2025年12月4日木曜日

T.Ohhira エンタメワールド〈5〉直線コースは長かった(7)

 

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           7

払い戻し窓口に並んでいるとき、配当金を知らせるアナウンスがあった。


「連勝複式、一と三の組、六百二十円」オッ、また上がっている。六百二十円もついたのか。ええっとそれだと、ろくさんが十八で、にさんが六で、合計一万八千六百円か。それから三千円を引くと一万五千六百円だな。やった!最初からこんなに儲かった。  


久夫は頭の中でそんな計算をしながら、ウキウキした気分で払い戻しの順番を待っていた。


配当金を手にして、次のレースまでまだ二十分ある、と時間を確認すると、馬券売り場の並びの隅にあるスタンド喫茶へ行きコーヒーを頼んだ。

 次が第四レースだし、この調子だと元手の五万円が倍になるのは時間の問題だな。 

そんな都合のいいことを考えながら、熱いコーヒーをすすっていた。


第四レースの前、オッズの掲示板のところには少しだけしかとどまらなかった。第三レースの前にすでに予想は立てていて、このレースは本命に中穴馬券を絡ませた三点買いだと決めていたのだ。ただ、その三点にどれだけ賭けるかはまだ決めてなかった。


 前のレースで勝ったことだし、よし今度は倍の六千円を賭けてみよう。本命の〈5―6〉に三千円、残った三千円を〈6―8〉と〈1―8〉に千五百円づつ。よし、これでいこう。久夫がそう結論を出して発売窓口に並ぼうとした時だった。


「やあ久しぶり。どうしてたの、元気だった?」


雑踏の中からふいにそんな声が聞こえてきた。自分に向けたものではないだろう。そう思ったものの、いちおう声の方をふり向いてみた。カーキ色のジャケットに白いズボンをはいた大柄な男が二メートルほど先に立っていた。


満面の笑みをたたえていて、もうこれ以上にこやかな表情はできないと思えるほどのこぼれるような笑顔を向けて男は立っている。


「あのう、僕でしょうか?」久夫は左右を見わたした後、男にそうたずねた。その人にさっぱり見覚えがなかったからだ。


「そうですよ。あなたですよ。本当に久しぶりですねえ。三年ぶりくらいじゃないですか。お元気そうで。その後どうだったんですか?」

男は少しも笑顔をくずさずそう言った。


久夫はそのこぼれんばかりの笑顔と懐かしそうな声にすっかりひきこまれながら考えていた。


三年ぶり、はて誰だったろう?この街で会った人ではない。ということは以前いた大阪か?仕事での取引先の人だろうか。それとも学生時代の友達か。いやそんなはずはない。相手は大分年上だ。ああ思い出せない。うーん、いったい誰だったろう? 


次のレースの馬券を買わなければいけないこともあってか、久夫の頭は少し混乱してきた。


「あのう、失礼ですが、どちらでお会いしたんでしょうか?」久夫がそうたずね終わるか終わらないうちに、男がまた口を開いた。


「ところでさっきのレース取りましたか?」


「ええ、まあ」質問をはぐらかされてか、久夫はポカンとした表情で答えた。


「そうですか。それはよかったですねえ。実は僕もなんですよ。見てくださいこれ」男はそう言って、右手をジャケットの内ポケットに突っ込むと、すごく厚い札束をつかんで久夫の目の前に突き出した。それを見て久夫は「えっ」と声を上げて後ろへ少しのけぞった。


目の前に出された札束の厚さに驚いたからだ。百万円、いやもっとある。

「すごいですねえ!」いっしゅん相手が誰だったか考えるのを忘れたかのように、つぶやくように言った。


「ねえ、これから第四レース買うんでしょう。なに買うんですか?」男は間髪をいれずに聞いた。「これなんですけど」男のその声につられて、久夫は予想紙に赤鉛筆で書いた三点の数字を見せながら答えた。


「ああこれね。いい線いってるけど、これでは駄目。ここだけの話なんだけど、本命になっているこの五枠の馬、練習中に足を打撲したらしいんですよ。一時は出走取り消しも考えたそうだし、だから、五枠はまず無理。買うなら三番人気の〈1―8〉と、もう一点、休養あけのサツキヒーローを絡ませた〈7―8〉、これですよ、これ。


