2026年4月7日火曜日

30代のはじめ頃だったが、ある日、親しくもなかった旧知の女性が職場を訪ねて来たのは何故? (Part 1~2)の1


    GEMINI


とつぜん私の職場を訪ねてきた女性は、以前勤務先が同じだったAさんだった


これは30歳になって間もないころの話です。その頃の私は大阪福島区に新しくオープンしたホテルPに勤めていました。その前まで勤めていたRホテルから転属してきたのです。


ある日職場のフロントオフィスで裏作業を行っている時、表に立っていた同僚が、「オーさん来客ですよ、きれいな女性の方です」と突然告げに来ました。


「きれいな女性の来客っていったい誰だろう」とやや首をかしげながら、カウンターに出てみると、どこかで見たことのある女性がいくぶん遠慮がちな表情で立っていました。


「どこかで会ったことがあると思いましたが、果たして誰だったろう」と考えている間に相手が口を開きました。「Rホテルのお仕事で一緒だったAです」


R`ホテルはつい3ヶ月前まで在籍していた職場です


彼女にRホテルでご一緒だった、と指摘されて改めて気づいたのですが、それは私が3か月前まで在籍していた職場です。


そこでの最後の職場はフロントオフィスでしたが、その場所にこの女性はいなかったはずです。


「はてRホテルのどこで一緒だったのだろうか」と、少し時期を遡って考えてみたところ、やっと思いだしました。


「そうだフロントオフィスの前の客室係をしていた頃に知り合った同期入社のAさんではないだろうか」と。


7〜8年前のことで定かではなかったのですが、滅多にいないと思えるほどの、その美貌からして、彼女に違いないと思ったのです。


でもそうだとしても、彼女とは別に親しい間柄ではなく、出会ったとき挨拶を交わす程度で長く話したことなど一度もありませんでした。それゆえ名前以外はまったく知らないのです。



Aさんは職場で評判の美人だった


あえて知ってるといえば、彼女は同期入社20名ほどの女性の中で際立った美貌の持ち主であるということで、その印象が強烈だったゆえ7年過ぎたその時でも顔を覚えていたのです。


でもこちらが覚えていたとしても、彼女の方が自分のことを覚えていたのは不思議です。彼女にしてみれば私は単なる同期入社15名ほどの男性社員の一人にすぎなかったはずだからです。


どう考えてみても私という男性をいつまでも忘れ得ないほどの強いインパクトを与えたとは思えません。それ故にいくら考えても突然の訪問を受けたことが解せないのです。


とはいえ、彼女の突然の訪問に私は大いに驚いたものの別に不快ではありませんでした。


というのも彼女が評判の美人だったからに違いありません。たとえどんな形にせよ、美人の訪問を受けていやな気持になる男はいないと思います。


それに、同僚たちに「オーさんには、こんな美人の知り合いがいたのか」という羨望の気持ちを抱かせるのも小気味良いものです。


なにしろ、彼女は回りのすべての男性を虜にするほどの素敵な美人女性だったのですから。



彼女はなぜ親しくもなかった私をわざわざ訪ねてきたのだろう


それにしてもなぜ彼女は親しくもなかった私をわざわざ訪ねてきたのだろうか、という疑問はその後長い間消えませんでした。


繰り返しますが、彼女とは同期入社の関係で顔見知りだとは言うものの、出会ったときに挨拶を交わす程度で、親しく話したリ、行動を共にしたことは一度もないのです。


この程度の密度の薄い関係では、一般的に一方がわざわざ相手の職場を尋ねてくることなどないことだ、と思うからです。


とはいえ、かつて私は心の隅で、こんなにきれいな人を彼女にできたらどんなに幸せなことだろうと憧れたことはあります。


ひょっとしてそんな私の下心を彼女は見透かしていたのかもしれません。もしそうだとしたら、彼女の突然の訪問は分からなくもありません。


つまり、自分に憧れていた僕を甘く見て「この人だと聞いてくれるかもしれない」何か頼みごとを企てて、やって来たのかもしれないのです。



驚くべきかな、彼女の目的は保険の勧誘だったのだ


悲しむべきかな、私のそんな予想は的中しました。


さすがに遠慮がちな表情はしていたものの、彼女の口から出た用件は、なんと「生命保険に入っていただけませんか」というものでした。


訪ねてきて、最初に見た彼女は、最初に出会った頃の美貌は幾分失せていて、何か疲れていて寂しそうな雰囲気が漂っているのを感じました。


そんな様子から、ひょっとして彼女は何か頼み事をするためにやってきたのでは、と思っていたのですが、その予想が的中したのです。


驚くべきことに、彼女は保険の外交員になっていたのです。


その頃の私は保険の外交員のことを、いわゆる「おばちゃん」と呼ばれるような50歳を超えた、年配女性の仕事と思い込んでいました。


それ故に、まだ30歳にも手の届かない彼女のような若い彼女が、その職業に転身していたことに大きな驚きを感じたのです。



何故私は彼女の頼みを即決で承諾してしまったのか


最後に私の後悔話しを書くことにします。彼女が保険のセールスレディに転身していたことに大きな驚きを感じた私ですが、「生命保険に入ってください」という彼女のリクエストには、ほとんど抵抗することなく承諾してしまったのです。


