なんと70名余りに及ぶ中国人と韓国人の俳優が
最近読んだ本 「島国チャイニーズ」 野村進著 講談社 によると、キャッツなどのミュージカルでおなじみの劇団四季には韓国人や中国人などの外国人の俳優が多く、
その数は俳優総人数700名余の1割にも及ぶ70名にも達しているという。これは驚きではないか。
その内訳は中国人24名、韓国人42名、アメリカ人1名(2009年)である。
また「島国チャイニーズ」には四季の中国人俳優について、著者の野村進氏は次のように書いている。
「四季には現在、24名の中国人俳優が在籍している。彼らは舞台で流暢に日本語のセリフを話し、華麗に役を演じているので、日本人とまったく区別がつかない」
また自分の希望を次のように語っている。
「舞台裏での彼らの涙ぐましい努力を披露している。私はまだ四季の舞台を一度も見たことがないので、できるだけ早い機会に中国人の演技を観劇に行きたいと思った」
では、野村氏が指摘するように、なぜ四季にはこれほど多くの韓国人や中国人の俳優がいるのだろうか。
まずその第一の理由に挙げられるのは、四季には「韓国や中国にもミュージカルを広めたい」という将来的な戦略があり、、ライオンキングや美女と野獣、李香蘭など海外公演も行っている。
ライオンキングは韓国語で、美女と野獣は中国語で公演されていて、こうした事情が韓国人や中国人が増えてきた理由のひとつであろう。
こうした多くの中国、韓国の俳優たちだが、、風貌にしても日本人とほとんど変わらず、またその多くは日本名に改名しているので観客はなかなその数の多さに気づかないという。
それに彼らの演技力にしても、決して日本人俳優に劣ることはなく、言葉の面でも特にハンデぃキャップになっている様子もない。
そうした中で、中国人俳優について、20数名いるなかの「秋夢子」さんと「李涛」さんの2名にスポットをあて、四季に入団するまでの、紹介されている経歴、入団後舞台に立つまでの、エピソードなどを眺めてみよう。
その華麗ともいえる経歴は決して日本人俳優に引けをとらない立派なものである。
秋さんは、恵まれた環境の中で育ち、幼少時から歌やピアノなどの英才教育を受け、中国のテレビ・映画スターを輩出してきた中央戯劇学院でミュージカルを専攻していた。
そして、中国との文化交流に力を入れてきた浅利代表の目にとまり、2003年9月に来日したのだ。
『キャッツ』にキャスティング後、『アイーダ』の主役に大抜擢された時のエピソードについてだが、何と本番までのわずか2ヶ月で、日本語のセリフをたたきこまなければならなかったのである。
日本語学校に通ったこともない彼女にとって四季の稽古場が学校代わりになったという。
しかも、「母音法」でセリフを覚えなければならないのだ。
セリフだけでなく演技もしなくてはならない。そうしたすさまじいプレッシャーの中、初日に立てたのはほんと凄いことだ。
『キャッツ』のようなロングラン作品で同じ役を何百回も続けてきて、「やめたい」と思ったこともあるそうだが、今はそれを乗り越え、「毎日毎日、一回一回全部違うという感じがある」というコメントが印象的である。
「つらいけど、楽しい」という前向きの言葉。
身体能力に優れ、日本語も流暢な秋さんなので、これからも頑張って活躍してほしいものだ。
次に「李涛」さんである。
「ウィキッド」で、フィエロ役で見せているように、ルックスといい、流暢な日本語といい、歌もダンスもすべて素敵である。
セリフ回しや演技には彼の実直そうなところが滲み出ている。
彼は、四季のオーディションを受ける前、1997年に一度来日している。
日本の大手芸能プロの会長から、「あなたなら、アジアのスターになれるよ。」と声をかけられ、脇役だが何本かの映画やTVドラマに出演したという。
しかし、その芸能プロが海外部を廃止したため、3年半後には中国に戻らざるえなくなり、北京の劇団に入ったものの不完全燃焼気味だったとのことだ。
ところが、2001年9月に北京で四季のオーディションがあり、彼は難なく合格。
四季入団後は、ご存じのように『キャッツ』『ライオンキング』『ウィキッド』と大役をこなし、大活躍中の彼である。
『キャッツ』の歌詞すべてを、わずか2、3日で暗記してしまったというのは、"凄い"の一語に尽きる。
少年時代から北京の芸術学校で鍛えられたことが、大いに役立っているに違いない。