ねえ、ところで今いくらお金もっていますか?」男は屈託なく少しも悪びれた様子のない口調でたずねた。

「六万円ほどですけど」久夫は反射的につい正直に答えてしまった。


「そう、六万円ね。じゃあそれ出して、僕が一緒に買ってきて上げますよ」男のその言葉に、久夫はなんの抵抗もなく、ズボンのポケットに手を突っ込み、二つ折りの札束をつかむと、それから千円札だけ抜いて差し出した。


後で考えると、その時はまるで催眠術にでもかけられたかのように、抵抗力というものが少しも働いていなかったのだ。


「じゃあちょっとここで待っててくださいね」久夫からお金を受け取った男は三列ほど離れた窓口へ行き、間もなく馬券を握って戻ってきた。


「はいこれ六万円分。あと五分もすれば、少なく見積もっても五〜六十万にはなりますよ。じゃあ僕はこれで、向こうに人を待たせているものですから」男は馬券を渡した後、そう言うとピョコンと頭を下げて立ち去った。


つづく


次回12月11日(木)


2025年12月1日月曜日

AIエッセイシリーズ(3) 信号待ちで見たダンプの運転手は若い美人の女性だった(by GEMINI)

🚦 信号待ちで見たダンプの運転手は若い美人の女性だった


ある日の昼下がり、私は打ち合わせに向かうため、都心の幹線道路を運転していた。少し焦りを感じながらアクセルを踏んでいると、前方の信号が鮮やかなに変わった。急ブレーキを踏み、ふうと息をついて車を停止線に滑り込ませる。

隣の車線には、巨大なダンプカーが停止した。車高が高く、黒いタイヤは私の車のボンネットよりも分厚い。土木工事現場から出てきたのだろう、荷台にはベージュ色の土が山盛りになっており、車体全体に薄く埃が被っている。いかにも「働く車」といった風情で、そのゴツゴツとした存在感は周囲の乗用車を圧倒していた。

私はぼんやりとダンプカーを見上げていた。てっきり、日焼けした大柄な男性が運転席にいるのだろうと想像していた。あの巨大な車体を操るには、それ相応の経験と力強さが必要だと、勝手に思い込んでいたのだ。

しかし、ふと運転席に目を向けたとき、私の想像は心地よく裏切られた。

分厚いハンドルを握り、肘を窓枠にかけているのは、若い女性だったのだ。

しかも、その女性は驚くほど美人だった。長い黒髪を一つにまとめ、白い作業服の襟元から覗く首筋はしなやかだ。化粧は薄いが、整った目鼻立ちと、凛とした表情は、まるで都会のオフィスで見かけるキャリアウーマンのようだ。いや、それよりも、太陽の下で働く健やかさ、つまり一種の生命力のようなものが加わり、より魅力的に映った。

彼女は、こちらの視線に気づいたのか、一瞬だけ私の方を見た。その瞳は澄んでいて、私に向けられたわけではないが、プロの運転手としての静かな自信のようなものが宿っているように感じられた。

私たちの車の窓は、彼女の腰の高さにも満たない。その高みにある運転席から、彼女はまるで城の主のように、見下ろす形で信号機を見つめていた。その手つき、視線、佇まい、すべてに、私が抱いていた「ダンプの運転手」という職業に対する偏見が、ガラガラと音を立てて崩れていくのを感じた。

ダンプカーの運転は、決して楽な仕事ではないだろう。重い荷物を運び、狭い工事現場や、混雑した公道を慎重に走行する。技術はもちろん、体力も精神力も必要とされる、過酷な労働だ。しかし、彼女はその巨大な鉄の塊を、ごく自然に、まるで自分の手足のように操っている。その姿は、性別や年齢に関係なく、自分の仕事に誇りを持っている人間の美しさそのものだった。

数秒後、信号がに変わる。

彼女は、慣れた手つきでギアを入れ、ゆっくりとアクセルを踏み込んだ。ダンプカーは重々しいエンジン音を響かせながら、滑らかに発進していく。私の車の前を横切り、力強く、しかし優雅に、都市の風景の中へ消えていった。私は、しばらくその後ろ姿を見送っていた。

