放置自転車と聞けば、何かと悪者扱いされることが多いようだが、何も悪いところばかりではない。
なんとこの放置自転車がある人たちに対しては、たいへん役に立っているのである。それはリタイアして仕事のない高齢者たちに貴重な仕事を与えているからなのである。
放置自転車を回収しているは誰なのか?
街を歩いているとき、2トンぐらいの小型トラックに自転車を積み込んでいる人の姿を見たことはないだろうか。
私はよく見るのだが、あれはつまり、不法駐輪の放置自転車を積み込んでいるのである。
前もって警告のステッカーを貼り付けておき、それでも撤去されないものを回収しているのである。
これをやっている人はたいていの場合高齢者である。若い人がやっているのを見たことがない。
かなりの重量のある自転車をトラックの荷台に上げるには相当力が要るだろうから、むしろ若い人のほうがいいと思うのだが、やっているのは決まって年配者ばかりなのである。いったいどうしてなのであろうか?
放置自転車の回収は「シルバー人材センター」にとって大事な職種
実はこれには訳がある。放置自転車を取り締まるのはたいていの場合役所の管轄となっている。
つまり市とか町の役所である。では直接役所の職員がこの仕事に当たるのかといえば、そうではない。
役所はある組織にその仕事を依頼するのである。その依頼先というのは各地にある「シルバー人材センター」という組織である。
シルバー人材センター、皆さんはこの名前をお聞きになったことはありますか。このシルバー人材センターとは所轄官庁から要請により作られた、主に高齢者の就業斡旋を目的とした機関なのである。
60歳以上の職を持たない高齢者に対して働く場所を斡旋、紹介する組織なのである。
したがってこの自転車回収に当たっている人々はこのシルバーセンターから派遣されてきているのである。
ここまで言えば、回収に当たる人がなぜ高齢者ばかりなのかという理由もお分かりだと思う。
実はこの自転車回収の仕事はシルバーセンターでは大切な職種の一つになっているのである。
それというのもこの不景気下では、なかなか高齢者向けの仕事も少なく、そんな状況下で増え続ける放置自転車は絶好の仕事をシルバー人材センターに提供し続けているのである。
保管期間が過ぎた自転車はバザーで売却
なお、シルバー人材センターでは、一定期間が過ぎた後で、回収した自転車の一部ををバザーを開いて売却しており、それからも利益を得ているのである。
放置自転車も捨てたものではない。こういうところでちゃんと世の中のお役に立っているのである。
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