気がついてみると私が飲みに行く店と言えばいつの間にか「立ち飲み屋」が主流になってしまっている。
アメリカやイギリスのように「バー」と言えばすなわち「バー」であって、カウンターの前に立って飲むのがオーソドックスでスタンダードなスタイルである。
そのスタイルが遅ればせながらようやく日本でも定着しつつあるようだ。
ところで立飲み屋の「ダークダックススタイル」ってご存知だろうか。
中年以上の人だと知っていると思うが「ダークダックス」とは往年の人気コーラスグループの名前である。
彼らがステージで歌うときのスタイルがやや斜めに構えて立っていたことから、それほど広くない満員の立飲み屋で一人一人のスペースを狭めるために否応なく斜めに構えて飲むことをこう呼ぶようになった(知る人ぞ知る)のである。
まあ「袖すりあうも他生の縁」ではないが、それが立飲み屋のいいところでもある。
期せずして隣の人と体が触れ合うほどの距離にいれば何となしに親しみもわいてきて、まるで旧知の友のごとく気軽に会話を楽しめる雰囲気が涌いてくるのである。
「ダークダックススタイル」とは誰が考えたのか知らないが、なかなかユーモアセンスあふれるネーミングである。
ところで皆さんは禁煙バーっていうのをご存知でしょうか。
いまや人の集まるあらゆる施設には禁煙の波が怒涛のごとく押寄せているが、喫茶店やレストランならいざ知らず、仕事を終えた人々の最大の憩いの場所である酒場までが禁煙の対象になるとは思わないのが大方の考えなのだが、実はそうでもないのである。
その最大の憩いの場である酒場にも禁煙の波はじわじわと押寄せているのである。
JR姫路駅から近いお溝筋という通りに「A」という立飲みバーがある。
この店は以前は酒屋さんでその一画に立飲みコーナーが設けられていたのだが、1年程前に酒屋の方は廃業して店舗を改造して「立飲みバー」として新たに開業した店である。
この店は酒屋の「立飲みコーナー」の時から禁煙の看板を掲げそれを見事に貫いてきた例外無しの100パーセント禁煙の店なのである。
普段は愛煙家の人もこの店に入るとタバコ1本取り出そうとしないのである。
他種の店ではともかく、「飲屋」での禁煙というのはなかなか実施が難しいものだと思う。
それを時代の風潮にかんがみあえて実行に踏み切った店の経営者は大変勇気のある人でまさに尊敬に値する。
この店に習って今後こうした店が増えてきたらいいのだが。
なにはともあれ「ノースモーカー」の私としては今後とも禁煙立飲みバー「A」が益々発展するようにと心より願う次第である。
0 件のコメント:
コメントを投稿