今回の偶然の目撃は、私に大切なことを教えてくれたように思う。人は、特定の職業や役割に対して、無意識のうちにステレオタイプなイメージを抱きがちだ。しかし、真のプロフェッショナルとは、性別も、外見も、年齢も関係なく、ただひたすらに与えられた仕事を全うする姿勢の中に宿るのだ。

あの若くて美しいダンプの運転手は、私の心の中に、働くことの自由さ格好良さを象徴する、鮮烈なイメージとして残った。私もまた、自分の職場で、誰かの偏見を心地よく裏切るような、そんなプロでありたいと、強く思った。


2025年11月29日土曜日

高齢者の皆さん「若いもんには負けない」と言わないほうがいいですよ ・再掲載シリーズ( No.17)

 



初出:2020年5月14日木曜日

更新:2025年11月29日



高齢者とは65歳以上をいうのですが、60代の人だとまだ自分を高齢者とは認めたくなく


間違っても「老人」とは呼ばれたくない、と思っている人は少なくないでしょう。


60代に限りません。70代だってそう思う人はいるに違いありません。


なにしろ日本の65歳以上の層は3千万人もいるのですから、そう思う人の数が多くても不思議ではないのです。


そうした人たちが時として口にするのが「まだまだ若いもんにはまけない」という言いぐさです。


おそらく若者と張り合いたいというより、年寄り扱いされたら、いろいろな面でで不利を招く、という不安心理がこう言わすのでしょう。


ではこれを聞いた「若いもん」はどのように反応するのでしょうか。



「年寄りの冷や水」と言われないためにも


高齢者が発する「若いもんに負けない」を耳にした若いもんが返す言葉が何かというと、その一つに「年寄の冷水(ひやみず)」があります。


年寄りの冷や水はいろはカルタの句としても使われているよく聞く言葉です。


でも聴いたときはたいていは深く考えずにやり過ごしてしまい意味を考えたりしません。一体どういったことを意味する言葉なのでしょうか。


年寄りの冷や水とは年寄と思しき人が無理して危険であったり、無茶と思える行動(無謀な行動)をとること、をいいます。


この言葉の由来は、年寄りが冷水(冷たい水)を浴びたりすると、風邪を引いたりして、ろくなことはない、という戒めです。


つまり年寄りが体に良くないことをすることに対する皮肉を込めた警告や忠告の言葉なのであり、暗に「年寄りらしくしなさい」と言っているのです。


他人から言われるだけではありません。老人自身が行き過ぎたことを認めて、「こんなことに首を突っ込むとは、まるで年寄りの冷や水そのものだね」と自虐的に発することもあります。



「年寄りの冷や水」は概して良くない結果を招く


年寄りの冷や水はらしくない行為のことを言うのではないでしょうか。


何事もらしくないことをしたら結果は良いものにはならないのが世の常です。


老人が年寄りの冷や水で「若いもんに負けない」とでしゃばっていると、多くの場合、周りから煙たがられたり、疎んじられたりして、嫌がらせを受けたり、遠ざけられてしまうことになりかねません。


要は老人が強がりを言っても良い結果は招かないのです。



「年寄りは年寄りらしく」は嫌いだが


「年寄りの冷や水」以外にも高齢者に対する忠告の言葉があります。その一つは「年寄は年寄りらしく」というものです。


上で書いた「らしくない」の反対です。でもこれには素直に頷けない老人は少なくないはずです。


なにしろ「いつまでも若さを保とう」というスローガンのもとに、これまで若さのためにあれこれ努力してきたのです。


なのにいきなり「年寄りは年寄らしく」とはあんまりではないですか。そう思う気持は良くわかります。


当然のこと心がけとして「若々しくありたい」という気持ちを持つことは良いことです。でも、「まだまだ若いもんには負けない」というふうに、全面に出すと嫌がられるのです。


