2020年3月30日月曜日

法の抜け道なのでは?・「喫煙目的施設」とは

愛煙家にとっては時がたつにつれて厳しくなる喫煙環境ですが、最後の聖地と言われたバーやスナックもついに禁煙の例外ではなくなります。

なぜなら4月に「受動喫煙防止条例」が全面施行されるからです。しかしこれにも「禁煙目的施設」という法を逃れる抜け道があるのです。


受動喫煙の規制逃れ? バーやスナック、例外施設に移行

4月に全面施行される受動喫煙防止条例で大半の飲食店が原則禁煙となる東京都で、バーやスナックが喫煙の認められるシガーバーなどと同じ「喫煙目的施設」に移行する動きが広がっている。
たばこの出張販売先と認められると、店内で4月以降も喫煙できるためだ。厚生労働省は「法の抜け目をつく行為で、好ましくない」と指摘する。

 東京・歌舞伎町の飲食店街「新宿ゴールデン街」。3月中旬、小さなスナックやバーなど約300軒が密集する路地を歩くと、店頭に「喫煙目的施設」と書かれたシールを貼った店があった。関係者によると、100軒以上が移行準備を進めているという。

 東京都では、4月から全面施行される受動喫煙防止条例で、従業員を雇う飲食店は、喫煙専用室を設ける場合などを除き禁煙となる。都条例は、客席面積100平方メートル以下であれば店内での喫煙を認める国の改正健康増進法(4月施行)よりも厳しく、都内の飲食店の84%(約13万軒)が原則禁煙となるという。

 ただ、都条例にも例外がある。①たばこの小売業者などから出張販売の委託を受け、対面販売をする②米飯・めん類などの「主食」を提供しない③未成年を入れないなどの条件を満たせば、店内で葉巻を吸えるシガーバーなどと同じ「喫煙目的施設」と見なされる。

 例外措置を目当てにバーやスナックがたばこ店から出張販売を受け、衣替えするケースが増えている。
 ゴールデン街の店舗が加盟する新宿三光商店街振興組合の担当者は「主食を出すので喫煙目的施設をあきらめる店もあるが、多くは移行するようだ」と話す。

厚労省「好ましくない」


 財務省関東財務局によると、昨年度に都内でたばこの出張販売先として許可された場所は約240件。今年度は3月中旬までに約1200件に達した。担当者は「今までにない特異な状況。条例施行を見据え、いまも申請が相次いでおり、今後も増える見込みだ」と話す。

 こうした動きに対し、厚生労働省の担当者は「規制を逃れるためだけに、飲食店が形式的に移行するのは、好ましい状況ではない」と話している。

出典:朝日新聞電子版 2020年3月29日

2020年3月27日金曜日

文章はひねり出して書くもの


作家が締切りに苦しめられるのはなぜか

〆切本という本があります。左右社という出版社から出ている〆切にまつわる作家たちのエピソード
を集めたエッセイ集です。

これには多くの作家たちが〆切にまつわる話を書いていますが、そのほとんどは苦しめられた話です。

そうなのです。〆切とは作家にとって苦しめられるだけのもので、年から年中これと闘い続けているのです。

でもなぜ作家は〆切に追われ、苦しめられているのでしょうか。

その答えは簡単です。引き受けた原稿がなかなか書けないからです。

書くことのプロである作家でさえ、簡単に文章が書けることはないのです。

大抵はいやいやながら、なんとかして作品になるような文章をひねり出そうと、いつも〆切に急かされ悪戦苦闘しながら書いているのです。


作家といえども文章がスラスラ出てくることはない

書くことのプロであるはずの作家がいつも締切りと闘い続けているのは執筆に気が乗らなかったり、アイデアが浮かばなかったりして原稿がなかなか書けないからです。

作家だからといっていつも文章がスラスラ出てくるわけでもないのです。それどころかいつも頭を絞って文章をひねり出していることのほうが多いのです。

出版社から仕事を引き受けたのはいいのですが、なかなか手がつけられずに気がつくといつも締切が迫っている、というのがお決まりのパターンと言っても過言ではないのです。


文章とは苦しみながら書くもの

ある朝、一人の物書きが出版社から頼まれたエッセイを書こうと机の前に座りました。でもすぐ執筆には入りません。タバコを吸ったり、お茶を飲んだりしながら、まずウォーミングアップのあれこれから始めます。

