今わが国では結婚したくても出来ない人の割合が急激に増えてきている。その率は先進国の中でももっとも高く、特に給料が安い非正規雇用者にこの傾向が顕著である。
グラフを見てもお分かりであろうが、特に男性の方にそうして傾向が強く、30代半ばから40代半ばのいわゆる中年に差しかかる年齢になっても約60%近くの人が結婚できず未婚のままなのである。
おそらくこういう人たちの内40歳以上の人の大半は、今後も年齢的にもますま不利になり結婚しないまま一生を終える可能性が高く、もしそうだと、気の毒に思う半面それを通り越してむしろそら恐ろしくさえ思えてくる。
だが、これがわが国の現実の姿であるのだから致しかたない。
上のグラフは 正規・非正規別の未婚率の状況を表したものである。
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非正規雇用者の未婚率は正規雇用者の2.5倍
このグラフを見ると確かに男性就業者を正規と非正規とで比較すると未婚率は非正規が高い。
特に30歳代で差は大きく非正規の未婚率は75.6%と正規の30.7%の約2.5倍となっている。
40歳代の男性非正規就業者であると45.7%と半分近くがなお未婚というデータとなっており、非正規の増加は男性の生涯未婚率の上昇にも影響していると考えられる。
女性の場合は男性と逆であり正規就業者の未婚率の方が非正規就業者の未婚率より高い。女性30歳代で正規就業者の未婚率は46.5%と非正規就業者の22.4%の2倍以上となっている。
これは女性が正規就業者として働き続けるためには独身を通している必要があるという状況を示しているように見える。
しかし、女性の場合は、逆の因果関係(雇用形態が配偶関係の原因なのではなく配偶関係が雇用形態の原因)、すなわち結婚すると、あるいは結婚して子どもができると、正規から非正規に働き方を変える場合が多いから、こうした結果となるという側面も大きい。
こう考えると、女性の場合は、現状の子育てと正社員就業が両立しないという好ましくない状況が変わらないとしたら、非正規が増えた方が婚姻率、出生率があがる側面もあるということになる。
「社会実情データ図録」 参照
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