2026年1月27日火曜日

しばらくブランクがあり仕切り直しで再スタートした私の読書記録 ・再掲載シリーズ No.20

 


初出:2018年10月1日月曜日

更新:2026年1月



新・読書記録 No.1~No.8 を公開します

以前このブログでも取り上げた私の読書記録はNo.50まで進みましたが、その後病気での長期入院があって一時中断していました。20181月からの再スタートに際しては、名前を新・読書記録(保存版)と変更し、新たにNo.1から始めることにしました。今回ご紹介するのはそのシリーズのNo.1〜No.8までです。 


 新・読書記録(保存版)No.1                              20181

著書名

著者名

出版社名

価格

発行日

入手媒体

読了

評価及コメント


死ぬほど読書

丹羽浩一郎

幻冬舎新書

842円(税込)

2017/7

自己購入

2018/1

(A)筆者は日本を代表する大商社の会長という要職にあるビジネスマンでありながら読書をこよなく愛する学者肌の人。この方の読書論は一本筋が通っており説得力抜群。シビアで厳しいビジネスの世界もこうしたリ- -がいれば健全な発展を遂げていくだろう。

ヒトはいじめをやめられない

中野信子

小学館新書

780円+税

2017/9

自己購入

2018/1

(A)著者はテレビなどへもよく出演している若い割にはよく知られた社会学者。学者には珍しいなかなかの美人で、男性には特に人気があるようだ。いじめはなくしたいものと誰もが思っているが、著者は人間社会ではいじめは決してなくならないものであると、いろいろな根拠をもとに説いている。


老いてますます明るい不良

嵐山孝三郎

新潮社

1500円+税

2016/6

図書館

2018/1

(B)無類の読書家だからなのか、文学にめっぽう詳しいことには脱帽する。しかしエッセイはそれ程良いとは思わない。エッセイ集を数多く出しており、書きすぎだからなのではなかろうか。講談社エッセイ賞を受賞した方なのだが。


ヤンキー村の農業革命

田中健二

宝島社

1404円(税込)

2017/4

図書館

2018/1

(A)元ヤンキーを自認しているが、頭の良いやり手であることが文章によく表れている。とはいえ、この分野で成功できたのは、親が青果商であったことは否めない。


アラフィフ婚活

石神賢介

飛鳥新社

1028円(税込)

2013/3

図書館

2018/1

(B)50歳になる直前に婚活をはじめ、その記録をまとめたエッセイだが、涙ぐましい努力の甲斐もなく、婚活の成果はなかなか上がらない。この本を読むと今の日本の結婚難が尋常ではないことがよくわかる。




 新・読書記録(保存版)No.2                            20182

著書名

著者名

出版社名

発行日

価格

入手媒体

読了日

評価及コメント

すべての婚活やってみました

石神賢介

小学館新書

2013/8

540

図書館

2018/2

()この著者の婚活シリーズ第2弾。著者が経験した婚活は数知れず、失敗を恐れず様々な婚活に挑戦している。それにしてもいろいろな種類があるものだ。バスツアー婚活、クッキング婚活など珍しいものも少なくない。

超戦略的作家デビューマニュアル

五十嵐貴久

PHP

2017/8

950

図書館

2018/2

(B)作家になるためのノウハウ本は数知れず出ている。そのため余程ユニークなものでなけれは読者は受け付けないだろう。残念ながらこの本にはそうしたユニークさは見当たらない。著者自身がそれほど売れっ子作家と言うわけでもなく、そのせいか説得力も乏しい。

作家と一日

吉田修一

木楽舎

2015/10

1296

図書館

2018/2

(B)ベストセラーを多く出している最近評判の高い小説家である。このエッセイ集は飛行機の機内誌に載せたもので、旅に関するエッセイが多いのは良いのだが、風物ばかりに偏り過ぎて、人が書けていないのが大きな難点。

過去を持つ人

荒川洋治

みすず書房

2016/7

2916

図書館

2018/2

(B)この方は詩人である。文面から並の読書量ではないことがよく伺える。そのおかげで作家や文学作品にはやけに詳しい。しかし詩人にしばしば見られるように、文章が難解で分かりにくい。それに悪文とも思しき文章も少なからず見受けられる。

奨学金地獄

岩重佳治

小学館新書

2017/1

842

図書館

2018/2

(A)いま奨学金破産が社会問題化しつつある。その一つの原因は「奨学金は借金」と言う認識が足らないことにあるのではないだろうか。そうなるのは奨学金申し込み時にその説明に当たるのが担任教師であることにもある

