このところのスマホの急激な普及は、わが国でも様々な面で悪影響が出始めているのは事実である。
例えば料金の延滞によりブラックリスト入りが増加してきたり、子どもが親のスマホを使ってゲームに熱中し目の飛び出るような高額費用を請求されたりというような問題も少なくない。
スマホだけでなく、従来型の携帯電話と併用で使っている人も少なくないようだが、そうした人たちの中には月に数万円に及ぶ費用を払っている人も少なからずいるに違いないが、
いったいどのようにしてその費用を捻出しているのであろうか。
バブル時代と違ってもう何年も給料が据え置きというわが国では、こうした余分な費用を捻出するのは大変なことであるに違いない。
多分、他の何かの費用を削って、その分をこちらの方にまわしているのに違いない。
以下は米国におけるスマホ料金が家計に及ぼしている悪影響を書いたウォールストリートジャーナル日本版記事の抜粋である。
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スマホ料金、米家計を浸食中―どこまで我慢できるかが問題
ステフェンさん夫妻は故郷のサウスダコタ州ミルバンクに近い湖を一望できるレストラン、ソダック・ショアーズでほとんど毎週、ステーキを食べていた。
ところが二人が米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)」を持つようになってから、柔らかなリブアイステーキにお目にかかれる機会がめっきり減った。
妻のハイジさんは「毎週末、私たちは何かしらのことをしていた」と話す。「今はだいたいひと月か、ふた月に1度外出するだけだ」と正看護師のハイジさんは言う。夫はタイヤショップで働いている。
携帯電話を所有する米国人の半数超はアイフォーンのようなスマートフォンを持っている。
これが米国中の家計を不安定にした原因だ。政府統計によると、過去4年間、米国民の支払う電話料金は増え続けた。
一方、外食費や衣服費や娯楽費が削られた。レストランやアパレル、映画などの各業界でそれは顕著に表れている。
この綱引きは激しさを増すばかりだ。携帯電話サービス会社は新しい通信網による高速サービスの提供と利用量に応じた料金プランにより、さらに高い料金を支払わせることができると踏んでいる。
携帯電話所有者は、生活に欠かせないものや欲しい物への出費と新しい技術に対する興味のせめぎ合いで、どこまで支払えるのかを試されている。
これまでのところ通信事業会社の勝ちだ。米労働省が25日に発表したデータによると、米国民が昨年電話会社に支払った料金は前の年より4%以上増えた。
2005年以降で最大の伸び率だ。リセッション(景気後退)の最中と後、消費者は幅広い項目で支出を減らした。
しかし、ますます多くの人が200ドル(約1万5500円)のスマホと、月約100ドルの電話料金を支払うようになり、平均的な世帯が年間に使う電話関連費用は1226ドルとなった。
初めてアイフォーンが販売された07年は1110ドルだった。
スマホが2台以上ある世帯ではすでに平均よりはるかに多い費用――年間4000ドルを越える場合も――を支払っている。ケーブルテレビや家庭でのインターネット代を優にしのいでいる。
ウォールストリートジャーナル日本版 2012/9/27
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