しかしいくら経営不振とはいえ、シャープの傷口はどれだけ大きくて深かったのであろうか。
この企業に関しての人員整理、事業縮小や賃金カット、あるいは外国企業による資金援助などを伝える新聞を初めとするメディアの報道は昨年以来いったい何度あったであろうか。
これだと、いかにかつてはわが国のIT弱電分野のリーディングカンパニーであったとは言え ”いったいこの会社は大丈夫だろうか”と、心配になってくるのは決して私だけではないであろう。
そう心配するのも、いまわが国のIT弱電分野の不況は業界全体に及んでおり、ソニーやパナソニック、NECなども程度の差こそあれ、同じように人員削減、給与カットなどにより経営建て直しを続けている。
そうした中でシャープの状態が最も悪いように思われるからである。
ところで、昨日もNHKのニュースで報道されていたが、この14年間でわが国の個人平均所得は年額で58万円も減っている。
何もいまさら言うことでもないが、こうした状況下ではもう消費のパイの拡大を期待することは出来ない。
たとえ海外に目を向けたところでそれにもすでに限界が見えはじめている。
ではどうすればいいかと言えば、奪われた売上シェアを奪い返すしかないのである。
ではどこに奪われたかと言えば、それはつまり、このところ目を見張るような急成長を続けている韓国の巨大企業サムスンであり、同じように成長を続けている台湾の弱電企業である。
それらの企業から奪われたシェアを取り戻すしか、他に道はないのではなかろうか。
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シャープ、人員削減1万人超めざす 2千人退職労使合意
経営再建中のシャープは26日、労働組合に提案していた約2千人の希望退職の募集と給与、賞与の削減について、組合側と合意したと発表した。
これで、同社が8月に発表した5千人の削減策にめどがついた。さらにシャープは、海外工場を売却することで、最終的に1万人超の「リストラ策」の実行をめざす。
希望退職は40~59歳が対象で、11月に募集を始める。退職は12月15日になる予定。
給与は、一般社員で5月から2%で実施していたカット幅を7%に拡大するほか、賞与も半減させる。10月から来年9月まで1年間実施し、今年度だけで人件費が約140億円減る。
朝日新聞 2012/9/27
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