2011年10月1日土曜日

米国アラバマ州で史上最も厳しく、非情な移民法が発令


米国で史上もっとも非情な移民法

移民国家とも言えるアメリカで、今どうしてこれほどの厳しい移民法が施行されてしまったのだろうか。

いま、この問題は全世界に波紋を広げている。

9月1日、アラバマ州で全米で最も非情で最も厳しい移民法が施行された。

同法は、同州の教会指導者4人が廃止を求めて提訴したほど非人道的で冷酷な内容なのだ。

また不法滞在移民の生活をあらゆる面で恐怖に陥れると同時に、彼らと一緒に働いたり暮らしたり、彼らに親切にしたりする者は誰であれ犯罪者にする可能性があるほど、多方面への影響力が大きいものなのである。

では、この法律がどれほど厳しくて冷酷なものであるのか、その一例を見てみよう。

■刑事罰の対象

・アラバマ州に不法滞在している移民が働いたり家を賃借したりしたとき
・連邦登録法を順守していないとき

■契約事項の無効扱い

当事者の一方が不法滞在移民である場合は、いかなる契約も無効とする。

■企業に対する罰則

不法滞在移民をそうと知って雇う企業は、事業認可が取り消される。

■警察官の義務

警察に対しては、アラバマ州に不法に滞在していると警察が疑う人物の身分証を調べるように義務付ける。

■公立学校の義務

公立学校は、児童・生徒らの移民資格を調べ、州に報告するよう義務付けられる。

■不法滞在者への保護、援助の禁止

不法滞在移民であると知っていながら秘密にしたり、かくまったり、保護したりする者は誰であれ犯罪者として告発される恐れがある。アパートを賃貸したり、教会や医者に車で送ったりするのがその例だ。

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・この法律の施行により、民衆は

アラバマ州の人々にとって、9月から施行される予定の不法移民取締法はタイミング的に最悪だったかもしれない。

ホセ・ロメロさんは心配している。彼の小さな娘はアメリカのパスポートを持っているがが、彼自身と
妻はアメリカに不法滞在している。

ホセさんはアメリカで植木屋の仕事をしたり、ファーストフード店で働いたり、自動車の修理をしたりしてきた。

ホセさん:「私たちはアメリカに悪いことをしに来たわけではない。良いことをしに来たんだ。

私たちはアメリカ人がやらないような過酷な仕事をしている。ひどい暑さの中で膝までグリース(潤滑油)に浸かって働いたこともある。」

・この法律に対する反対運動

米自由人権協会(ACLU)と司法省は、同法が、移民法の作成と執行に当たる連邦政府の権限を侵害し憲法に違反するとして提訴している。

ACLUは、同法が、言論や自由移動の基本的権利を踏みにじり、子どもたちから学校で学ぶ機会を事実上奪い、人々を嫌がらせや人種による選別にさらすと警告している。

こうした主張は既に、アリゾナ、ユタ、インディアナ、ジョージア各州で成立した、より限定的な類似の法への異議として行われている。

アラバマ州で注目すべきは、同法がキリスト教徒の慈悲の行為を刑事罰の対象にするとして、4人の教会指導者による個別の提訴だ。4人は、彼らが力を貸す人々の移民資格を考慮せずに慈善活動を行う宗教的自由を、同法は侵害するとしている。

・アラバマ州知事はどう言っているか

アラバマ州知事ロバート・ベントリーは6月に新移民法に署名した。

知事:「これはアメリカで一番厳しい法律である。私たちは厳しい法律を求めていたのだ。」

しかし、その厳しさは犠牲を伴うものになるかもしれない。

4月のトルネードによってアラバマ州のタスカルーサ市が大きな打撃を受けた。少なくとも43人が亡くなり、7,000を越える住宅や建築物が被害を受けた。

つまり、アラバマ州には大規模な復興を必要としている地域があるのだ。

ベントリー知事は失業問題を解決する必要があると訴えるが、タスカルーサ市では多くの不法移民が復興作業に携わっており、彼らを追放すれば逆に人手が足りなくなると言う皮肉な結果になるかもしれまない。


    以上、ニューヨークタイムス(2011/8/29)参照
インターネット 「英語ニュース.COM」一部引用

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