でもタバコは2本、3本と増え、お茶も2杯、3杯とお変わりしていきますが、肝心のペンの方はいつまでたっても握りません。

そうするうちに昼がやってきたのでランチにし、その後眠気が襲ってきたので昼寝をし、気がつくと2時近くになっているではないですか。

いかん、いかんと気を引き締めてやっとの思いでペンを取りました。そしてなんとか最初の1行を書きました。続いて2行目、3行目と進みたいものの、どうしても次の文章が出てきません。


気が向かなくても無理してでも書かなければいけない

作家は書くことの才能があるはずです。でもいつも書いているとネタ切れで書くことが無くなってしまいます。その結果、いつも何を書こうかと、題材探しばかりに時間を費やすようになります。

ああでもない、こうでもない、とあれこれ考えているうちに時間はドンドン経過します。そして何も書けないまま昼が過ぎ、やがて夕方になり、そして気がつけば外が暗くなりかけており、それでも何も書けないことに気がついて愕然とするのです。

ものを書くことが仕事の作家なのに、こんなことが珍しくないのです。

ものを書くことには常に困難さが伴うからです。でも無理をしても書かなければなりません。なぜなら〆切があるからです。


締切りがなければ物書きの仕事は成り立たない

物書きにとって〆切はイヤなものです。いつも苦しめられるばかりで、嬉しいことはなにもないからです。

では〆切がなければどうなのでしょうか。はたして仕事はかどるでしょうか。

答えはノーです。はかどるどころか、いつまでたっても手がつけられず、原稿は一向に進展することはありません。

それを食い止めるのが〆切なのです。締切があるからこそ、物書きはいやいや執筆を始め、苦しみながら無理をして文章をひねり出しているのです。


気がつけばそれなりにまとまった文章が書けている

〆切に迫られて苦しみながら無理をしてひねり出した文章でも、気がつけばなんとか終わりに達しているものです。

でも無理してひねり出したものなので出来が悪いのでは、と心配になります。

恐る恐る読み返してみると、心配には及ばず、なんとかまとまった形になっているではないですか。

そうなのです。文章は無理してひねり出しても、書く人が書けば、それなりの形におさまるものなのです。

2020年3月23日月曜日

名作を読み直してみた(5)・人間失格 太宰治


空前絶後 驚異の超ロング大ベストセラー

一般的に本は100万部売れたら大ベストセラーと呼ばれます。

ところがです。この人間失格はこれまでに文庫版だけでもその7倍に当たる700万部近くを売りつくしているのです。

そうなのです。太宰治の「人間失格」は夏目漱石の「心」と並ぶ、日本文学史上空前絶後の超ベストセラー作品なのです。


手記という形をとった自伝的作品

人間失格は自伝的な私小説とみなされていますが、その形式は手記という形をとっており、構成は5段になっています。

最初は「はしがき」に始まり、その後 第一の手記、第二の手記、第三の手記と続き、最後の「あとがき」で終わっています。
手記とされているのは第一から第三までの手記の部分です。



あらすじ(内容)

(第一の手記)
[恥の多い生涯を送って来ました」という文章で始まります。自分の感覚は人とはまったく異なっており、いつも混乱していて発狂してもおかしくない。こんな状態ゆえに、人とはまともに会話を交わすことが出来ず、そのエクスキューズとしていつしか道化役を演じてしまう。

(第二の手記)
中学時代に自らの数少ない技術である「道化」を危うく見抜かれそうになり恐れおののく。その後進んだ旧制高校で堀木という悪友に出会い酒と煙草、それに淫売婦と左翼思想に染まっていく。

(第三の手記)
ある罪に問われて旧制高校を放校となり、引受人の男の家に逗留するが、男といさかいを起こし家出してしまう。それが酒と女に溺れるきっかけになり、やがて破壊的な女性関係にはまり、絶望の淵に立たされる。

ウィキペディア参照


自殺直前の精神的混沌状態にあり カオス感がにじみ出ている

太宰治の作品は純文学系にしては文章が比較的読みやすいのが特徴で、それが人気の理由の一つになっているとも言えます。代表作の「斜陽」「走れメロス」などを見てもそれがはっきりわかります。

