先ごろ発表された企業の決算発表であるが、この中で注目すべきはIT・弱電分野大手企業数社の巨額赤字である。
その中でも下の記事にあるように、大手3社の赤字だけでをとっても、合計すると1兆5千億円を越えるという恐ろしいほどの額なのである。
なかでも今期も5千億円以上の赤字を出したソニーは、これで4期連続赤字という凄まじさである。
これらいずれの企業も、かつては飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けたわが国のリーディングカンパニーである。
はたしてこんな調子で将来の明るい展望はもてるのであろうか。
おりしも今産業界は原発休止による電力不足にも苦しみ初めており、この上に原発中止にでもなれば、電気料金の大幅値上は避けられず、さらに経営の足が引っ張ることにもなりかねない。
米国や韓国企業に比べて、いま期待できるこれという目玉商品のない日本企業にとって、今後も引き続き苦戦は避けられないのではなかろうか。
いまこそ抜本的な改革が必要なのでは・・・。
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ソニー赤字、過去最大の5200億円 見通しの2.4倍
ソニーは10日、2012年3月期連結決算の純損益の赤字が、従来の見通しの2.4倍にあたる5200億円に拡大する見通しだと発表した。
1995年3月期の2933億円を上回り、過去最大となる。米国でテレビやデジカメの販売が不振だったことが赤字が大幅に増えた原因という。
12年3月期の業績予想の下方修正は4度目。2月時点では2200億円の赤字と見込んでいたが、3千億円増えた。米子会社の12年3月期の業績が当初予想よりも悪くなり、「繰り延べ税金資産」を取り崩さなければならなくなったためだ。
米子会社の業績が振るわなかった最大の原因は、米国で1年間の国内消費の2割超が集中するといわれるクリスマス商戦の不振だ。
朝日新聞2012/4/10
パナソニック 過去最大規模の赤字7800億円の見通し 会長、社長の報酬3割減へ
パナソニックが6月の株主総会後に会長に就任する大坪文雄社長と社長に昇格する津賀一宏専務の役員報酬を、3割程度減額する方向で調整に入ったことが7日、分かった。
2012年3月期連結決算の業績が急激に悪化する見通しとなったことで、経営責任を明確にする。
役員報酬を減額する期間は、7月から半年以上で調整している。
ほかの役員の報酬も1~2割減額することを検討する。役員報酬の減額は09年3月期に純損益が3789億円の赤字になったことを受けて実施して以来、3年ぶりになる。
パナソニックは薄型テレビ事業の不振や、三洋電機の買収に伴う損失計上が響き、12年3月期連結決算の純損益が国内の製造業として過去最大規模の7800億円の赤字になる見通し。
業績悪化に対応し、人員削減に加え、液晶パネル工場の売却など事業構造改革を進めており、経営トップの責任を鮮明にする必要に迫られた。
今後は成長が見込まれるリチウムイオン電池など環境・エネルギー分野に経営資源を投入し、業績回復を目指す方針だ。
[ 2012年4月7日 10:20 ]
シャープ赤字拡大3800億円 パネル在庫の評価損計上
シャープは10日、2012年3月期の連結業績予想を修正し、純損益の赤字が2月時点の予想の2900億円から3800億円に拡大すると発表した。
大型液晶パネルの在庫評価損を計上したことや、携帯端末向け液晶の販売が減ったことが主な理由という。
業績予想は売上高、営業損益もそれぞれ下方修正し、2兆4500億円、400億円の赤字とした。
会見した大西徹夫常務執行役員は「市況の見通しが甘かった」と釈明。
一方で、酸化物半導体(IGZO)を使った解像度の高い液晶パネルの量産を3月末に始めたことを明らかにし、13年3月期は業績が回復するとの見方を示した。
また、液晶パネルで主力の堺工場(堺市)の運営会社が、同じ敷地内にある大日本印刷と凸版印刷の液晶用カラーフィルター事業を6月をめどに統合することも発表。
低迷する稼働率を上げ、コストを削減することを目指す。
2012/4/10 朝日新聞
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今期赤字の企業名
◇東京電力
◇パナソニック
◇東北電力
◇中部電力
◇NKSJ HD
◇NEC
◇ソニー
◇東京建物※※
◇任天堂
◇日本製紙G本社
◇日本ガイシ
◇川崎汽船
◇太陽誘電
◇マツダ
◇日本郵船
◇ローム
◇東京製鉄
◇双日
◇日本ユニシス
◇ミツミ電機
◇石井表記※
◇SUMCO※
◇ロイヤルホテル
◇コクヨ※※
◇東京機械製作所
◇日本風力開発
◇大成建設
※は1月期、※※は12月期、無印は3月期決算。▲はマイナス
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