最近読んだ本 「島国チャイニーズ」 野村進著 講談社 によると、キャッツなどのミュージカルでおなじみの劇団四季には韓国人や中国人などの外国人の俳優が多く、
その数は俳優総人数700名余の1割にも及ぶ70名にも達しているという。これは驚きではないか。
その内訳は中国人24名、韓国人42名、アメリカ人1名(2009年)である。
また「島国チャイニーズ」には四季の中国人俳優について、著者の野村進氏は次のように書いている。
「四季には現在、24名の中国人俳優が在籍している。彼らは舞台で流暢に日本語のセリフを話し、華麗に役を演じているので、日本人とまったく区別がつかない」
また自分の希望を次のように語っている。
「舞台裏での彼らの涙ぐましい努力を披露している。私はまだ四季の舞台を一度も見たことがないので、できるだけ早い機会に中国人の演技を観劇に行きたいと思った」
では、野村氏が指摘するように、なぜ四季にはこれほど多くの韓国人や中国人の俳優がいるのだろうか。
まずその第一の理由に挙げられるのは、四季には「韓国や中国にもミュージカルを広めたい」という将来的な戦略があり、、ライオンキングや美女と野獣、李香蘭など海外公演も行っている。
ライオンキングは韓国語で、美女と野獣は中国語で公演されていて、こうした事情が韓国人や中国人が増えてきた理由のひとつであろう。
こうした多くの中国、韓国の俳優たちだが、、風貌にしても日本人とほとんど変わらず、またその多くは日本名に改名しているので観客はなかなその数の多さに気づかないという。
それに彼らの演技力にしても、決して日本人俳優に劣ることはなく、言葉の面でも特にハンデぃキャップになっている様子もない。
そうした中で、中国人俳優について、20数名いるなかの「秋夢子」さんと「李涛」さんの2名にスポットをあて、四季に入団するまでの、紹介されている経歴、入団後舞台に立つまでの、エピソードなどを眺めてみよう。
その華麗ともいえる経歴は決して日本人俳優に引けをとらない立派なものである。
秋さんは、恵まれた環境の中で育ち、幼少時から歌やピアノなどの英才教育を受け、中国のテレビ・映画スターを輩出してきた中央戯劇学院でミュージカルを専攻していた。
そして、中国との文化交流に力を入れてきた浅利代表の目にとまり、2003年9月に来日したのだ。
『キャッツ』にキャスティング後、『アイーダ』の主役に大抜擢された時のエピソードについてだが、何と本番までのわずか2ヶ月で、日本語のセリフをたたきこまなければならなかったのである。
日本語学校に通ったこともない彼女にとって四季の稽古場が学校代わりになったという。
しかも、「母音法」でセリフを覚えなければならないのだ。
セリフだけでなく演技もしなくてはならない。そうしたすさまじいプレッシャーの中、初日に立てたのはほんと凄いことだ。
『キャッツ』のようなロングラン作品で同じ役を何百回も続けてきて、「やめたい」と思ったこともあるそうだが、今はそれを乗り越え、「毎日毎日、一回一回全部違うという感じがある」というコメントが印象的である。
「つらいけど、楽しい」という前向きの言葉。
身体能力に優れ、日本語も流暢な秋さんなので、これからも頑張って活躍してほしいものだ。
次に「李涛」さんである。
「ウィキッド」で、フィエロ役で見せているように、ルックスといい、流暢な日本語といい、歌もダンスもすべて素敵である。
セリフ回しや演技には彼の実直そうなところが滲み出ている。
彼は、四季のオーディションを受ける前、1997年に一度来日している。
日本の大手芸能プロの会長から、「あなたなら、アジアのスターになれるよ。」と声をかけられ、脇役だが何本かの映画やTVドラマに出演したという。
しかし、その芸能プロが海外部を廃止したため、3年半後には中国に戻らざるえなくなり、北京の劇団に入ったものの不完全燃焼気味だったとのことだ。
ところが、2001年9月に北京で四季のオーディションがあり、彼は難なく合格。
四季入団後は、ご存じのように『キャッツ』『ライオンキング』『ウィキッド』と大役をこなし、大活躍中の彼である。
『キャッツ』の歌詞すべてを、わずか2、3日で暗記してしまったというのは、"凄い"の一語に尽きる。
少年時代から北京の芸術学校で鍛えられたことが、大いに役立っているに違いない。