しかし、「人間失格」に限っては決してそうは言えず、支離滅裂とまではいきませんが、理解困難な語句や文章が多く、しかもまるで夢でも見ているように脈略が乏しいシーンが次々展開し、読者には納得し難い場面が少なくないのです。

なぜこうなのか、と考えてみますと、これを書いたのは玉川上水での自殺のわずか1ヶ月前で、結核という病気による身体の衰えも相まって精神的には非常に混沌としていた時期であり、内面的にカオス状態にあったのではないかと推測されます。

人間失格におけるこのような文章や展開の乱れにについては、数ある書評ではほとんど取り上げられていないのは不思議です。太宰治に対する大作家(神様的)崇拝が強すぎて、悪い点には目を向けないようにしているかもしれません。


女性にモテた自慢話がたびたび出てくるが

太宰治が女性によくモテたということは、ファンならずとも誰もが認める有名な話です。しかし当人がそれについて自慢するようなことは、これまでの作品ではあまり見られませんでした。

でも自伝風の手記だからかもしれませんが、この作品では著者である本人自らが女性に持てた話(女性に貢がせた話)をたびたび書いているはいったいどうしたことなのでしょう。

人は他人の自慢話はあまり聴きたくないものです。読者のそうした心理はよく知っているはずの太宰が、あえてそれについて自慢気に書いたのは、おそらく精神耗弱のせいで理性を失っていたからに違いありません。


良家のお坊ちゃんなのにお金に苦労した話が意外に多い

太宰治は父親が政治家という、知る人ぞ知る名家のお坊ちゃんです。したがってお金の心配など無用というふうに読者は思ってきました。

しかしこの作品にはお金の話がよく出てきます。それもキンケツでお金に苦労した話が多いのです。

もちろん実家からの送金が途絶えたからではありません。一定の金額で仕送りは続いていたのですが、キンケツになったのは酒と女での桁外れの浪費が原因です。

それが日に日に激しくなりお金がいくらあっても足らなかったのです。そうなったのも自殺を考えるほどの精神荒廃のせいに違いありません。


死ぬ前だから懺悔のつもりですべてを暴露したのか

女性のもてる話やお金に苦労した話など、この作品には他の太宰作品ではあまり触れなかったような話がよく出てきます。

これはおそらく自殺したいような精神の錯乱状態にあって自制心がきかなくなったのと、それに懺悔の気持ちが加わって、これまで言えなかったことを吐露してしまったのではないでしょうか。

この作品での、たまたま偶然に見つけた睡眠薬を大量に飲んで自殺を図ることでも分かるように、日常生活そのものが生と決別する行動をいつ起こしてもおかしくないような錯乱した精神状態であったに違いありません。


映画・人間失格「太宰治と3人の女たち」

小栗旬が文豪・太宰治を演じ、小説「人間失格」の誕生秘話を、太宰を取り巻く3人の女性たちとの関係とともに描いたオリジナル作品。
「ヘルタースケルター」「Diner ダイナー」の蜷川実花がメガホンをとり、脚本を「紙の月」の早船歌江子が手がけた。
1964年、人気作家として活躍していた太宰治は、身重の妻・美知子と2人の子どもがいながら、自分の支持者である静子と関係を持ち、彼女がつけていた日記をもとに「斜陽」を生み出す。
「斜陽」はベストセラーとなり社会現象を巻き起こすが、文壇からは内容を批判され、太宰は“本当の傑作”を追求することに。そんなある日、未帰還の夫を待つ身の美容師・富栄と知り合った太宰は、彼女との関係にも溺れていく。
身体は結核に蝕まれ、酒と女に溺れる自堕落な生活を続ける太宰を、妻の美知子は忍耐強く支え、やがて彼女の言葉が太宰を「人間失格」執筆へと駆り立てていく。
太宰を取り巻く3人の女たちを演じるのは、正妻・美知子役の宮沢りえ、静子役の沢尻エリカ、富栄役の二階堂ふみ。そのほか坂口安吾役の藤原竜也、三島由紀夫役の高良健吾、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史ら豪華キャストが集う。

