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ロンドン フォイルズ書店
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王室ご調達・ロンドンのハッチャーズ書店
イギリスと言えばまず第一に上げなければならないのはロンドンのハッチャーズ書店であろう。
この店は創業100年という古い歴史を持ち、皇室ご用達という栄誉にも輝く英国きっての名門書店なのである。
チャーチル元首相もこの店をこよなく愛したという。
又プロの作家の間でもこの店でサイン会を開くことが社会に認められた証しだと考えられているほど信望の熱い書店なのである。
さて日本では最近オープンしたばかりの大阪の「MARUZEN&ジュンク堂」が蔵書数200万冊で国内トップの座におどりでた。
これまでトップの座にいた池袋ジュンク堂より実に50万冊も上回っているのである。
しかしこれでもまだ世界のレベルには届いていない。
その蔵書数で世界一を誇っているのがロンドンのフォイルズ書店でなんと500万冊というとてつもない数なのである。
これはユニーク・ルクセンブルグの書店
さて次はお国変わって人口40万人のルクセンブルグだが、ここに大変ユニークな建物に入っている書店があるという。名前はエルンスター書店と言う。
この書店の建物はフロアーの表示が
「+2・+1・0・−1・−2」というふうになっていると言う。
これっていったいどういうことかお分かりでしょうか?
つまりこの建物は地上3階地下2階の5層の建物なのである。
こう言うともうお分かりであろうが、0の1階を基準にして+2が3階を表し上から数えているのである。
これは実にユニークでおもしろい表示ではないか。
他にもあるのだろうか、こうした数え方をする国というのは。
ロシアの本には価格表示がない
次は大国ロシアである。
この国には再販制度は無い。したがって価格の設定は原則的に自由である。
何も再販制度が無い国はロシアだけではなく世界を見渡せば沢山の国に及んでいる。
もう一方の大国アメリカでもこの制度は無いのである。
しかしロシアが特に変わっているのは本に価格の表示が無いのである。
これは我々日本人としてはにわかに信じ難い。
価格表示がないと言うことは購買の意思決定のための一つの判断材料がないわけだ。
その都度店員さんに聞くのであろうか。これについては不明である。
またこの国の書店ではレシートを持たないと外へ出してくれなくて、それによって万引きなどを防いでいるのだと言う。まあこれも一つの盗難防止対策の一環であろう。
こうしたロシアの事情だが、ちなみにこの国の2001年の出版点数は70322点で日本を上回っているのである。
次は北欧のスウェーデン。
首都ストックホルム市内にはインタープレスと言う名前の世界の新聞・雑誌専門店があるそうだ。
そこには世界の新聞が104紙も売られていると言うが日本の新聞は日経1紙だけだったそうだ。
世界最大の発行部数を誇るわが国の普通紙がもう1紙ぐらいあってもよさそうなのだが。
アメリカでは20〜30%ディスカウントは当たり前
さてやっと順番が巡ってきたのが世界に誇る書籍大国アメリカである。
先ほども少し触れたがこの国にも日本のような再販制度はなく価格の設定は自由である。
したがって例え新刊書であっても20〜30%ぐらいのディスカウントは普通のことだと言う。
きっちりと定価販売の本を買わされる我々日本人には羨ましい話である。
アメリカの書店は日本よりずっと早くから大型化が進んでいて、売上シェアのうちの50%を大手4社が占めている。
その4社の内のひとつでニューヨークだけで15ヶ所も店舗があるハーンズ&ノーブルのユニオンスクウェアー店は各階に机・椅子の設備が豊富で、しかも3階にには大きなカフェ、4回ではトークショーや講演会が開催されており暇つぶしにはもってこいで、客の中には1日中この店で過ごす日ともいるのだと言う。
圧巻!北京の書店専門街
さて次はいよいよ私たちが住むアジアの書店である。
先ず最初はなんと言っても中国だが北京には東京神保町のような書店街があり、そこには書店ばかりが集まっている二つの大きな建物がある。
まずその一つは「籍海楼」という名前の4階建ての建物でここには書店ばかり37もの店が軒を連ねている。
もう一つは「早海楼」で「籍海楼」よりもっと多い43点もの書店が集まっている。
建物のテナントすべてを書店が占めているのである。
たくさんあるからと言って決して小規模店ばかりではなく、このうち3店は100坪以上の売り場面積がある。
次は香港に移るが、この都市のコーズウェイ・ベイという店でカフェでコーヒーの無料サービスをやっていて客の評判を読んでいる。
店側としてはコーヒーでも飲みながらゆっくり時間をかけて本を選んでもらうという狙いである。
ソウルの大型書店では文芸春秋が300冊売れる
さて最後はお隣韓国であるが、人口が日本の3分の1しかないとはいえ書店の規模では決して引けをとってはいない。
ソウルの教保文庫という書店はアジア有数の大規模店だが、日曜日など休日の混雑は尋常ではなく、いつもレジの前は長蛇の列である。
本屋が繁盛していることは教育立国韓国としては面目躍如たるものがある。
この店で日本書コーナーも設置されており、そこでは雑誌の
文芸春秋だけで300冊も売れるというから驚きだ。
ちなみにこの店の
日商は2500万円である。
さて最後はわが国の書店の海外進出ぶりでについて触れるが、大きな店としてはジュンク堂パリ店・旭屋香港店・紀伊国屋台湾店、同シンガポール店、同バンコク店ぐらいであろうか。
再販制度がきっちり守られていて決して価格は安くないわが国の書籍業界ではあるが、やはりこの業界の動向は国の文化水準を表す大きな指標となるだけに今後とも書籍業関係者のご奮闘を祈るばでかりある。