一時期「美人は心が冷たい」などということが人々の間でまことしやかに語られていたことがあった。
また、性格が悪いとか、美人薄命などとも言われて、なにかと美人をけなす風潮があった。
だが人の考え方は変わってきた。いまではむしろ美人である人のほうがそうでない人より性格がいいと思う人が多くなり、冷たいなどとはもってのほかである。
さらに、一般的に容姿の優れた女性は、頭脳も優れていると考える人も増えている。
こういうふうに人の考え方を変えてきたのは、テレビの影響が大である。
つまりテレビに出演する女性に美人で頭がいい人が多いからである。
その代表的な人たちが女子アナである。
いま、キー局のアナウンサーとして活躍している女性たちは総じて美人ぞろいである。
一言でアナウンサーと言うが、およそ女子アナになろうと思えば、数百倍の倍率をクリヤーしなければなれない難関中の難関なのである。
それも応募者は一流大学出身の才媛ぞろいでエントリーするだけでも大変なのである。
そうした難関を突破して晴れて女子アナになった人たちは総じてビジュアル的にもすぐれ、頭脳明晰な人々たちばかりで、いわば才色兼備であり、みごとに二物を備えているのである。
いったい「天は二物を与えず」などと誰が言ったのだろうか。
そもそもこんなことをいった人は物事に理屈が分かっていない。
美人で頭のいい女性はどうして生まれてくるかを考えればすぐ分かることである。
つまり親の両方またはいずれかがルックスがよくて頭もいいのである。
要は親のDNAが優れているのである。それを子どもが引き継ぐのは当然なことである。
こんなに理屈に合ったことはない。なのになぜ「天は二物を与えず」などということが言えるのであろうか。それこそ不合理極まりないことではないか。
一方、いまの世の中には不公平感が渦巻いている。
主にそれは富の不公平な配分に向けられているが、よく考えてみるとそもそもそれをもたらすのは"天が二物を与える"からである。
それはつまり、一般的に言って、富は頭が良くてルックスのいい人のところへ流れる傾向がある。
だとすると富が広く行き渡らずにそういうところへばかり一極集中するのはごく当たり前のことなのである。
ということは、これを是正するには、もともとの諺のように、一人に二物を与えないようにしなければならないのではなかろうか。
それだと二物の集中度が50減るわけだから、すこしは一般へもお鉢が回ってくる可能性も出てくる。
と、こんな他愛もないことを考えてみたのだが、どうもそんなふうにするための、うまい方法など簡単には見つかりそうにないようである。
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