。金融に詳しくない教師が奨学金申し込みの担当者であるため、生徒に奨学金が借金であるということを十分説明できないことが問題なのではなかろうか。また今の奨学金は無利子のものがあまりにも少なすぎる。国は2017年から無利子奨学金を増やしたが、全体から見ると微々たる量で、救済にはほとんど役立っていない。


新・読書記録(保存版) No.3                                    2018年3月

著書名

著者名

出版社名

発行年月

価格

入手媒体

読了

評価及コメント

ビジネス書の9割はゴーストライター

吉田典史 

青弓社

2014/5

1600円+税

図書館

2018/3

(B)これは驚きである。ゴーストライターの存在は知っているが、シェアはせいぜい1割程度と思っていた。この事実が世間に広く知れ渡ると売り上げに影響すること必至。 それにしても、10冊のうち9冊も書者本人が書いていないとはひどい。これぞビジネス書出版業界の闇と言えるのではないだろうか。

バブルノタシナミ

阿川佐和子

世界文化社

2017/7

1296円(税込)

図書館

2018/3

(A)女性誌に連載されたエッセイだけに女性向けのテーマが多い。普段テレビで語ることに共感しているが、文章もなかなかのセンスで好感が持てる。感性的にも合う。この方は60歳を超えた最近になって結婚されたとのこと。おめでとうございます。

ワルに学ぶ黒すぎる交渉術

多田文明

プレジデント社

2016/9

1404円

図書館

2018/3

(B)詐欺の手口やトークを紹介しているが、一般的に既に知れ渡っている事実が多く今さら書く必要がないような事柄があふれている。プレジデント社という一流の経済専門出版社の著書にしては内容がいまいち。著者も勉強不足。

パリわずらい江戸わずらい

浅田次郎

小学館

2014//2

1400円+税

図書館

2018/3

(A)浅田次郎は小説が上手だが、エッセイの方も達人と言ってもいいほどうまい。取り上げるテーマが新鮮で魅力がある。この人は写真で見る限り、オシャレのセンスもなかなかなものだが、多分作家になる前に経営していたブティックの影響だろう。

つばさよつばさ

浅田次郎

小学館

2007/10

1400円+税

図書館

2018/3

(A)今や人気作家の一人になっているが、売れはじめたのは40歳ごろでそれほど早くはない。したがって書いても書いても売れない貧乏な時代を長い間経験している。その様子がエッセイにも書かれているが、内容は、借金の返済、お金があったら買いたいもの、その年の原稿料の入金予定など切実でシビア。こうした苦難が実って今や押しも押される実力派人気作家に成長。


新・読書記録(保存版) No.4                                    2018年 3~4月

著書名

著者名

出版社名

発行年月

価格

入手媒体

読了

評価及コメント

三博四食五眠

阿佐田哲也

幻戯書房

2017/8

2376円(税込)

図書館

2018/3

(B)タイトルが非常にユニークだが、これは3回博打をし4回食事をし、5回眠る、という意味。つまり毎日が博打と食べることと寝ることの繰り返しを意味している。麻雀放浪記で有名なこの著者は直木賞も受賞している作家。しかしそれにしては文章が分り難く、まさにこれを悪文と言うのだろうか。とは言え、そこはかとなく味があるところが捨てがたい。

アイムファイン

浅田次郎

小学館

2010/7

1400円+税

図書館

2018/3

(A)エッセイ集ともなれば多くのテーマが必要になり、著者の人としての幅が問われる。その点、この作家は抜群の読書量と趣味の旅行やギャンブルなどをはじめとして、テーマに窮することはないだろう

君は嘘つきだから小説家にでもなればいい

浅田次郎

小学館

2011/12

1512円(税込)

図書館

2018/4

(A)タイトルがユニークだが、これは小学校のとき、担任の先生に言われたことだという。著者は嘘つきを自認しており、そうでなければ次々と小説を書くことなどできない、と言っている

まっいいか

浅田次郎

集英社

2009

1512円(税込)

図書館

2018/4

(A)著者は小説同様エッセイも多く出しているが、どの作品を読んでもテーマが新鮮。これは著者が過去に書いたことを再びテーマにすることを恥だと思っているからで、そんなことをしなくてもテーマはいくらでも見つけられる、とも言っている。

かわいい自分には旅を指せよ

浅田次郎

文藝春秋

2013

1400円+税

図書館

2018/4

(A)著者は大学には行っておらず、その影響なのか「学校に行かなくても本を読めば勉強できる」というのが持論で、いろいろな著書の中で語っている。なお今年に入って連続して読み続けているこの著者のエッセイ集はこれで6冊目だが、どの作品もテーマが新鮮なので、いくら読んでも飽きることがない。


