企業にとって役に立たず、お荷物になる社員のことをかつては「窓際族」と呼んでいたが、今はそうは呼ばず「社内失業者」と呼んでいるのだという。
今回のこの名前も窓際族と同じような人を対象に使われるのだろうが、インパクトは窓際族よりうんと強い。
いまその数およそ600万人!信じられますか?これほど膨大な数の社内失業者がいることを。
もう20年以上もまともに給料が上がらないほど、このところの長い不況で企業内失業とも呼ばれる社内失業者の数がいま増加の一途をたどっている。
企業はこうした人たちに対して様々な方法を使って追い出しとも思える行為に及んでいる。
これはもう企業ぐるみのイジメである。
以下朝日新聞電子版に2日連続で載ったこの問題に関する記事である。
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追い出し部屋次々「自分で客作れ」
【千葉卓朗、内藤尚志】会社にいても仕事がない「社内失業者」を集めた「追い出し部屋」の情報が次々とよせられている。そこで命じられるのは、他部署への「応援」や自分の転職先さがしだけではない。
ノルマの無理強いや賃下げ――。多くの企業に広がり、様々な手法が生みだされている実態が浮かんできた。
■営業、連日ダメ出しメール
「進捗(しんちょく)、悪すぎます」「やる気ありますか」
化粧品の訪問販売の大手、ノエビア(本社・神戸市)の中年の男性社員は、毎日のように上司から届く「ダメ出し」のメールに唇をかみしめた。
朝日新聞電子版 2013/1/28
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「追い出し部屋」パナなど5社を実態調査 厚労省
【内藤尚志】大手企業で社員から「追い出し部屋」などと呼ばれる部署の設置が相次いでいる問題で、厚生労働省が企業への実態調査を始めた。
まずはパナソニックなど5社への聞き取り調査を先行して行った。まともな仕事を与えられていない「社内失業者」を集め、「退職の強要」などの違法行為があれば、改善を促す方針だ。
厚労省はこれまで、電機大手のパナソニックのほか、業績悪化などで人減らしを進めているシャープやソニー、NEC、生命保険大手の朝日生命保険の計5社を調べた。
いずれも各社に「追い出し部屋」と呼ばれる部署があることなどを朝日新聞が昨年末に報じていた。
5社への「先行調査」の結果の一部は、29日にも社名を出さずに公表する。大企業にこうした部署の設置が広がっていることを明らかにし、ほかの社に注意を促すねらいがある。
今後さらに調査を広げて、民法の「不法行為」にあたる退職の強要などがないか、厳しく監視する。
朝日新聞電子版 2013/1/29