NHKと民放、番組制作費の差について
何かで読んだのだが、それが何であったかは忘れたのだが、近頃民放テレビからすっかり時代劇が消えてしまったというようなことが書いてあった。
そう言われてみれば確かにそうだ。
時代劇ですぐ頭に浮かぶのはあの長寿番組「水戸黄門」だが、気がついてみると、それさえもうなくなっているではないか。
昨年12月19日に最終回特番が放送されたが、それを最後に視聴率低迷を理由に打ち切られてしまったのである。
なぜなのか。答えは簡単だ。年々コマーシャルが減って、経営の苦しくなっていく民放テレビだが、3・11の大震災がそれに拍車をかけ、
各社とも大きな収入減をきたしており、それを乗り切るためには番組の制作費を抑えるより他に道はないのだという。
でも景気低迷によるコマーシャル減はわかるが、それと時代劇がなくなったことと、どんな関係があるのだろうか。
それは最近の若者の極端な時代劇離れが大きなの原因で、一見人気が続いているように見えた水戸黄門も、その視聴者のほとんどが中年以上の高齢者で、商品購入意欲の乏しい人たちばかりで、言わばCM効果が少ない年齢層なのである。
CMの効果を挙げるには、なんと言っても若年層の視聴率を上げることが必要であるのだが、現状ではそれは望めないのである。
それがこの番組のスポンサーであるパナソニックが降りた理由なのである。
こうした複数の理由で,NHKを除く民放各社はドラマの中でも特に制作費と高い時代劇の製作を第一に削っているのである。
ではいったいテレビドラマの制作費はいったいどれぐらいかかるのであろうか。
例えば最近のNHK人気ドラマで見てみると、一話文の制作費は 「龍馬伝」6千万、「坂の上の雲」2億4千万で、これに対して民放ドラマは4〜5千万というふうになっている。
「竜馬伝」はとこかく、「坂の上の雲」の2億4千万というのはすごいではないか。
ざっと計算しても「竜馬伝」の4倍にもなる。やはり陸海の大掛かりな戦闘シーンに多額の費用がかかったためだろうか。
これに比べ民放のドラマは4000万〜5000万円で作っているようだから、パッと見た限りでは竜馬伝などとは大きな違いはないように見える。
だが違うのである。よく眺めてみると実態はまったく違うのである。
それは製作にかかるスタッフの人数の点でNHKと民放では大きな差があるからである。
NHKには現在約1万人(平成21年度、1万617人)の職員が存在する。
人が多いだけに、とにかく何でも"人海戦術"でやってしまうのである。
一般的に放送業界では撮影会社、照明会社、録音会社、美術会社など、少なくとも二十数社の人間が寄り集まってひとつの番組を作っている。。
ところがNHKには1万人の職員がいるので、撮影も証明も録音も美術も全部自前でできてしまうのだ。
人件費はNHKの給料があるので番組計上は限りなく0円になる。
カウントされるのは材料費だけなのである。
一軒家を普通に建てて6000万円かかるのと、材料費だけで6000万円では、家の出来上がりに歴然と差が出るのは当然である。
ということは民放テレビがNHK並みの時代劇を造ろうと思えば、当然今のドラマ制作費の倍以上かかることになるから、これはもう鼻から太刀打ちできないのである。
というわけで、残念ながら現在の不況下では、今後も民放テレビに質のよい時代劇ドラマを望むのは無理なようだ。
ブログ「Technodon's Tumblr」参照
何かで読んだのだが、それが何であったかは忘れたのだが、近頃民放テレビからすっかり時代劇が消えてしまったというようなことが書いてあった。
そう言われてみれば確かにそうだ。
時代劇ですぐ頭に浮かぶのはあの長寿番組「水戸黄門」だが、気がついてみると、それさえもうなくなっているではないか。
昨年12月19日に最終回特番が放送されたが、それを最後に視聴率低迷を理由に打ち切られてしまったのである。
なぜなのか。答えは簡単だ。年々コマーシャルが減って、経営の苦しくなっていく民放テレビだが、3・11の大震災がそれに拍車をかけ、
各社とも大きな収入減をきたしており、それを乗り切るためには番組の制作費を抑えるより他に道はないのだという。
でも景気低迷によるコマーシャル減はわかるが、それと時代劇がなくなったことと、どんな関係があるのだろうか。
それは最近の若者の極端な時代劇離れが大きなの原因で、一見人気が続いているように見えた水戸黄門も、その視聴者のほとんどが中年以上の高齢者で、商品購入意欲の乏しい人たちばかりで、言わばCM効果が少ない年齢層なのである。
CMの効果を挙げるには、なんと言っても若年層の視聴率を上げることが必要であるのだが、現状ではそれは望めないのである。
それがこの番組のスポンサーであるパナソニックが降りた理由なのである。
こうした複数の理由で,NHKを除く民放各社はドラマの中でも特に制作費と高い時代劇の製作を第一に削っているのである。
ではいったいテレビドラマの制作費はいったいどれぐらいかかるのであろうか。
例えば最近のNHK人気ドラマで見てみると、一話文の制作費は 「龍馬伝」6千万、「坂の上の雲」2億4千万で、これに対して民放ドラマは4〜5千万というふうになっている。
「竜馬伝」はとこかく、「坂の上の雲」の2億4千万というのはすごいではないか。
ざっと計算しても「竜馬伝」の4倍にもなる。やはり陸海の大掛かりな戦闘シーンに多額の費用がかかったためだろうか。
これに比べ民放のドラマは4000万〜5000万円で作っているようだから、パッと見た限りでは竜馬伝などとは大きな違いはないように見える。
だが違うのである。よく眺めてみると実態はまったく違うのである。
それは製作にかかるスタッフの人数の点でNHKと民放では大きな差があるからである。
NHKには現在約1万人(平成21年度、1万617人)の職員が存在する。
人が多いだけに、とにかく何でも"人海戦術"でやってしまうのである。
一般的に放送業界では撮影会社、照明会社、録音会社、美術会社など、少なくとも二十数社の人間が寄り集まってひとつの番組を作っている。。
ところがNHKには1万人の職員がいるので、撮影も証明も録音も美術も全部自前でできてしまうのだ。
人件費はNHKの給料があるので番組計上は限りなく0円になる。
カウントされるのは材料費だけなのである。
一軒家を普通に建てて6000万円かかるのと、材料費だけで6000万円では、家の出来上がりに歴然と差が出るのは当然である。
ということは民放テレビがNHK並みの時代劇を造ろうと思えば、当然今のドラマ制作費の倍以上かかることになるから、これはもう鼻から太刀打ちできないのである。
というわけで、残念ながら現在の不況下では、今後も民放テレビに質のよい時代劇ドラマを望むのは無理なようだ。
ブログ「Technodon's Tumblr」参照
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