「楽天」と「ユニクロ」の両社は先頃、2012年度から社内での公用語を英語にすると発表した。
これはわが国のビジネスパースンに少なからず衝撃を与えるニュースである。
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その後ビジネス界ではこのことが大きな話題となり、あちこちに大きな波紋を起こしている。
「社内公用語の英語化」と聞くと、まずほとんどの人は言葉として話す英語、つまりスビーキングを思い浮かべるに違いない。
もちろんそれはそれでいいのだが、でももう一つ大事な要素があることを忘れてはならない。
それはあらゆる社内文書も併せて英語化されるということである。
つまり社内伝達資料・会議資料・報告書などなど、これまで日本語で作成されていた文書がすべて英語化されるのである。
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考えてみればこれは大変なことである。
まず作る段階で作成者を悩まし、また受け取った側が読む段階でも頭をひねらなければならなくなるのである。
つまり社内公用語の「読む」「書く」「話す」の三つの要素すべてが英語化されるのである。
これは当事者にとっては大変どころの話ではないのではないか。
英語を話すだけでも大変なのに、その上英文資料作成や、会議などではその読解もこなさなければならず、まったく大変どころか息つく暇もないほど、余裕などまったくない状態になりはしないだろうか。
特に書くことには時間もとられるだろうし、他の職務に差し障りは出てこないだろうか。
こういうふうに思うのも、私もかつてニューヨークのホテル勤務時代にこの「話す」「書く」「読む」のすべてが英語という環境で仕事をした経験したことがあるだけにその大変さがよくわかるのである。
もっとも私の場合は周りがすべてアメリカ人という職場環境であって、自ら望んでそこへ入っていった以上それは当然のことであったのである。
したがって今回のような日本の職場においての英語化ということとは意味あいに大きな違いがあったのだが。
でも考えてみれば長引く日本の不況の原因はあらゆる物の需要が国内では頭打ちを見せており、この先の日本経済を活性化させるためにはこれまで以上に活路を国外に向けざるを得ない状況にきているのである。
そのために避けて通れないのが語学の習得であり、それには国際的な公用語となっている英語習得が先決なのである。
つまり楽天でもユニクロでも今回の社内公用語英語化はあくまでそうしたビジネスのグローバル化を前提にしたものであり、なにもいたずらに社員に無理難題を強要しているのではないのだと思われる。
今後多くの会社が同じ道を歩むと予想され、この2社がそのさきがけになったに過ぎないのではなかろうか。
しかし貿易立国を標榜するわが国であるなら、もっと早くからこうした機運を盛り上げて、いわば英語など出来て当たり前と言うような風土であって欲しかった。
今後世の中のグローバル化の波は今よりもっと強く押寄せてくることは間違いない。
今からでも遅くない。これからのビジネスパースンはいち早く英語という語学の装備で身を固めなくてはならないのであるまいか。
ニューヨークで日常的に受けとっていた社内文書 |
スタットラーヒルトンの勤務シフト表 |
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