大学生の勉強時間 |
少し古いが1990年のある調査によると、日本の大学生は授業以外に、自宅や図書館などで一日平均1.8時間しか勉強しないのに対し、アメリカの大学生は7.6時間(つまり日本の4倍) も勉強するのだそうだ。
また、日本の大学生の多く(48%) が「大学生活で一番大切なのは友人との付き合い」と考えているのに対して、アメリカの大学生の多く (50%) が 「講義、ゼミ、実験などが一番重要」 と考えていることも分かった。
このようにアメリカの学生に比べ圧倒的に少ない勉強時間であるが、その後少し改善されて2008年の調査では「勉強第一」と答えた日本の学生は27.6%になった。
それでもまだアメリカの学生とはまだ20%以上の開きがあるのである。
インターネット「大学生の勉強時間」参照
こうした日本人学生の少ない勉強時間を云々する前にいったいこのことは何を意味しているのかについてを考えてみよう。
つまりアメリカの学生と違って日本の学生が勉強しなくても許される背景にはどういうことが潜んでいるのかという点についてである。
それは一言で言って日本の大学における卒業の門の広さである。
よく言われているようにアメリカの大学が「入りやすくて出にくい」のに比べ、日本の大学は「入りにくくて出やすい」のである。
したがって日本の大学生は入るまでは学習についてそれなりの苦労はするが、いったん入ってしまうと卒業に対する危機感などまったくないので、それまでの勉強に対する態度をとたんに緩めてしまい、遊びやバイトという安易な方向に流れてしまうのである。
それに対してアメリカの学生は入学に際して門戸を広げて入りやすくしてくれている大学に感謝する反面、極端に出口を狭められている卒業ということに対して非常に危機感を抱いており、そのために入学した後も緊張感を維持して勉学に励むのである。
今でこそ日本の大学も一流どころでは卒業に厳しい条件をつけてきつつあるが、
まだまだ大半の学生は勉学に対する緊張感が欠けており、のんべんだらりと毎日を過ごしている者が多いのではないだろうか。
今ここで別に難しいことを言うつもりはない。
ただ、今一度「学生の本分は勉強にある」という原点に立ち、最高学府で学ぶにふさわしい人間として、真摯な態度で勉学に対峙して欲しいものである。
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