新・読書記録(保存版) No.5                                      2018年 5~6

著書名

著者名

出版社名

価格

発行日

入手媒体

読了日

評価及コメント

フォーユニークガールス

山田詠美

幻冬舎

1296円(税込)

2014/10

図書館

2918/5月

(B)好きな女性作家の一人。どんな点が好きかと言えば、少し生意気でクールなところ。でも年齢とともに大分柔らかくなってきた。このエッセイ集にはセンスの良いテーマのエッセイが多数。Eye Candyに関するエッセイを参考にしてブログを書いた。

直木賞受賞エッセイ集成

直木賞受賞者36

文芸春秋

2000

2014/4

図書館

2018/5

(SA)これまで読んだアンソロジーのエッセイ集では最高。直木賞受賞作家36名のライフストリーを綴ったものだが、エッセイとしては長い20枚という量もあってか、ほとんどが読みごたえのあるすぐれた作品であった。流石に実力派作家ぞろい、直木賞受賞は伊達ではない。これほど優れたエッセイ集は滅多にない。

井上ひさしから娘へ、57通の往復書簡

井上ひさし

井上綾

文藝春秋

1600円+税

2017/4

図書館

2018/5

(B+))井上ひさしと長女綾さんの往復書簡集という珍しい本。綾さんは父親に似ず、文章はそれほど上手とは言えないが、素直な人間性が良く出ており、読んでいて気持ちが良い。

ベストエッセイ2015

日本文藝家協会

光村図書

2000円+税

2015/6

図書館

2018/5/29

(B)76の作品中、特に良いと思ったのは次の10編。麻生鴨(交渉)、村田喜代子(緑色の隣人)、綾戸智慧(まいど)、落合恵子(母と続けた「お母さん私を見て」という遊び、山田太一(空との会話)、角田光代(そこに困っている人がいれば)、平松洋子(熊を食べるということ)、穂村弘(不審者に似た人)、藤野可織(かばん)、藤沢周(感覚)。角田光代は直木賞受賞エッセイ集成でも感心した。良い作品が少なく不満が残った。

柔らかなレタス

江國香織

文藝春秋

1238円+税

2011/2

図書館

2018/6/

(B)人気のある女性作家だが、このエッセイ集に限ってはあまり感心できない。読んでいて、ウーンと、疑問に思う点が多かった。どんな点が問題かは「ある女性作家のエッセイ集を読んで」というタイトルでブログに書いた。



新・読書記録(保存版) No.6                                   2018年6月                      


著書名

著者名

出版社名

発行年月

価格

入手媒体

読了

評価及コメント

ベストエッセイ2014

日本文芸家協会

光村図書

2014/11

2000円+税

図書館

2018

610

(B)ベストエッセイ2015がつまらなかったので同じシリーズをもう1冊読んでみたが、こちらも同様に面白い作品は少なかった。ベストエッセイなのにつまらないのは、いったい何に原因があるのか考えてみたが、一に文芸書に慣れない光村図書という出版社の問題、二に選ぶ対象媒体に、日本経済新聞や純文学雑誌が多く、一般紙や大衆文学誌が少ないという偏りが挙げられる


世界は終わりそうにない

角田光代

中央公論新社

2015/5

1400円+税

図書館

2018

615

B)この著者にはエッセイのアンソロジーなどの中には良い作品があるが、自身の1冊のエッセイ集となればよい作品は少ない。ただエッセイだけでなく対談や書評が含まれている点が評価でき、今回は佐野洋子の作品紹介が役立った

ふふふふ

井上ひさし

講談社

2009/12

1400円(税別)

図書館

2018

620

A)硬派のエッセイ集。この著者の情報収集力は凄いが、新聞7紙と経済週刊誌3誌を購読していることでも、それがよくわかる。経済誌を読む理由として、はっきりと数字を挙げて説明しているので事実を理解しやすい、と述べている。

世にも奇妙な日本のお笑い

チャド・マレーン

NHK出版新書

2017,12

780円(税別)

図書館

2018

6/23





B)著者は吉本興行に所属する、オーストラリア出身の珍しい外国人お笑い芸人、来日して以来、長年の貧乏暮らしに耐え、なんとか芸人として暮らしていけるようになるまでの涙ぐましい奮闘ぶりが飾り気なく綴られている点に好感が持てる。

姫椿

浅田次郎

文春文庫

2016/5

560円(税別)

自己購入

2018

627

A)エッセイと長編小説の名手だが、短編小説は特に優れているとは思えない。いずれもそれなりの完成度ではあるが、特に心が打たれる作品はなかった。



新・読書記録(保存版) No.7                                                    2018年 78

著書名

著者名

出版社名

発行年月

価格

入手媒体

読了日

評価及コメント

問題があります

佐野洋子

筑摩書房

2009/7

1500円(税別)

図書館



(B)最初のページは良いと思ったが、読み進めていくにしたがって意味不明な箇所が多くなった。この人もいわゆる悪文家なのだろうか?

