2012年4月20日金曜日

米国ハーバード大学サンデル教授の授業を目の当たりにして ・ いまわが国大学教授の資質が大きく問われている


サンデル教授

皆さんはあのハーバード大学サンデル教授によるNHKTVの「ハーバード白熱教室」という授業中継番組はご覧になっただろうか。

生徒との対話やQ Aを中心にしたあの見事な授業展開はどうだろう。

あれだと学生ならずとも誰だってぐんぐん引き込まれていくのではないだろうか。

TV授業中継で日本でも一躍有名になったサンデル教授であるが、一般的にアメリカの大学教授の実情についてはそれほど知られていない。

実は米国の大学教授というのは、産業界に劣らないほどの厳しい競争社会で、その実力の差による収入格差は日本の大学などとは比較にならないほど大きい。

日本の国公立大学の教授は準公務員としてその待遇も公務員に準じている。

したがって実力によっての収入格差はそれほどない。

それゆえに無能な教授を作る温床になっているともいえる。

いっぽう米国はと言うと、決まってもらえる固定給部分は日本に比べてうんと少なく、その多くは研究を評価してくれる企業からの賛助金に頼っているのである。

したがって良い研究成果を次々と発表する有能な教授ほど高収入を得ることができ、半面成果の上がらない無能な教授はこの社会では生き難くなり、次第に淘汰されていくのである。

サンデル教授のような優秀な教授が出るのもこうした背景があるからなのである。

さて今日本の大学は今かつてないほどの厳しい淘汰の時代を迎えている。

いままで安閑として温室で育ってきた教授たちにとってはまさに大試練がやってきたのだ。

そうした彼らにとっては同じ大学教授であるサンデル氏のような有能な人を目の当たりにして、
わが身の力のなさを省みて、ますます萎縮してしまうのではないだろうか。

米国に見るように、言うまでもなくいま日本の大学教授に必要なものは研究成果を出すための知力と、それを認めてもらいスポンサーになってくれる企業を探すための営業力である。

この二つの要素を満たしていない者は一刻も早く、その立場を捨てて去るべきである。そうしなければ早晩居場所がなくなること必定である。

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