「若いもんに負けない」という気持ちは良いことなのですが、あくまで内に秘めておくことが大切なのではないでしょうか。



人生100年時代、高齢者の線引に一考を要すのでは


「年寄りの冷や水」とか「年寄は年寄らしく」などの高齢者に対する忠告の言葉を聴きたくない人が多いのは、高齢者の対象になる人口が3千万人もいるからです。


しかもこの数は年とともに増えているのです。それもそうでしょう、今は人生100年時代とも言われるようになっているのです。


だとすると、65歳からの残り人生はは35年もあるのです。つまり人生100年のうち35%が残っているのです。


これほど長い残り人生がある人達をひとまとめに高齢者とすることは失礼かも知れません。


どうでしょうか、現在の65歳以上を改め70歳以上を高齢者とし、70~80歳をジュニア高齢者、80歳以上をシニア高齢者という呼称にする案は?


2025年11月27日木曜日

T.Ohhira エンタメワールド〈4〉直線コースは長かった(6)

 

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   6

涼子さんが行先を運転手に告げて、しばらくしてその地域に着いて、一軒目は電光パネルに〈満員〉の文字が映し出されていた。


そこを通過してさらに二百メートルほど行くと、今度は〈空室〉の看板があり、車はスッとガレージの中へ吸い込まれていった。


さっき彼女が運転手に行先を告げるのを聞いてから、久夫はその大胆さにすっかり驚いていた。男の自分だってああストレートには言えないだろう。何気なくその近くの地名を言うのが精一杯で、そこからは歩いていけばいいなどと思うに違いない。


だと言うのに涼子さんときたら、タクシーに乗るなり、何のためらいもなしに、さっと言ってしまったではないか。

「まっすぐ行って、橋を渡って左に曲がったところのホテル街」と。


中へ入ってからも涼子さんはずっと大胆だった。部屋へ着くや否や、奥のほうにある半透明のガラス張りのバスルームを見て「わあ、きれいなお風呂、早く入りたいわ。ねえすぐ入ってもいいでしょう」と、はしゃぐようにい言い、久夫がまだ何も答えていないのに、隅のほうへ行くとコートを脱ぎ、もうセーターに手をかけていた。


それでもさすがに少し恥ずかしそうな声で「ねえ横向いてて」とだけ言いながら、その後すぐ、勢いよくバスルームへ飛び込んで行った。


そうした彼女の天真爛漫さにすっかり感心しながら、久夫はドサッとソファーに腰をおろすとタバコに火をつけた。それを一息大きくすって、天井を見上げてふうっと煙を吐き出しながら思った。


 どうやら今夜は彼女のペースになりそうだ。


          ★  ★  ★  


あれからもう三ヶ月もたつ。涼子さん、その後元気だろうか。


あの夜、深夜三時ごろアパートへ送ってから、その後何度か彼女の店へ行きたいとは思ったのだが、でもその時はいつも懐具合がよくなくて、あれから今日まで一度も会っていない。


でも今夜はまた会えるのだ。ポケットの五万円を倍にして。


通路から広い観覧席の中央辺りまでやってきて、久夫がそんな気楽なことを考えて胸を弾ませているとき、また場内アナウンスが流れてきた。


「ただ今より第三レースの発売を開始します」

それがさも合図であったかのように、久夫は下腹にぐっと力を入れると「よし、いよいよこれからだ」とつぶやいて、勇んだ足取りでオッズの大型掲示板の方へと歩いていった。


日曜日で、これ以上は望めないと思えるほどの、最高の日和のわりには、人ごみはそれ程でもなかった。どうしてだろう?地方競馬はいま落ち目なのだろうか。それとも爽やかな五月晴れの今日のこと、みな家族連れでどこか郊外の行楽地へでも出向いたのだろうか?


意外と閑散とした場内を見渡しながら、久夫はそんなことも考えながら予想紙を握り締めて歩いていった。それでもオッズ掲示板の前までくると、さすがに人の数は多く、みな真剣な表情をして、掲示板と予想紙を交互に眺めていた。


第三レースの締め切り時間まで後十五分もあるせいか、みんなまだゆったりと構えていて、馬券売り場の方へ行く人は少ないようだ。久夫もそんな人の波の中へ入り、掲示板に目をやって、さあ何を買おうかと赤鉛筆を片手に真新しい予想紙をゆっくりと広げた。


