36万円分の書籍はこれくらい(当時の価格)
平凡社「世界大百科事典」
小学館「原色日本の美術」
筑摩書房「日本文学全集」
図書販売会社に務めていた頃、コープ(生協)の外商セールスで1日36万円売り上げて成績トップになった
本が売れない今の時代に「一人で1日に36万円もの書籍を売り上げた」と聞けば、まるで嘘のような話に思えます。でもこれは本当の話です。
今から40年ほど前の日本がいわゆるバブル時代前期に入った頃のことで、その頃破竹の勢いで業績(売上)を伸ばしていたある図書販売会社に勤務していたときのことです。
これはそこで毎年1回行われていた幹部社員販売コンテストに参加したときのお話です。
コンテストには地域営業所幹部 総勢21名が参加した
会社は学校や官庁などの職域を得意先とする図書販売会社でした。営業社員として入社したのですが優秀な営業成績を認めてくれたのか1年半後に営業所長に抜擢されました。
営業所は大阪環状線の野田駅近くにありました。
確か所長になって3か月ぐらいたった時だったと思います。
毎年1回夏の終わりごろ行われているという恒例の「幹部社員売り上げコンテスト」というのがあって、地域責任者の部長から私に参加要請の連絡が入りました。
参加するのは地区の営業所長及び営業主任で15営業所から総勢21名が参加すると聞きました。
コープ(生協)の得意先を担当者と同行販売
で、どこでどのように販売するかといえば、さすが幹部のコンテストだけあって、訪問先も優遇されており、大阪府下豊中市でコープ(生協)の担当者動向でその得意先がターゲットでした。
地域にもよりますがコープの得意先といえば、比較的上流家庭が多く経済的に余裕があるだけでなく、いわゆるインテリ層が少なくないため本好きな人が多いと見込まれ売り上げが期待できるのです。
とはいえ今回のコンテストは参加者する幹部社員の力だけでは成績は測れません。それ以上に大事なのが同行してくれるコープの担当者の力量が問題なのです。
つまりその担当者がいかに良い顧客(高額な書籍を購入してくれそうな)を抱えているかどうかに命運がかかっているのです。
ということは運に左右されることが大きいのです。
取扱商品がすべて全集なのが高額販売につながる
この書籍販売会社は「家庭の図書室づくり」というのをスローガンにしており、1冊単位の本を販売するのではなく、取扱商品はすべて百科事典、文学全集、美術全集などのいわゆる「全集もの」に限られていました。
それ故に金額も張り、低額でも1セット数万円以上で、百科事典など10万円を超える高価格のものも少なくありませんでした。
顧客として生活に(お金に)余裕があるコープの得意先などは格好のターゲットと考えられるのです。
レベルで言えば、デパート外商部の顧客より少し下ぐらいではないでしょうか。
とはいえ、同行する担当者によって成績は左右されることが予想できます。
つまり、上でも述べたように担当者がいかに良い顧客を抱えているか否かが大きな問題なのです。
同行のコープ担当者のおかげでコンテストでは見事トップに輝いた
いよいよコンテストの結果発表になりますが、運も幸いして、なんと私はトップの成績を納めることが出来たのです。
売上金額は総額36万円に達しており2位に10万円以上差をつけたダントツトップでした。
でも残念なことは、これは決して私一人の力によるものではなく同行してくれたコープ担当者のおかげなのです。
販売に訪れた先は3軒だけで、午前中訪問した二軒は主人が不在で奥さんだけで商談になりませんでした。でも午後おとずれた3軒目にとんだラッキーが飛び込んできたのです。
担当者から事前に教えてもらっていたのですが、その訪問先はご主人が医師で数か月前に引っ越してきたばかりの新築の分譲マンションでした。
前回注文取りで訪問した際、雑談中に奥さんが「リビングが殺風景なので何か飾るものが欲しい」と言っており、それ故に本を揃えようと思っているのかもしれない。と同行のコープ担当者から聞いていたのです。
その予想が見事当たり、なんと百科事典、美術全集、文学全集をまとめて購入してくれたのです。
総額36万2千円、スゴイではないですか。たった1軒でこれだけの売り上げが達成できたのです。
その結果、その幹部売上コンテストで見事トップの成績を勝ち得たのです。