そんなことは今さら聞くにも及ばず、わが日本では全家庭の80%以上でその実権は亭主にあらず奥さんが握っているのである。
そして亭主は今や単なる月給運搬人に成り下っていて、汗水流して稼いだ給料の中から「はい、これ今月分」と言われて、なにがしの額のお小遣いを支給されるのである。
でもこれって考えてみれば随分おかしいことではないだろうか。
なぜならそのお金を稼いでくる一家の主人と言えば、多くの人がその職場においては、やれ「利益率」であるとか「経営効率」とか、さらにのは「経営手法」についての様々な知識を学んでいるはずである。
そうしたいわゆる数値に明るいはずの主人が家庭の金銭管理に当たらずに、どちらかと言えばそういう方面に暗い奥さんが一家の金銭管理にあたるというのはどうしたことであろうか。
おそらくこうした状況は日本の特異な状況なのではないだろうか。
それを実証するためにここで世界の「家庭の財布のひも事情」を眺めてみよう。
以下の記事は「地球ラジオ」というネットサイトが2009年に世界各国在住(在住経験者)の日本人にインタビューしたものである。
・エジプト N さん
エジプトで財布のひもを握っているの大多数の家庭が夫です。ごく一部の都市部に住んでいる若い人たちの家庭では、妻が財布のひもを握っているところもあるみたいですが、そういった家庭はエジプトでは本当に少ないようです。エジプトではどうして、夫が財布のひもを握っているのかといいますと、イスラム教の教えで、そのようになっているからです。つまり、イスラム教の教えが書かれた経典、コーランにそのように書いてあるからです。「家庭では夫が財布のひもをにぎるべし」というふうに。
・イギリス Kさん
フルタイムで共働き、どちらが一方がパートタイム勤務、シングルペアレント、パートナーシップ等々で状況は違ってくるのでしょうが、一般的にいって片方だけで全てを管理しているようではないようです。私の周りでは、食費、子どもの費用などは、そのつど妻が支払う形ですが、光熱費や種々の税金そして年に一度の申告(会社勤務でも状況によってする必要があります)は夫が行っています。
・アメリカ C.N さん
白人のアメリカ男性と結婚した日本女性である私の友人は、やはりご主人だけに収入があり、毎月、現金で決まった額の生活費を彼からわたされ、「これでやりくりするように」と言われるそうです。カードも作ってもらえず、「まるで大昔の日本のみたい」と、嘆いていました。
・イタリア N.M さん
イタリアはカップルともに働いていることが多いので、二人の共同の財布で食費や光熱費、ひいては家賃まで折半します。
・アルゼンチン S.Kさん
こちらでは、夫の場合が多いです。年配のご夫婦では、夫の給料の額さえ知らないこともあると聞きます。若いカップルは、共働きが多いのでそこまではいきませんが、基本的な部分は夫が管理することが多いようです。
・タイ S.F さん
母系社会タイではご主人はマスオさんです。当然、財布は奥様方ががっちり握っています。少数ですが華僑系の家庭はご主人が。奥様方は経済的に余裕があると実家や親せき、知り合いに気前よくプレゼントします。だから国際結婚した欧米系の男性は用心して財布のひもはしっかり握っています。
・フランス V.M さん
家の家計の管理は夫がしています。夫の部屋にお金を隠す場所があって、家族はそこからとりだして使っています。大事な買物は夫に相談しています。夫は買物が好きで主に夫が買物をしています。経済的な良い買物をしているようです
・トルコ J.T さん
トルコでは、断然男性が多いと思います。田舎の方に行けば行くほど、お金の工面は男の仕事、女性は必要な額をその都度、夫からもらう、というような形ではないでしょうか。田舎方面では、買い物そのものも、基本的に男性の仕事なので、奥さんは必要な物は何でもメモに書いて渡し、ダンナさんは、それを買ってくるという感じですので、お金自体が手に渡らなくても、大して不便ではないんですね。給料袋をそのまま、奥さんに渡す人、というのは聞いた事がないです。
インターネット「地球ラジオ 世界まるごと質問箱」参照
以上一部の国々ではあるが「世界財布のひも事情」のご紹介でした。
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