2011年5月18日水曜日

書評「ギャンブラーの数学」ジョセフメイザー著・水谷 淳(訳) 日本評論社

知性派ギャンブラーのあなたが、運をうまく使いこなすには?

単なるギャンブルの勝ち方指南の本ではない。

幼少の頃からギャンブル好きの家族の中で育ち、その影響を強く受けた著者がギャンブルの「当りはずれのメカニズム」について渾身の力を込めてを書いている。

特筆すべきは単なるギャンブルの数学的理論だけではなく、歴史的背景、心理的背景にまで迫って、ギャンブルの勝ち負けの構造を徹底的に解明しようとしている。

そして大数の法則などの確率論に基づいた数学的理論を駆使して徹底的にその本質をも捉えようとしている。

ギャンブルで自分は運が良いと感じるのはなぜなのか?ポーカー・ルーレット他あらゆるギャンブルを、「運=ツキ」とともに、歴史的、数学的・心理的側面まで読み解く快心の意欲作。

[目次]

第1部 歴史(種、小石、骨;プロたち;コーヒーハウスからカジノへ;もう止められない;何兆ドルも賭ける);

第2部 数学(誰がロイヤルフラッシュを引いた?;コインの振る舞い;誰かが勝つはず;真に仰天の結果;腕と運のスペクトル);

第3部 心理(そのままにしておけ;やめ時を知る;数々の理論;ホットハンズ;運)

著者について
〈ジョセフ・メイザー〉1942年ニューヨーク・ブロンクス生まれ。マルボロ・カレッジ数学科教授。数学のみならず、その歴史や哲学についても講義している。著書に「ゼノンのパラドックス」「数学と論理をめぐる不思議な冒険」等。
訳者について
水谷 淳 (ミズタニ ジュン)
翻訳家。東京大学理学部卒業。同大学院修了。博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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