東欧ルーマニアはいまだに「魔女」が力をもつ国だ。
「呪い」で大金を得ていたとして昨年12月、人気魔女が逮捕され、芸能人や政治家も巻き込んだ大スキャンダルに発展した。
法律で規制する動きもあるが、「現代の魔女狩りだ」との声があがり、実現していない。
■巨額の報酬次々に判明
逮捕された魔女はメリッサ、バネッサと呼ばれる30〜40代の2人。
いずれも、テレビ番組にも出演する売れっ子だった。
警察などによると、メリッサらは人気女優(39)から母親との遺産争いの問題で相談を受け、母親が別の魔女に依頼してかけた「呪い」を取り除く見返りに法外な報酬を要求。
現金や高級車ポルシェやブカレスト市内のマンションなど45万ユーロ(約4700万円)相当を受け取っていた。
この女優がメリッサらとの関係を絶とうとしたため、仲間の5人の男たちを使って「自殺に追い込む」などと脅迫した疑いがもたれている。
さらに、ルーマニアの有名サッカーチームのオーナー夫人は、夫の愛人から呪い殺されないための呪術の報酬として40万ユーロ(約4200万円)を支払っていたことが判明。
人気サッカー選手も10万ユーロ(約1050万円)で、国外の有名チームへの移籍がかなうよう祈願していた。
効果があったかどうかは分からないが、フランスのチームに移籍を果たした。
一方、ブカレストのオプレスク市長は、2008年の選挙戦でメリッサらに加勢を依頼。
09年の大統領選で敗れたジョアナ元社会民主党党首も、現職のバセスク大統領が「強力な魔術師を雇っている」と知り、助力を請うていたという。
朝日新聞 2012/3/9
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