「なんで私が京大に」という、ある大手進学塾の広告(写真上)を電車の中で見た。
中吊り広告ではなく壁面上部に貼られていたものである。
もっとも大学名が「京大」となっているものは関西地区だけらしく、関東に近い地域では「東大」になっているという。
まあそれはともかく、「なんで私が京大に ?!」ということをより詳しく言えば、「普段の成績があまりよくない私がどうして超難関の京都大学へ入れたのだろうか。
こんなことがあっていいものだろうか?と、まあこんなところだろう。
ということは、更に考えを進めると、「普通では入学など不可能な低い学力しか持たない学生でもわが塾へくれば京大でも合格できる」ということになる。
一般的に考えて、万に一つぐらいは、稀にそういうこともあるだろう。
でも滅多ににそんなことはなく、もしあったとしても、それはマグレの範疇でしかなく、普通の世界でのことではないのである。
こうゆうふうに考えていくと、このキャッチコピーの表現には二つの大きな問題点がある。
まず第1点だが、マグレほどにしか起こらない奇跡のようなことを、一般的に可能だと思わせようとしているること。
そして第2点は、日本で第2位の難関国立大学に対して、「なんで私が京大に?!」というのは、考えようによれば、誰でも入れるというような印象を与え、京都大学を軽視し、侮辱しているともとれるのである。
いまさら言うまでもないが、京都大学とは決して"なんで私が"と思うような人が入れる大学ではないのではある。
この種の広告表現は電車の車内広告だけでなく、最近では受験本のタイトルにも使われているようであるが、これはもう誇大広告の他のなにものでもない。
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