でも、数日後には、これが大失敗であったことに気がつきました。


生命保険の契約は人生で数ある契約ごとの中でも決して小さなものではありません。それ故に頼まれたからとはいえ、簡単に決めていいものではありません。


ましてや私は既に妻帯者の身で、妻も子どももいたのです。生命保険は必要なものとはいえ、当然配偶者である妻に相談して決めるべきものです。


それを独断で、しかも特に親しくもなかった女性から頼まれたその日に即決で承諾し、契約を結んでしまったのです。


なんという軽はずみな行為でしょうか。


このことで妻との関係に少なからずヒビが入ったことは言うまでもなく、その後しばらくしてからの離婚の一因になったことは確かです。


(Part 2)につづく





2026年4月4日土曜日

なぜアメリカの心ある人々はトランプ大統領の支離滅裂な発言や行動を止められないのか




いま世界中の人々が心を痛めているのはイランVsアメリカ戦争に於いてトランプ大統領が日ごとに繰り広げる朝令暮改の支離滅裂とも思える言動ではないでしょうか。


これについて非常に不思議に思うのは、理性と正義を標榜するアメリカ全体の行動です。


一部で反トランプの動きはあるものの、国としてトランプを阻止する大きな動きが感じられないのです。


いったい正義の国アメリカはどこへ行こうとしているのでしょうか。


AI による概要


ドナルド・トランプ氏の「支離滅裂」とも評される発言や行動をアメリカが止められない(あるいは止めない)背景には、複合的な政治的・構造的要因が存在します。主に以下の点が挙げられます。

  • 強固な支持基盤と熱狂的な支持者
    トランプ氏の支持者は非常に強固で、彼が既存の政治エリートやメディアを攻撃する姿勢を「有言実行」と捉えています。論理的な整合性よりも、感情に訴える「強いリーダー」像を好むため、支離滅裂な発言であっても支持層にとっては「体制を破壊する頼もしさ」として映り、支持率に影響しにくい構造があります。

  • 共和党内の支配力と監視の欠如
    多くの共和党議員は、熱狂的なトランプ支持層からの反発を恐れ、彼の発言に公然と反対しにくい状況です。トランプ氏に異を唱えれば、党内選挙で落選させられる恐れがあるため、多くの議員は黙認するか、あるいは追従する道を選んでいます。

  • 「アメリカ第一主義」という独自の論理
    トランプ氏の政策や発言は、従来の外交・経済の常識とは異なりますが、彼自身は「アメリカ第一主義」という一貫した文脈の中で行動しています。国際的な協調よりも米国単独の利益を優先するため、周囲からは支離滅裂に見えても、彼と支持層の中では論理が通っていると解釈されています。

  • メディア戦略と「真実の相対化」
    トランプ氏は自身の意に沿わないメディアを「フェイクニュース」と呼び、SNSや集会を通じて直接支持者に語りかけます。これにより、既存メディアによる論理的批判が無効化され、何が真実かが支持者の中で相対化(混乱)されるため、支離滅裂な言動が正当化されやすい状況が生まれています。

  • メディアと市場の「トランプ慣れ」
    彼の過激な発言が繰り返されることで、市場やメディアも「またか」と受け流すようになり、発言による衝撃が長続きしなくなっています。結果として、問題発言があっても深刻な政治的責任を追及するまでのムードが醸成されにくくなっています。 

  • 要するに、トランプ氏の行動は、彼を支持する国民の感情、それを恐れる共和党の保身、そして独自の「アメリカ第一主義」の三つが組み合わさることで、既存の政治システムでは抑制できない状況になっていると言えます。


  • 【解説】 7年前、トランプ氏の発言は国連で笑われた 今年はみんな沈黙した

  • 2025/09/24 — 関連トピックス * ドナルド・トランプ * 国連 * 外交 * アメリカ * ウクライナ * ロシア * 欧州 * 政治

  • BBC

  • 「破壊」へ突き進むトランプ政権 「歴史の必然」なのか - 朝日新聞

  • 2025/03/25 — 「破壊」へ突き進むトランプ政権 「歴史の必然」なのか:朝日新聞 社会問題から身近な話題まで。 知りたい情報が手元に届く!

