2012年10月18日木曜日

ニューヨークのホテル ・ 誰も知らないウラ話(その6)


50代のベルボーイも珍しくないニューヨークのホテル

わが国でホテルのベルボーイといえば、たいていの人はそれに従事する人として若い男性を連想するに違いない。それも20歳前後の若者である。

これは普段どこのホテルに行ってもそうした人たちばかりを目にしているせいであろう。


ベルボーイというのは玄関口で客を迎えその荷物を運んだり、さらにその客を客室へと案内したり、またその客がホテルを発つ時に荷物運びの手伝いをするのが主たる職務になっている。


したがってある程度の体力と機敏さが要求される仕事なので若い男性に適しているのだ考えられる。


でも近頃はベルボーイだけでなく、ベルガールと呼ふのか、若い女性もこうした仕事の従事しているのも珍しくないようで、テレビなどでも時々そうした女性を目にすることがある。

いずれにしてもわが国でこの仕事に就く人はみな若いのである。


だがこれが外国だと事情はまったく違ってくる。というより日本とはまるで逆で、むしろ若い人は少なく、目に付くのは年配の人ばかりなのである。

20代はもちろん30代も少なく、目立つのは40~50代の人たちばかりで、その年代の人がこの仕事の主力になっているのである。

中でもベルキャプテンと呼ばれるこの仕事のチーフクラスになると、わが国でいえば定年に近い人に相当する60歳にも手の届きそうな人もいるのである。

こうした人はベルボーイとは言えこの道数十年の大ベテランであり、周りの誰からも一目置かれているのである。

私が勤めていたニューヨークのスタットラーヒルトンにも年齢が58歳にもなるウイルソンというベルキャプテンがいたが、その彼もこの道30年という大ベテランであり、そのとき支配人をしていたマッコイさんでさえこの人には頭が上がらない風であった。


だからたとえ仕事とは言え、私などの新米のフロントクラークとしては、こうした人にものを頼むのは大変で、いろいろと気を使ったものだ。


このようにベルボーイの世界でも日米には大きな違いがあるのだが、これも日本と米国におけるテルの歴史の差から来ているのであろうか?

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