2011年5月15日日曜日

技術大国であるはずの日本・なぜ原発修復で外国の技術援助を受けるのか

フランスから「汚染水浄化装置」の提供を受けたのは?

東日本大地震に関連して最近よく報道されていることで、どうも腑に落ちないことがある。

それは福島原発の事故修復になぜ外国から多くの支援を受けなければならないかということである。

しかもそれは物的援助だけでなく人的技術援助にまで及んでいるのである。

最近のニュースによれば、フランスから「汚染水浄化装置」なるものが提供されたといい、その装置の映像が流されていた。

この装置は放射能で汚染された水を浄化するためのものである。

でも考えてみれば、世界第3位の原発大国である日本がこうした装置を自前で持たず、わざわざフランスから提供を受けなければならないということも不思議なことである。

なぜならば日本は世界に知れた技術大国であり、こうした装置などとっくに自前で装備しているの
が当然と考えられるからである。

国内に数十ケ所も原発を持つ日本としては万一の事故に対してこうした設備を備えておくことは客観的に見てもごく普通なことに思えるのだが。

原発を作った技術を持ってすれば今回の「汚染水浄化装置」の開発など容易なことではないのだろうか。

にもかかわらずなぜそれをフランスから提供されなければならなかったのだろうか。

ロボット大国日本がなぜアメリカから支援が必要なのか

また一方でアメリカからは放射性物質で汚染された原発構内の探査のために無線操縦ロボットの提供を受けている。

これなど先ほどの「汚染水浄化装置」以上に、日本が得意とする分野ではないのだろうか。

これについてはもうずいぶん前から、わが国が産業用ロボットでは世界有数の技術を誇っていることが喧伝されていたではないか。

それなのになぜアメリカから探査ロボットの提供を受ける必要があったのだろうか。

日本は産業用ロボットの分野において世界シェアの7割程度を占めており、国内のロボット産業の市場規模でも7000億円程度と言われているのにもかかわらずである。

それだけではない。

アメリカとフランス2国からは物的支援に加え、人的な技術支援も受けているのである。

今回のこうした例を目の当たりにして、はたして日本はほんとうに技術大国なのであろうかと疑問を持ちたくなるのは私だけであろうか。

聞くところのよると、かって世界の市場を席捲した家電の分野ではもうとっくにお隣韓国にその座を奪われ、高品質をうたっている日本製テレビなどはアメリカ市場では韓国のサムスンなどに大きく水を開けられているという。

また携帯電話しかりである。

この分野における日本の世界シェアはわずか数パーセントであり、40%を越えている韓国には比べると見る影もも無いのである。

今回の原発事故の事後処理に対する海外からの多くの技術支援、及び韓国に大きく遅れをとっている弱電や携帯電話分野などで、技術が弱体化している今の日本の現実をふまえ、もしこれからも日本が技術大国を標榜するのなら、ここで一度立ち止まって反省も含め、今後のあり方について真摯な態度で考え直す必要があるのではないだろうか。

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