五分くらい掲示板とにらめっこしたあと、結局このレースは〈1―3〉の一点張りでいくことにした。今日は穴狙いはやめてかたくいこうと、来る途中で決めていたこともあったが予想紙六つのうち、一紙を除くあのと五紙がこの〈1―3〉二重丸をつけていて、これを外す手はないと思ったからだ。また掲示板に目をやると、大本命にもかかわらず、この〈1―3〉の連勝複式馬券には五.四倍ものオッズが出ているではないか。


 よしこれだ。これに決めた。この馬券に千円券三枚、かりにオッズが下がって五百円ついたとしても配当は合計一万五千円になる。元手を引いても一万二千円の儲けだ。さいさきいいぞ。


久夫はまるでその馬券が的中したかのような気持ちになって、そう決めると少し歩いて馬券発売窓口の前の行列に加わった。


久夫が並んだ窓口には先客が五〜六人しかおらず、順番はすぐにきた。手に握り締めた三千円を窓口の小さな穴に入れ、〈1―3〉三千円と気合を込めて言い、渡されたつるつるとした馬券を手にして、ゆっくりと観覧席の方へ進んでいった。コンクリートの階段を十段ほど上がり、中段の席に腰かけて時計を見た。発走まであと四分ある。さっきは人が少ないと思ったが、いつの間にか観客は増えていて、あたりを見渡しても、もうそれほど空席は見当たらなかった。


 競馬場はやはり人の数が多いほうがいい、活気があって。閑散とした競馬場など侘しくていけない。そう思いながら、さて次のレースはと、また予想紙とにらめっこを始めた。


第三レースはやはり本命がきた。ゴール直前で、するどく差し込んできた八枠の馬にあわや三枠の本命馬が抜かれるかと思ったが、かろうじて首差で逃げ切った。「1―3や、1―3や」周りのあちこちで人々が叫んでいた。


「やった!予想どおり。一万四千円の儲けか。さいさきいいぞ」

さっき掲示板を離れる前に見た五.七倍というオッズを思い出しながら、久夫はそうつぶやくと、顔をほころばせながら席を立った。


つづく


次回12月4日(木)


2025年11月24日月曜日

Webライター原稿料入金票のリアル 年金生活Webライターの告白 シリーズ(1~4)の(4)



ネットで稼ぐのは楽でない(2)

シリーズ(その4)


Webライター 

 在宅ワークだが誰にでもできる仕事ではない


インターネットの普及で自宅にいながら仕事ができるいわゆる在宅ワークが盛んになりました。もちろんネットの普及前にも在宅ワークはありましたが、その多くは内職と呼ばれるもので、家でできて楽なのはいいとしても、賃金が極端に低いため、あまり普及しませんでした。


それに代わって出てきたのがパソコンやスマホによるインターネットを使った在宅ワークです。これがコロナ禍の影響で一気に広まってきたのです。


パソコンやスマホがあれば手軽にできるということもあって人気を呼び、一時は「猫も杓子も」という状態でまたたく間に人々の間に広まったのです。


こうした風潮もあってか、在宅ワークの一つであるWebライターの募集広告には随分気楽で無責任なものも含まれていました。なんとキャッチコピーが「誰でも簡単にできるできる」となっているのです。


無責任な募集広告がネット記事の粗製乱造を生んだ


この結果生まれたのが一時社会問題にもなったなって騒がれたDeNAによる低品質リライト記事の氾濫でした。なおこれについてはシリーズ3に詳しい記事を載せています。


ここではっきり言っておきます。Webライターは決して誰でも簡単にできる仕事ではありません。感嘆できるという勘違いが、上で書いたように大きな社会問題にもなったDeNAによる粗製乱造の記事の氾濫を生んだのです。



SEOを知らなければお金になる良い記事は書けないし長続きもしない


Webライターは記事を書けばいいというものではありません。日記を書くのと違って人に読んでもらわないと何にもならないからです。


そのためには読者の役に立つとともに、興味を引くものでなければなりません。つまり読者に「役に立った」「おもしろかった」と思わせるのです。それでこそWebライターとしての役目が果たせるのです。


