日本の地方の中でいまメディアに最もよく取り上げられているのが福島県である。
新聞でもテレビでもニュースの中にこの県の名前が登場しない日はない。
これまで顔も知らなかった県知事さえもその姿をよくテレビ画面で見る。
もっともこの方の場合は、その過激な発言が災いして、このところ幾分人気を下げているようではあるが。
そうしたことも含めて連日の多くの報道の中で、話題のトップはもちろん福島原発に関する事柄である。
おそらくこうした報道現象はこれからもしばらく続くに違いない。なぜならいずれをとっても、問題が簡単に解決するとは思えないからだ。
そうした一連のニュースの中で地震後に新たに発生してきた気になる問題がひとつある。
それはこの県の自殺者が地震後に急増してきたということである。
警察庁の発表では今年5月の全国の自殺者の数が3329人 (暫定値)で、昨年の2割増だという。
その中で福島県では、5月の自殺者が実に4割も増えている。
地震や津波、見えない放射能、風評被害。これらいくつもの困難が重なって、自殺者を増やしているのだという。
6月以降はやや落ちついて、昨年に比べて微増状態だが、 例年だと自殺は3月がピークで、8月までは減少傾向で推移する。
そして10月になると2度目のピークを迎える。例年のように推移するなら、これからできるだけ問題を解決していかないと、今年の10月は 大変なことになるかもしれない。
現在の対策としては全国から精神科医や心理療法士、精神医療に詳しい看護師たちが、うつ病や自殺を予防 しようと、心のケアチームをつくって避難所を巡回している。
地元の精神科のクリニックにも出向き、診療を手伝っているチームもいる。それでも自殺は増えているのだ。
このように、すでにある程度の施策は講じられているようだが、これ以上犠牲者を増やさないためには、国家規模でのさらなる大がかりな予防策の実施が急務であろう。
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