沖縄をはじめ、いま日本の基地の町からの米国・軍用ヘリコプター「オスプレイ」配備に対する反対の声が次第に高まっている。
「オスプレイ」とは鷹の一種である猛禽類「ミサゴ」(写真右)の英語名である。
では、過去にはオバマ大統領も乗ったことのあるというこのヘリだが、連日報道されているように、それほど危険なのものなのであろうか。
アメリカとしたことがそれほど危険性のあるヘリを同盟国日本の基地へ配備しようとするであろうか。
それに沖縄が躍起になってこれに反対するのはなぜだろう。本当に事故が恐ろしいからだけのことであろうか。
日米安保条約下での今回のオスプレイ導入は日本防衛のための重要施策の一つであるに違いないのだが・・・。
以下は最近の「産経新聞」に載ったオスプレイの危険性の有無、その性能などをを書いた記事である。
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普天間配備、米オスプレイは危険か、平均より低い事故率
■操縦ミス、エンジン出火…独自調査が必要
オスプレイは事故が多発している印象が強い。だが実は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)に配備される海兵隊仕様のMV22は、海兵隊が所有するヘリを含む航空機の平均事故率より低い。
オスプレイは開発段階で4回の事故を起こしているが、
(1)整備ミス
(2)エンジン出火
(3)操縦ミス
(4)システム不具合
と原因は異なる。
うち平成12(2000)年に19人の死者を出した事故は、米軍の要員が初めて搭乗した「お披露目飛行」だっただけに衝撃が広がった。
普天間飛行場への配備通告目前にはモロッコと米フロリダ州でも事故を起こした。ただ、モロッコで墜落したのはMV22だが、フロリダ州の事故は空軍仕様のCV22。
両機の機体は9割方は同じだが、運用はMV22が人員・物資輸送、CV22は特殊作戦という大きな違いがある。
フロリダ州での事故後にまとめた10万飛行時間あたりの事故件数を示す「事故率」はCV22で13・47。
一方、MV22は1・93にとどまり、海兵隊所属のヘリを含む航空機の平均事故率2・45より低い。
陸上自衛隊の元ヘリパイロットで防大教授の山口昇氏は「事故率はバスタブ曲線を描く」と話す。
配備当初は事故が多発するが、その後低下し、老朽化して再び多発するU字となるというもの。
要するにMV22の事故率は今後低下する見通しだが、逆に普天間飛行場に配備中のCH46には老朽化による事故が多発しかねない危険もあるのだ。
米国防総省はモロッコとフロリダの事故で「機体の安全性に問題はない」と発表。モロッコのケースは追い風の影響を受けた際の操縦ミスとの見方も示した。
2件とも回転翼を前方に傾け、ヘリモードから固定翼モードへの変換時に起きており、オスプレイの特性を生かすための操縦で異常が発生した可能性が高い。
防衛省はフロリダの事故を独自に分析する調査チームを編成したが、山口氏は「米軍の調査結果をうのみにするのではなく、防衛省が責任を持って安全性を確認し、地元を説得するしかない」と話している。
【用語解説】MV22オスプレイ
米海兵隊が配備する新型兵員輸送機。主翼両端に、プロペラ部分の角度が変わる傾斜式回転翼(ティルトローター)がある。
米海兵隊は計360機を調達する計画で、今年3月時点でミラマー(カリフォルニア州)、ニューリバー(ノースカロライナ州)両基地に計134機を配備。普天間飛行場には24機を配備する。
名称は猛禽(もうきん)類の「ミサゴ(Osprey)」に由来する。
産経新聞
2012年07月01日08時02分
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