読者に役立ち、面白いと思ってもらう記事を書くために必要なのがSEOです。Webライターは常にSEOを意識して執筆に当たらないと読者に喜ばれる記事を書くことはできません。


Webライターを目指す人は、まずSEO技術の習得から始めなければなりません。



(表12)



日付

会社名(相手先)

金額

累計

備考


2016/06/01

〇〇〇〇

3,525

1,546,663

energy

2016/07/01

〇〇〇〇

60,780

1,607,443

"

2016/08/01

〇〇〇〇

45,429

1,652,872



この表の発注者のことはよく覚えています。報酬が1文字1.2円と比較的よかったこともありますが、理由はそれだけではありません。いろいろとWebライティングの知識を教わったからです。


教わったと言っても直接「ああしなさい」「こうしなさい」というのではなく、記事を納品した後でダメ出しがよくあったのです。つまり納品したものをすんなり受け付けてくれずに、あれこれ注文が付くことが多かったのです。


でも注文が付いたのは決して苦情めいたものではなく、記事をよりよくするためのもので、書き直しや訂正のプロセスで当方に非常に勉強になったのです。


エネルギーという当方に専門知識が乏しい分野だけに、修正過程でいろいろな知識が付き、それが有難かったのです。


先方の書き直し指示に素直に従ったことに好感を持ってくれたのか、次々と記事を発注してくれ、当方の乏しい財政に大いに貢献してくれ、今でも感謝の気持ちが残っています。


(表13)


日付

会社名(相手先)

金額

累計

備考


2016/09/01

〇〇〇〇

52,703

1,705,575

energy

2016/10/03

〇〇〇〇

57,732

1,763,307


2016/11/01

〇〇〇〇

26,993

1,790,300


2018/12/14

〇〇〇〇

7,025

1,797,325



上と同じ会社からの発注分です。1回の金額も比較的高く

当時もっとも安定した発注先でした。

 

(表14)


日付

会社名(相手先)

金額

累計

備考


2019/05/16

〇〇〇〇

2,400

1,800,925

強壮剤

2019/05/23

〇〇〇〇

6,600

1,807,525


2019/06/10

〇〇〇〇

6,000

1,813,525




強壮剤というそれまでやったことのないテーマでした。この発注者とはどこよりも頻繁にチャットワークで直接打ち合わせを行ったことを覚えています。ユニークなテーマの割には1文字0.6円と報酬が低かったのですが、未経験の分野であり文句は言えません。



この頃の全体入金明細表


このシリーズも今回の(その4)で終了ですが、最後に、ここまでこま切れで出してきた入金明細表体の載せておこうと思います。



入金表原簿(相手先会社名消去)

原稿料入金明細

日付

会社名(相手先)

金額

累計

備考

2012/09/14

●●●●●

6,300

6,300

振り込み催促

2012/10/11

●●●●●

6,030

12,330


2002/10/15

●●●●●

3,900

16,230

〇〇経由

2012/10/18

●●●●●

4,000

20,230


2012/10/19

●●●●●

900

21,130

@250(500字)

2012/10/22

●●●●●

1,200

22,330


2012/11/07

●●●●●

11,400

33,730


2012/11/09

●●●●●

3,840

37,570

納品エクセル

2012/11/21

●●●●●

11,400

48,970


2012/12/10

●●●●●

7,840

56,810


2013/01/09

●●●●●

15,840

72,650


2013/02/08

●●●●●

7,840

80,490


2013/02/15

●●●●●

18,000

98,490

0,6円(文字)

