか。

「地下鉄の駅はまだ遠いでしょうか?」と。

どう見てもれっきとした白人で、言ってることははっきりわかったのだがとっさのことですぐ返事の言葉が出なかった。

それになぜ白人が日本人の私に英語で道順を聞くのだろう?」と妙な思いもした。

でも落ち着きを取り戻してとりあえずたった今地下鉄を降りて歩いてきた道順を丁寧に教えてあげた。

でも「なぜニューヨークまで来ている日本人にれっきとした白人が道順などを聞くのだろうか?」という疑問はその後も長く残った。

それからしばらくたって在米期間の長い知人に「人種のるつぼニューヨークではそうしたことは珍しくない」と聞かされてやっと納得した。

つまりこういうことだ。

質問した白人にとっては東洋人であろうがなんであろうが道行く人は皆英語がしゃべれて当然と考えているのである。

なぜならばニューヨークは多国籍人種混在の社会であり、道行く人はすべてこの地の住人と考えるからなのであろう。

まあたまには観光客も歩いていようが、そうした人は持ち物とか身なりで見分けているのであろう。

なにはともあれ渡米して間もない身にとっては大きなカルチャーショックを感じる出来事ではあった。

中国人や韓国人に間違えられることは珍しくない

話題はかわるが東洋人も多く住んでいるニューヨークであるが、中国人や韓国人に比べると日本人の数は少なくどちらかと言えばマイナー派である。

特に中国人とは数の上では比較にならないぐらい大きな差がある。

そのせいもあってか日本人はしばしば中国人とか韓国人に間違えられるのである。

それもそうであろう。

アメリカ人にとってこの東洋三国の人種の違いを外見から判断することは無理であろうから。

私も下宿の近くのカフェに初めていったとき、店主にいきなり「Are you a chinese?」聞かれた。

そのときは少しムカッとしたが、考えてみれば店主がそう聞くのはいたしかたないことかもしれない。

なにぶんニューヨークには日本人の10倍ぐら中国人が住んでいるのだから。

肌の色をはっきり指摘されて・・・

またこういうこともある。

肌の色が違う人々が混在しているNYでは現地の人々は露骨に相手の肌の色を指摘して憚らない傾向がある。

その裏に隠れている相手の様々な感情を知ってか知らずか、例えばこんなふうにである。

The yellow peaple, especially Japanese like you are・・・とか何とか。

これは別にYellowに限ったことではなく、彼らが言う肌の色とは中間色も含めれば5〜6色あるのだが。

これについても最初は大きな違和感を感じたが、よく考えてみれば彼らはストレートに表現しているだけで相手を侮辱しているのでもなんでもないことが後でわかり次第に気にならなくなっていったのだが。

とにかく日本人としては何かとカルチャーショックを感じることが多いニューヨークでの生活であった。

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