  • 朝日新聞

  • なぜトランプ氏はうそをつくのか 背景に魔力の衰え? NYTコラム - 朝日新聞

  • 2024/10/26 — NYTコラム

  • 朝日新聞




2026年4月2日木曜日

T.Ohhira エンタメワールド〈5〉下津さんの失敗・ナイトボーイの愉楽②(10)

   

                 

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          10


「なあ浜田、おまえ最近ガールフレンドができたらしいな」


 その夜、道夫とともに朝四時までのナイトワークの当番だった下津が、仕事が一段落ついた三時を少しまわったころ、道夫をロビーのソファーに誘い、勢いよくドサッと座ったあとで唐突に聞いた。


 「僕にガールフレンド、なんですかそれ? そんなこといったい誰が言ったんですか。いませんよそんなもの」 


それにしても、下津さんなぜ知っているのだろう?


 道夫は脳裏にチラッと章子の清楚な姿を描きながら、横目で下津の表情をうかがってから、しらばっくれて答えた。


 「誰に聞いたって、そりゃいろいろだよ。七階のメイドのキャプテン、なんていったかなあ。そうそう中村さん。俺は彼女から聞いたんだよ。他にフロント係の西山さんも言ってたよ。お前と七階のメイドの池上という女が御堂筋を仲よく歩いているのを見たって」


 中村さんといえば、章子さんに手紙を渡した日、彼女を呼んでくれた人、御堂筋といえば、二人がコマ劇場を出たあと、喫茶店に向かう途中で歩いた道。


うーん、下津さんの言うこと信憑性があるなあ。そう思って何か言い返さないと考えたが、しばらくは言葉に詰まって黙っていた。


 「オッ、今度は黙ってるな、さては本当のことなんだ」 下津は例のニタッとした表情を浮かべながら、自慢げに言った。


 「うーん、確かに池上さんとは二~三度一緒しましたよ。でもガールフレンドといえるかどうか」 


と応えたものの、二人にも証言されたんじゃ仕方ないかと思って、横に座った下津の顔は見ずに正面を向いたままぼそっと言った。


 でも御堂筋で見たという西山さんはさておき、メイドのキャプテンの中村さんは何故だろう。


彼女にはあの朝、仕事上のことと偽って章子さんの所在をたずねただけなのに、ひょっとして章子さん、彼女に僕とのことを言ったのだろうか。


 そんな疑問を抱いて考えているとき、となりの下津がすぐまた口を開いた。


 「それでお前、あの娘とはもうやったの?」


 「や、やったですって、何ですかそれいったい?」


 下津のその大胆極まりない質問は、道夫をこの上なく驚かせ、かろうじてそう答えたとき、声はずいぶん上ずっており、おまけにドモってしまっていた。


 何たる事を聞くんだ。この下津さんは、彼女とはまだキスもしてないすごく清い交際だというのに、それにあの清楚な章子さんを知っていながら、「もうやったのか?」などという下品なことをいうとは、この人の神経はいったいどうなっているんだろう。


 そう思いながらも下津の次のセリフを待っていた。


 「あのなあ浜田、女とつき合うには手順とやり方というのがあるんだ。最初は一緒にお茶飲んで、次は映画にでも行き、それから夜の公園へでも行ってキスをして、その次がホテルへ行ってやることをやる。これが普通のコースだよ。


一週間に二度会うとして、半月以内、週に一度しか会えないにしても一ヶ月以内だ。お前もう一ヶ月以上なんだろう」


 「一ヶ月以上なんだろう」と言った下津の言葉に道夫は再びドキッとさせられ、今度は何か自分のやり方がまずいんじゃないかと、不安な気持ちになってきた。


 「ええ、一ヶ月以上たちますけど、でも下津さん、それは下津さんだけのやり方で、何もそれが正しいこととも限らないでしょう」


 不安な気持ちを出さないように、無理にゆったりと装って言葉を返した。


 「ばかだなあ浜田。正しい正しくない、そんな問題じゃないんだ。そんなこと言ってたらお前、女に逃げられてしまうよ。女もそれを望んでいるんだよ。


ましてやあんなかわいい娘、狙っている奴も多いはずだし、もたもたしていると手の速い誰かにさっと持っていかれるよ」


ずいぶんと自信ありげな下津のそのセリフに道夫の中の不安な気持ちはますます増幅していき、何かじっと座っていられないようなせかされた気分になってきていた。


 「でも下津さん、ホテルに誘うって、女の人そんなに簡単についてきますかねえ」


 「そりゃあ簡単にはついてこないよ。いい女ほど。だけどそこが男の腕と頭を使うところじゃないか。思い切り考えて、そのためのステージと雰囲気をつくり、粋な殺し文句を二つ三つ用意するんだよ。


そうじゃなくて、なんの努力もせず、いつまでたっても茶のみ友達のままでウジウジしているのなんて最低だぜ浜田。男と女はそんなんじゃ駄目なんだよ」


「下津の言葉は次第に説得力を帯びてきて、もうすぐ早寝の当番が起きてくる四時近くになるというのに、道夫は眠たさも忘れてすこぶる熱心に耳を傾けていた。


つづく


次回 3月9日(木)