2019年製作/120分/R15+/日本
配給:松竹、アスミック・エース
出典:映画.com

世界で活躍する写真家であり映画監督の蜷川実花が、構想に7年を費やし、天才作家・太宰治のスキャンダラスな恋と人生を大胆に映画化!
主人公の太宰治を演じるのは、『ゴジラVSコング(邦題未定、原題GODZILLA VS. KONG)』でハリウッド進出も果たす小栗旬。蜷川監督と初タッグを組み、大幅な減量も敢行しながら、究極のダメ男でモテ男、才気と色気にあふれた最高にセクシーでチャーミングな、かつてない太宰像を創りあげた。
太宰の正妻・美知子に宮沢りえ。作家志望の愛人・静子に沢尻エリカ。最後の女・富栄に二階堂ふみ。それぞれの世代を代表する女優たちが、一見太宰に振り回されているように見えて実は自分の意志で力強く生きている女性たちを、圧巻の演技力で魅せる。太宰と女たちを取り巻く男性陣にも、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也と超豪華キャストが集結。
太宰が死の直前に完成させた「人間失格」は、累計1200万部以上を売り上げ歴代ベストセラーのトップを争う、“世界で最も売れている日本の小説”。その小説よりもドラマチックだった<誕生秘話>を初映画化。蜷川組常連のスタッフに加え、脚本に『紙の月』の早船歌江子、撮影に『万引き家族』の近藤龍人、音楽には世界的巨匠・三宅純を迎え、日本映画界最高峰のチームが集結。ゴージャスでロマンティックな唯一無二の蜷川実花の世界観をさらに大きく進化させた。

2020年3月18日水曜日

今週のニュースサイトで最もインパクトのあるタイトルはこれ!


2020年3月17日

障害ある息子、強すぎる性欲  夫は「ソープランドに」と:朝日新聞 ...

https://www.asahi.com/articles/ASN3F53MCN3BUCLV00Z.html


上のタイトル 一見するだけで、いかにもセンセーショナルでしかもスキャンダラスではありませんか。

このような過激な表現を使った見出しは週刊誌でよく見かけますが、今回は週刊誌ではなく、れっきとした朝日新聞の電子版に載ったニュース記事なのです。

なんともインパクトのあるタイトルです。これほど刺激的なタイトルが他にあるでしょうか。

比較検討のために、いくつかの最新の週刊誌 タイトルを列挙してみます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


週刊ポスト 2020年3月27日号 目次

新型コロナとあなたの持病・服用薬との関係 「重症化」する人しない人


・【身を守るために最も知りたい情報】「感染者がかかった病院」実名リスト
・官邸崩落 “安倍の振付師”が“菅の女側用人”に「君は下がれ」と一喝
そしてコロナ対策は迷走を始めた─森功(ノンフィクション作家)
・「一斉休校」要請の萩生田大臣支援者と宴会で「濃厚接触の夜」

特集

◆現役医師20人に聞きました
この検査を「受けますか? 受けませんか?」
◆「無観客試合」を科学する─「ファンの応援が力になる」は本当か?
◆春場所で「新大関誕生」が大安売りに
◆「センバツ中止」を最後まで渋った高野連「甲子園は聖域」思想
◆家にいるなら、家族みんなでやってみよう
難関中学入試&最上級ナンプレ
◆その会社の辞め方は「退職金」を大損します
◆人気女優が喘いだ名作映画「濡れる台詞」
◆女子高生の命を奪った87歳ドライバーを
「無罪」にした裁判長の“理屈”
◆下請け破綻から始まるコロナ連鎖倒産の悪夢
◆最初に「中国人お断わり」掲げた商店主が「遅過ぎた入国制限」を語る
◆ヤクザと「コロナ」 鈴木智彦(フリーライター)
◆殺伐とした「コロナ社会」にも、心温まる出来事がありました。

サンデー毎日3月29日号 もくじ(抜粋)


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・〔倉重篤郎のニュース最前線〕非常事態!新型肺炎拡大 安倍政権という"人災"で壊滅する日本経済、危機に追いやられる人命
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FLASH 2020年3月31日、4月7日合併号 目次(抜粋)

