2012年11月20日火曜日

職場で生き残るための4つのキーワード ・ 米紙ウォールストリートジャーナルが提唱する 2013年、仕事に欠かせない4つのスキル



さすがに世界ナンバーワン経済紙の言うことは違う。

これからの厳しいビジネス戦線で生き残るために働き手が心がけるべき点について、4つのキーワードをもとに実に分かりやすく解説している。

とくに2番目の「自己ブランディング」というのは目新しいキーワードであり、新鮮なだけに訴求力も大きい

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雇用主は2013年も従業員への投資に慎重な姿勢を保つだろう。それとともに労働者に対してより高いスキルと結果を示してほしいと思ってもいる。

出世したい従業員は、基本的な能力を備えているだけでは足りない。

Richard Faust

2013年に昇進する、あるいは仕事に就くために、必要なスキルは4つあると専門家は語る。


1. コミュニケーション能力

どの水準であれ、労働者が前進する上でカギとなるのはコミュニケーションだ。

 「これはまさに、自分の見方をはっきり伝える能力や、コミュニケーションを通じて関係を構築する能力を指す」と、コンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパースの米採用担当者、ホリー・ポール氏は話す。

 特に求職者は、明確に自分の言いたいことを伝えることによって働き方のスナップショットを雇用主に示すことができる。「5分話しただけで、相手の熱意を感じ取ることも、相手にとって何が重要なのかを十分理解することもできる」とポール氏は言う。

 職場の会話でオンラインの割合がますます増えるなか、例えばプレゼンテーション能力を失ったり、そもそもそうした能力を身につけられない労働者もいる。140字以上の理路整然とした文章は書けないという人がいるかもしれない。

 カリフォルニア州の人材紹介会社ロバート・ハーフ・インターナショナルRHI+1.61%の幹部、ポール・マクドナルド氏によれば、「テクノロジーはある面、われわれから書く能力を奪った。みな急いでおり、同時にいくつもの作業をこなす」ため、つづりのチェックや校正といった基本を飛ばすという。


2. 自己ブランディング

 人事担当の幹部は、就職希望者を調査する際、ブログやツイッターに加えリンクトインなどビジネス向け交流サイトをのぞいてみる。彼らがそこで目にしたものを気に入ることが重要だ。

 職場トレーニングサービスを提供するニューヨークのデール・カーネギー・トレーニングのピーター・ハンダル最高経営責任者(CEO)は、ブログや交流サイトへの書き込みは、「あなたのブランドであり、あなたが自分をどう表すかだ」と語る。「あなた自身が後悔するような内容を掲載すれば、人もそれを見るということだ」という。

 労働者は、自身のブランドが魅力的であること、そして雇用主の目によく映ることを確実にしなくてはならない。ニューヨークで企業幹部などの研修を行っているメレディス・ハバーフェルド氏は「従業員が自社の代表としてツイートしたり、ブログを書いてファンを集めたり、人を引き付ける威勢のいいブログを書いたりすることに期待する雇用主が増えている」と話す。

 同氏のあるクライアントの会社で従業員が最近、中華料理を食べたことやマリファバを吸ったことをフェイスブックFB-2.72%のページに書いていたケースがあったという。

 同氏は「わたしはフェイスブックでそれを見た。彼女の上司も見た」と述べた。


3. 柔軟性

 企業は顧客に機敏に対応しようと努めている。来年は雇用主のニーズの変化に素早く対応する能力が重要になりそうだ。

 ハンデル氏は「誰かのきょうの仕事が来年は違うかもしれない」と指摘し、「多くの企業が、従業員に居心地のいい場所を脱し新たな場所に適応する仕方をわれわれに教えて欲しいと思っている」と語った。

 フロリダ州の不動産サービス会社スタイルズの人事担当幹部、ジョージ・ボウエ氏は、新しいスキルを習得する能力が最も大事だと語る。「新たなプログラムやツールを展開することになった場合に、従業員が学ぶ姿勢を持っているかを知りたい」という。


4. 生産性の改善

 労働者は13年に、新たな生産性向上策を見つけるべきだと専門家は語る。企業に関する調査や助言サービスを提供するコーポレート・エグゼクティブ・ボードの最近の調査によれば、企業幹部は来年、従業員のパフォーマンスが現行水準から20%改善するよう期待している。

 マクドナルド氏は「仕事をしているとき、進んでプロジェクトに参加するか。所属している組織を助けるために創造的な方法を探すか」と問う。「自分を本当に差別化する方法は、先を見越すことだ」という。

 向こう数年間で人を増やすことを検討している企業は、現在の従業員に成長モードで働いてほしいと思っている。ハバーフェルド氏は「わたしの顧客企業は、何が求められ、何が必要とされているかを、言われる前に理解する能力の高い従業員を探している」と言う。

 企業が来年拡大を考えるなら、採用マネジャーでさえ一定のスキルを磨く必要がある。ニューヨークの組織心理学者、ベン・ダットナー氏は「才能を見いだし、人を採用する能力は過去数年で低下した」と述べた。「景気が持ち直すなか、企業は有能な従業員を保持するため一段の努力が必要だ。企業は脂肪を落とした。今度は筋肉をつける番だ」。

記者: Ruth Mantell

ウォールストリートジャーナル日本版 2012/11/20

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