わが国のLNGなどの資源輸入に最も深く関わってきているのは日本の総合商社である。これまでにこうしたものの取引でどれだけ莫大な利益を上げてきているのだろうか。
ところが今回の国難ともいうべき原発の休止で急遽確保が必要になったLNGであるが、こんなときに活躍するのが商社の役目のはずだ。
ところがいま日本はカタールから世界一高い価格でこのLNGを買わされており、その金額たるや、実にアメリカの9倍もの値段を払っているという。
ヨーロッパ諸国と比べても1.5倍も高いという。
これが貿易立国を標榜している国のすることだろうか。いったい日本の商社は何をしているのだろうか。こんなに高いLNGを掴まされて恥ずかしくないのだろうか。
まさかカタールなどに加担しているのでもないだろう。
日本商社のカタール駐在員 しっかりしろよ!
以下は過去に放送された「NHKBIZ Plus」 より
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LNG“高値づかみ”なぜ? なぜカタールなんかに丸め込まれるのだ!
近田
「きょうのプラス。
カタールのエネルギー工業相の話を聞くと、価格の引き下げ、そう簡単にはいかなそう。
そもそも日本はどれ位の国から輸入している?」
飯田
「世界で今、LNGを輸出している国は18か国。
去年(2011年)、日本が輸入したのはマレーシアやカタールなど
17か国。
リビアを除き、”売ってくれる国”すべてからLNGを買って、かき集めました。
問題は価格。
日本のLNG輸入価格はいま1単位18ドル。」
近田
「アメリカでの価格と比べるとずいぶん高い!」
飯田
「震災以降、日本の電力会社がLNGの調達を一気に増やしたため、日本の足元を見て、つり上げられている面もありますが、根本的な問題は『原油価格連動』。
日本がLNGの輸入を始めた40年ほど前は、発電量の多くが石油を燃料としていただけに合理性がありましたが、枝野大臣は今日こう述べました。
『原油価格連動の合理性は薄れている』。
さらに『今後、合理性は失われる』とも言っていますが、ポイントとなるのがアメリカ本土で開発が進む、『シェールガス』。
地下深くから出る天然ガス。
アメリカでは天然ガスの需給で価格が決まるので、大量の供給で安くなっています。
シェールガスを輸入するための準備を進めている大手商社で聞きました。」
住友商事でLNGなどの取り引きを統括する、高井さんです。
アメリカから輸入することがカタールなど他の生産国に対して、価格を下げさせる切り札になると言います。
住友商事 高井裕之エネルギー本部長
「加工賃とか運賃、保険料など入れても、(アメリカから)日本に持ってくると10ドルくらい。
今の既存の長期契約ベースは、16ドル以上で買ってる訳で、米国からそういう安いものが本当に入ってくれば、当然これは既存のサプライヤー(供給国)に対して、バーゲニングパワー(交渉力)になるのは間違いない。
交渉するときに、あんまり値段が高いと、『我々はアメリカからどんどん買いますよ』と言えるのと言えないのとでは、だいぶ違うと思う。」
近田
「アメリカから輸入できるか、決まったわけでは無いですよね?」
飯田
「輸出基地の整備やアメリカ政府の認可が必要で、4、5年先になる見通しです。
それでもLNG価格が上昇すると私たちの電気料金にも影響します。
LNGの”安定確保”はもちろん必要ですが、”世界でもっとも高値でつかまされている”と言われている現状を変えるための取り組みがいっそう重要になっています。」
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