· 〖スクープ〗
人気力士に日大のドンが激怒
無観客三月場所を揺るがす不義理
遠藤「裏切り婚」で後援会が崩壊
· 《旬撮11連発》
美女たちの「オフの顔」満開
広瀬すず/上野樹里/田中みな実/奈緒/山本舞香/剛力彩芽/本田翼/上白石萌音/のん/吉瀬美智子/山本美月
· ◆日本全国「犯罪が多発」危険な街ランキング
沼津市、松江市の町名も…最新警察データ28万件で判明
· ◆マネージャーがマスコミ初登場
野村克也
人情派監督が認めた「8人の実名」
· ◆がん研&著名人が大公開
「胃がん治療は34万円」
新型コロナ
●12時間飲み放題“567”円ほか…得する話12!
●中国収束の秘策 “無接触理髪店”に倣え

2020年3月15日日曜日

スーパー、コンビニの安くてメチャ旨いもの ベスト3はこれ


この安さでこの旨さ・食べないと損しますよ!

いまユーチューブやTVではおいしい食べ物を紹介する番組が大流行ですが、いくら美味しくても値段が高ければ庶民はおいそれと手が出せません。

そこで登場するのが値段はとびっきり安いが美味しさは抜群という商品です。そんな商品がスーパーやコンビニで手軽に買うことができるのです。

そうした品物の中から、今回は値段の安さと味の良さが飛び抜けた3種の逸品をご紹介します。


イオン 

鴨だしそば》 

88円(税別)

〈91%もの人が旨い!とうなった〉

旨いそばのポイントはなんと言ってもつゆの味にあります。この鴨だしそばを初めて食べた時、そのつゆの美味しさにすっかり魅了されてしまいました。

甘すぎず辛すぎず、和風だしの上品な味が舌にしっとりとひろがり、おもわず「おいしい!」と声が出そうになるぐらい素晴らしい味なのです。




ローソン 

《みたらし団子》

108円(税込)

 〈甘さを抑えた上品な味がたまらない〉

みたらし団子ときけば、なにかすごく古くからある食品のような響きがあり、美味しさに関しては、それほど期待できない、という向きもあるかもしれません。

ところがどっこい、ここにご紹介するローソンのみたらし団子に限っては、食べた人のすべてが、みたらし団子ってこんなに美味しいものだったの、と思うほどの、味の逸品なのです。

食べた人は病みつきになること請け合いです。



ファミマ 

《チキンライス》

 139円(税別)

〈腹八分目の控えめな量がリピートを促す〉

チキンライスは古くからあるライスジャンルの洋食の定番料理ともいえ、長い間愛されてきた鉄板メニューです。

それだけに味は人々に親しまれているのですが、ファミマのチキンライスが食べた人を引きつけるのは味の良さだけではありません。

人は美味しいものだとなるべくたくさん食べたいと思うのですが、このチキンライスは量を控えめに抑えています。

それが人々にもっと食べたいという思いを抱かせ、また食べたい、というリピートの気持ちを強くさせるのです。

2020年3月12日木曜日

昔はよくお世話になったが・かつてのような質屋さんは今でも健在なのか?


若い頃よく利用した質屋さんがなつかしい

給料の安かった若い頃、給料日前になると決まって金欠状態になっており「これだけで後何日過ごさないと」と、残り少ない残金を計算していたものです。

なにしろ給与総額が3万円程度という安月給時代のこと、少し油断して使いすぎるとすぐピンチになるのです。

でもなんとかやりくりできればいいのですが、どう考えても無理なときは意を決して質屋さんに走りました。

日本の経済成長前のことで、国自体が貧乏ですから社会全体の給料が安く、多くの庶民にはお金に余裕がありません。ですから貧乏なことを恥とは感じませんでした。

したがって質屋さんでお金を借りることもそれほど恥ずかしいこととは思わず、むしろ給料前にお金が調達できる便利な場所というふうに考えていました。

もっとも今のような消費者金融全盛の時代ではなく、質屋さんは困ったときに庶民がお金を調達できる数少ない選択肢だったのです。


質草には、腕時計 カメラ 衣服類など

質屋さんでお金を借りるには抵当になる品物が必要です。それを質草と呼ぶのですが、若者ですからそれほど良い品物は持っていません。

それでも当時は多くの若者が持っていたカメラ、それに今と違って大抵の人が身につけていた腕時計、その他は背広などの衣類が多かったようです。

いずれも高価なものではなく、若者の誰もが持っているような一般的な品物です。

それだけに借りられる金額も多くはなく、たいていの場合、多くても数千円程度でしかありませんでした。

とはいえ、月給が2~3万円の時代ですから、給料前の数千円にはかなりの価値があったのです。


質屋さんの利息は月9分(ぶ)

