2011年4月17日日曜日

BOP(Base Of Piramid)とは?・世界で40億人の「最底辺」にいる人々は今!



ソーシャルビジネスのターゲットとしてのBOP

3月23日のこのブログで「社会起業とは何か?・いま世界の若者の熱い視線を浴びる社会貢献とは」というタイトルの記事を書いた。

この中で今の若者が社会貢献ということに対して強い関心を持っており、例えば就活の自己PRなどでもそのことについて熱っぽく口にする若者が増えてきたということについても触れた。

また2010年度の米国の大学生就職人気ランキングでこれまで抜群の人気を集めていたITの優良企業であるgoogle とかappleを押さえて「Teach for America」という人々にはあまり馴染みのない「NPO法人」が1位の座を獲得したということについても書いた。

このように今や社会貢献と言う言葉がまるで若者にとってのキーワードのごとく大きくクローズアップしてきているのである。

その彼らが目標とする社会貢献の対象として最もふさわしいのが今回のテーマになっている世界で40億人もいるというBOPと呼ばれる最下層なのである。

しかしそうした相手が対象であっても彼らが目指す社会貢献とは従来のような単なる奉仕活動ではない。

彼らの目指すところはNPOやNGOあるいはソーシャルビジネスを展開する企業の中で社会貢献をビジネスの視点でとらえた活動なのである。

つまり社会貢献をソーシャルビジネスの対象として捉え、環境や貧困問題、さらには近年問題になっているデジタルデバイド(情報格差)の解消など様々な社会的課題に向き合い、それをビジネスを通じて解決していこうとしているのである。

近年にわかに活気を帯びてきたBOP層の人々

ではその活動がなぜ年収が3000ドルまでといわれる最貧困層であるBOPを対象にして成り立つのであろうか。

これについて詳しく書かれている書物が最近日本経済新聞社より出ている。

本のタイトルは「BOP超巨大市場をどう攻略するか」といい、野村総研のスタッフが長い期間をかけて調査した結果をまとめたものである。

その調査を元に綿密な現状分析を行った結果、この層へのビジネス展開が今なぜ必要なのか、またいかにこの分野でのビジネスが有望であるのかを広い角度から総合的に論じている。

その対象国は発展途上国にあって特に人口の多いインド・インドネシア・バングラディッシュ・ナイジェリア、ケニアなどの国々である。

日本はこれまでこうした国々に対するマーケティングでは欧米諸国や韓国などに大きく遅れをとってきている。

その理由は日本の予測力の欠如から生まれたもので、今発想を大きく展開しなければ日本経済の未来は暗いものになるともこの本は警告している。

私のブログで3月の東日本大地震に関するシリーズでも載せたことがあるが、タイのスラム街での東日本震災募金で1日だけで80万円も集まったという。

この例でもわかるようにBOPと呼ばれる人々が多く集まるスラム街でもこれだけのお金が集まるということは何を物語っているのであろうか。

そうです。いまやスラム街に住む人たちの意識は大きく変わってきているのある。

募金にこれだけのお金が集まるということは、消費にしても一定のお金は支出するのである。

この本はそうした点に鋭く目を向けてもいる。

企業の海外マーケティング担当者には必読の書であるようだ。

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