お友だちからお願いします

三浦しをん

大和書房

2012/8


1400+

図書館



B)人気作家で良い小説を書いている方だが、このエッセイ集はお世辞にも良いとは言えない。第一テーマが日常的すぎて興味がわかない。日常的なありふれた題材が多いのは、人気作家故に書きすぎてネタ不足に陥っているからだろうか?

人間万事嘘ばっかり

山田風太郎

筑摩書房

2010/7


2300

図書館



A)時代物の忍者小説というややマニアックな世界の作家だが、エッセイも相当なもの。作家と言えどもこれほど多くの作品を上手に書ける人は多くはない。この方にはエッセイ五部作と言われる5冊の作品があるが、全部読みたい。東京医大卒業の医師免許を持つという異色作家。出身は兵庫県豊岡で、その点からも親しみがわく。

日本の履歴書

門井慶喜

文藝春秋

2018/1

1450円 

図書館



(B)直木賞作家だが文章が難解で読みにくい。この方は宮沢賢治に私淑しているが、詩に関連がある人の文章は読みにくいのは何故だろう。詩を好む作家には悪文家が多いが、著者は難解だが悪文家とは言えない。

風山房風呂焚き唄

山田風太郎

筑摩書房

2008/12

2000

図書館



(A)「人間万事嘘ばっかり」と同様に極めて秀逸なエッセイ集である。戦後の頃から現在に至るまで書いた年代に幅があるので、その時代の世の中の様相が良く分かり、その点からも興味深く読めた。



新読書記録(保存版) No.8                                          2018年 89

書名

著者名

出版社名

価格

発行年月

読了日

入手媒体

評価&コメント

夕暮れの時間に

山田太一

河出書房新社

1600

2015/8月

820

図書館

(B)脚本家としてネームバリューがあり、これまでに多くの賞を受けている作家にしては、この作品は良いと思えない。というか、文章が分かりづらく、強いて言えば悪文が多い。その点で印象に残ったのでブログに悪口に似た感想を書いた。

しょぼくれ老人という幸福

ひろさちや

悟空出版

900円+税

2015/10

825

図書館

(B)東大卒という著者に経歴に惹かれて読んだのだが、印象に残る点が少なく、内容の乏しい作品であった。

ベストエッセイ2016

日本文芸家協会

光村図書

2000


2016/6

912

図書館

B) 〇は朝吹真理子、辛酸なめ子、柴崎友香、ささきみきろう(詩人)、奥田亜希子、西村賢太、Xは、吉村まんいち、小島慶子。今回も2014,2015と作品の質では大差はなかったが、ただ西村賢太という作家に出会えたのは予期せぬ収穫。早速図書館で「一私小説書きの独白」というエッセイ集を借りて読んでみたが面白くて一気に読み通せた

オッパイ入門

東海林さだお

文藝春秋

1350

20181

920

図書館

(SA)ユーモアという点では今年読んだものの中では最高。それもそうだろう。著者は天才的な漫画家だもの。でも良いのは漫画だけではなくエッセイも秀逸。おそらくユーモアエッセイではこの人の右に出る人はいないだろう。特に人の「せこさ」をめぐっての鋭い考察には感心した。なお「オッパイ入門」というタイトルな中身のあるエッセイのタイトルであり、本全体がオッパイに関する内容でははない。

一私小説書きの独語

西村賢太

角川書店

1600

20146

923

図書館

(A)ベストエッセイ2016の中に著者の作品があり、面白さに惹かれて、図書館でこの作品を借りて読んだ。期待に違わず読んで飽くことのない興味深い作品であった。この著者の私小説を面白くさせているのは、本人の体験がユニークであるからに違いない。だが、そのユニークさは今後どれくらいの間作品に生かされるだろうか。読者を惹きつける作品を長く書いていくためには著者の今後の経験次第だと言えるのではないだろうか。久々の面白い作家の出現だけに、できるだけ長続きしてほしい。