もう何十年も前のことなのに、なぜだか質屋さんの利息はよく覚えています。確か月に9分(ぶ)だったと思います。

分(ぶ)とは江戸時代から続いている金利の単位で、1分は今の1%も当たります。

したがって月9分の利子は)9%に当たり年利にすると108%にもなります。

これを具体的にいいますと、例えば5千円借りたとしても利息は1ヶ月450円ですから、決して安いものではありませんでした。

とはいえ質草が惜しいこともあり、大抵は給料が入ったら返済していましたから、当時はそれほど高いとは感じていませんでした。


利息を払わず流した品物も少なくない

給料前にたびたび利用した質屋さんですが、借りたお金が返済できないとこもありました。返済できないまま3ヶ月経つと期限が来て預けた質草が流れてしまいます。

流れるとは品物を没収されることです。借りた5千円の3ヶ月分の利息1350円(月450円✕3)を払わないと預けてあるカメラなどの品物が店の所有物になってしまうのです。

でも、大事な品物が流れてしまっては大変です。そこでなんとか利息のお金を工面して支払おうとするのですが、それが叶わず無念な思いで品物を手放してしまったことは幾度もあります。

ある日気がつくと月賦で無理して買ったカメラ、親からもらった大事な腕時計、一着しか無い冬のコート、などが消えていたのです。


今では多くの質屋さんが買取ショップに変身

今では町を歩いてみても、ネットなどで探してみても、品物担保でお金を貸すのを専門にしている質屋さんはほとんど見かけません。質店という看板を掲げている店がなくなってしまったのです。

その多くが買取ショップに変わってしまったからです。品物でお金を貸すのではなく、その場で買い取ってしまい、その対価を支払うのです。

持ち込まれる商品は安物が多かった質屋さんの時代とは違って、高級ブランドの高価な物が多いのが特徴です。

したがって質屋さんの時代に店内に漂っていた、あの懐かしい一種独特な貧乏臭い雰囲気はすっかり無くなってしまいました。


質屋さんから期限切れ通告のファックスが?

これは余談ですが、数年前、我が家へ身に覚えのない内容のファックスが届いたことがあります。

それにはこう書いてありました。「お預かりしているダイヤの指輪の期限が近づいていますのでご連絡をお待ちいたします」。

差出人は市内の質屋さんでした。要は質入れしてお金を借したダイヤモンドの指輪が、期限が来たので利息を払わないと流れてしまいますよ」という連絡なのでしょうが、質屋さんが宛先を間違えてファックスを流したのです。

なんとも身につまされる話ですが、店と客の名誉のためにと、黙って見過ごしてしまいました。


米国の質屋さんはPAWN SHOPという

アメリカ映画を観ていて店舗のpawn shopという看板を目にしたことはありませんか。それとは別に窓などにMoney Loanという文字が書かれていることもありますが、要は日本の質屋さんと同様の店なのです。

Pawn Shop、日本の質屋さん同様に歴史を感じるなかなか味のあるワードではありませんか。


2020年3月8日日曜日

小説新人賞の応募者にぜひとも伝えたいこと(その2) ・ まず「下読みさん」のことを知らなければいけない


下読みさんの目はごまかせない

小説新人賞の応募規定などを見て、最初に注意が行きがちなのは審査員です。たいていは有名作家が名を連ねていることが多いのですが、その顔ぶれを見て応募を決める方も少なくないはずです。

つまり、この作家は好きで作品もよく読んでいるので、作風も合い理解してもらえるのではない
か、などという淡い期待を抱くからです。

しかしこういう方々にあえて申し上げますが、それは「もし読んでもらえたら」の話で

そこに至るまでには、まず下読みさんと呼ばれる方々によってなされる厳しい予選の審査を通過してからのことなのです。

そうなのです。小説新人賞の審査は最初から審査員である作家によってなされるのではなく、予選(一次審査、二次審査)は出版社に所属する下読みさんと呼ばれる人たちによってなされるのです。


