(本の帯より)
書いた、闘った、恋した ──。
権威に媚びず、世に流されず、明治・大正・昭和の激動の時代を、熱く、ひたむきに、やさしく、おおらかに、誇り高く生き抜いた、日本近代文学史・思想史に名を刻む女性たちの〈本気〉の生きざまが鮮やかに甦る。
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感動の一冊である。
明治・大正期に生きた7人の女性文学者や思想家の生きざまを包み隠さず赤裸々に綴っている。
特に20代の若さでこの世を去った"伊藤野枝と金子みすヾ"の壮絶な死は読む人に大きな衝撃を与える。
伊藤野枝の憲兵隊による虐殺。金子みすヾの"遊郭で放蕩を重ねる夫"からうつされた「淋病」をはかなんでの自殺。どちらも現代では考えられない非業な死だ。
林芙美子、尾崎翠,与謝野晶子、平塚らいてう、野上八重子などにについても、これまであまり書かれていない知られざる一面が克明に綴られている。
著者の丹念な取材と優れた筆致が光る珠玉の一編である。
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目次
◎第1話 林芙美子 ── 7
気取らず飾らず
真っ向勝負、
信じる道を突き進む
◎第2話 尾崎翠 ── 31
孤独とつながり
つむぎだされた
新感覚の幻想世界
◎第3話 与謝野晶子 ── 49
恋、闘い、労働、子育て、
すべてを包み込む
母性の力
◎第4話 平塚らいてう ── 73
時代の波頭を舞台に、
太陽のごとく輝く
天性のヒロイン
◎第5話 伊藤野枝 ── 107
野性の勘、
炎の情熱、
カオスパワー全開の人生
◎第6話 野上弥生子 ── 135
沈着冷静、
ねばり強く拓いた
円熟の境地
◎第7話 金子みすゞ ── 169
見えないものを信じる力
心のうちに秘めた
一途な思い
年譜 ── 190
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●著者プロフィール
山下聖美(やました・きよみ)
文芸研究家。
1972年生まれ。日本女子大学文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究課博士後期課程修了。博士(芸術学)。現在、日本大学芸術学部文芸学科准教授。著書に『検証・宮沢賢治論』、『一〇〇年の坊っちゃん』(以上、D文学研究会)、『賢治文学「呪い」の構造』(三修社)、『新書で入門
宮沢賢治のちから』(新潮新書)などがある。
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