2013/03/01

●●●●●

15,000

113,490


2013/03/08

●●●●●

7,840

121,330


2013/03/15

●●●●●

21,000

142,330


2013/04/01

●●●●●

11,250

153,580


2013/04/10

●●●●●

11,840

165,420


2013/04/15

●●●●●

10,000

175,420


2013/05/10

●●●●●

19,840

195,260


2013/05/29

●●●●●

13,500

208,760


2013/06/03

●●●●●

3,790

212,550


2013/06/10

●●●●●

11,840

224,390


2013/06/12

●●●●●

13,500

237,890


2013/06/17

●●●●●

3,290

241,180


2013/06/25

●●●●●

3,730

244,910

金融

2013/07/01

●●●●●

13,500

258,410


2014/07/10

●●●●●

13,500

271,910


2013/08/05

●●●●●

19,628

291,538


2013/09/05

●●●●●

22,428

313,966


2013/09/27

●●●●●

22,500

336,466


2013/10/07

●●●●●

15,000

351,466


2013/10/10

●●●●●

21,996

373,462


2013/11/08

●●●●●

25,093

398,555


2013/11/11

●●●●●

27,000

425,555


2013/11/15

●●●●●

15,500

441,055


2013/12/09

●●●●●

13,500

454,555


2013/12/10

●●●●●

21,813

476,368


2014/01/10

●●●●●

21,997

498,365


2014/01/14

●●●●●

22,500

529,865


2014/02/04

●●●●●

22,500

552,365


2014/02/17

●●●●●

8,000

560,365


2014/03/04

●●●●●

22,500

582,865


2014/03/11

●●●●●

22,655

605,520


2014/04/02

●●●●●

22,500

628,020


2014/04/11

●●●●●

24,148

652,168


2014/05/08

●●●●●

22,500

674,668


2014/05/09

●●●●●

22,891

697,559


2014/06/02

●●●●●

22,500

720,059


2014/06/10

●●●●●

24,507

744,566


2014/06/16

●●●●●

9,000

753,566


2014/07/02

●●●●●

22,500

776,066


2014/07/10

●●●●●

24,952

801,018


2014/08/05

●●●●●

22,500

823,518


2014/08/11

●●●●●

21,993

845,511


2014/08/19

●●●●●

6,500

852,011


2014/09/10

●●●●●

24,620

876,631


2014/10/10

●●●●●

26,835

903,466


原稿料入金明細(2)

日付

会社名(相手先)

金額

累計

備考

2014/11/10

●●●●●

63,827

967,393

ホテル転職

2014/11/11

●●●●●

20,872

988,265


2014/12/10

●●●●●

60,516

1,048,781


2014/12/10

●●●●●

15,566

1,064,347


2015/01/29

●●●●●

3,500

1,067,847


2015/02/10

●●●●●

11,673

1,079,520

金融

2015/02/19

●●●●●

6,500

1,086,020


2015/03/10

●●●●●

15,500

1,101,520

しのびライティング

2015/03/24

●●●●●

9,620

1,111,140

ウィッグ

2015/04/10

●●●●●

3,500

1,114,640


2015/04/13

●●●●●

10,000

1,124,640

注文住宅

2015/04/27

●●●●●

21,460

1,146,100


2015/05/15

●●●●●

20,000

1,166,100


2015/05/21

●●●●●

13,289

1,179,389

書き方指示多し

2015/05/28

●●●●●

5,920

1,185,309


2015/06/11

●●●●●

40,000

1,225,309


2015/06/23

●●●●●

5,920

1,231,229


2015/07/10

●●●●●

40,000

1,271,229


2015/07/15

●●●●●

19,024

1,290,253


2015/07/30

●●●●●

15,540

1,305,793


2015/08/10

●●●●●

40,000

1,345,793


2015/08/17

●●●●●

9,334

1,355,127


2015/12/02

●●●●●

18,153

1,373,280

精神科医

2016/01/04

●●●●●

22,658

1,395,938


2016/01/08

●●●●●

12,800

1,408,738

ビジネスホテル

2016/02/08

●●●●●

49,600

1,458,338

"

2016/03/08

●●●●●

46,400

1,504,738

"

2016/04/08

●●●●●

38,400

1,543,138

"

2016/06/01

●●●●●

3,525

1,546,663

energy

2016/07/01

●●●●●

60,780

1,607,443

"

2016/08/01

●●●●●

45,429

1,652,872


2016/09/01

●●●●●

52,703

1,705,575

energy

2016/10/03

●●●●●

57,732

1,763,307


2016/11/01

●●●●●

26,993

1,790,300


2018/12/14

●●●●●

7,025

1,797,325


2019/03/29

●●●●●

1,200

1,798,525


2019/05/16

●●●●●

2,400

1,800,925

強壮剤

2019/05/23

●●●●●

6,600

1,807,525


2019/06/10

●●●●●

6,000

1,813,525