メジャーな新人賞には実力ある下読みさんがそろっている

小説新人賞の応募者の中には、応募した作品はすべて審査員である作家によってなされるものと思っている方もいるかも知れません。もしそう思っているとすれば、それは大きな勘違いです。

もちろん審査員として名を連ねているのですから審査をしないわけではありません。しかし、その審査とは最終審査のことを意味します。

小説新人賞の審査は予選段階の一次審査二次審査を経て、受賞候補作として数編に絞られます。作家の審査が行われるのはこの候補作に対してだけなのです。

つまり作家の先生方が目にするのはこれら最終候補に残った数編の作品だけで、一次審査、二次審査には参加することはないのです。したがって、応募作品のほとんどは作家の先生方の目に触れることはないのです。

では第一次審査、第二次審査は誰が担当するかといえば、ここで登場するのが下読みさんと呼ばれる方々なのです。

下読みさんと聞けば、その名のごとく、なにか下仕事にあたるような響きがあり、大事な審査をまかせて良いのだろうか、と不審に思う向きもあるかも知れませんが、ズバリ心配にはおよびません。

なぜなら、少なくてもメジャーな小説新人賞(例えば。オール読物新人賞。小説現代新人賞、小説すばる新人賞)などの下読みさんは優秀な編集者などからなる、力のある人たちばかりで構成されているからです。


下読みさんに認められなければ予選は通らない

大手出版社の運営するメジャーな小説新人賞(オール読物新人賞、小説現代新人賞、小説すばる新人賞など)では、一次審査、二次審査という予選があり、それに通過した作品が受賞候補として最終審査に回ります。

この場合審査に当たるのは一次と二次は下読みさんと呼ばれる担当者、最終審査は審査員に任命された作家の先生方とされています。

これで分かるように、応募作品のすべてが第一次審査、第二次審査において、下読みさんと呼ばれる担当者によって行われます。したがって当然のこととして、この段階では作家の目にはまったく触れません。

ということは最終審査に残って作家の目に届くためには、下読みさんによる一次、二次審査を通過しなければ始まらないのです。つまり下読みさんに「よい作品だ」と認められなければ、予選段階で葬り去られてしまうのです。

どれだけの作品が落とされるかといえば全作品の90%です。つまり1000編の応募作品があるとすれば、そのうち900編が一次、二次の予選で消えてしまうのです。

その判断を下すのが下読みさんなのです。とすれば第一次、第二次予選でなんとしても下読みさんに認められなければ先はないのです。


下読みさんにはこんな人達がなっている

上で「下読みさんは実力者ぞろい」と書きましたが、はたして大事な初期審査である下読みという役目を果たしているのはいったいどんな人達なのでしょうか。

小説新人賞では、予選にあたる第一次審査、第二次審査が非常に大事なプロセスであることは言うまでもありません。

なにしろ1000編にも及ぶ大量の応募作品の中から受賞作品の対象になる最終候補作品を選ぶ作業を担当するのですから、熱意と根気、それに小説を読む確かな目を持っていなければ務まる役目ではありません。

見方によっては、看板になっている審査員の有名作家より大事な役目を果たしている、といっても過言ではないかも知れません。

こうした大切な役目を務める下読みさんは、主として編集者、出版評論家、所属ライターなどで構成されますが、更にスタッフ陣を充実させるために、まだ日の目を見ていない(売れていない)無名の作家なども動員されることがあります。

いずれにしても小説を読んだり、書いたりすることにおいてはベテランの実力者ばかりです。したがって「優秀な応募作品を見逃す」などということはまずありません。


小説新人賞応募では、まず予選突破を目指そう

いかがでしょうか。小説新人賞の審査と下読みさんについて少しはご理解いただけたでしょうか。

新人賞に応募される方々に申し上げたいのは、いきなり賞を狙うのではなく、まずは、第一次の予選突破を目指すことをおすすめします。

第一次予選突破とはいえ、10分の1の厳しい関門を通過することになるのです。これを通過した作品は、小説として下読みさんの厳しい審査に認められたことになるのですから、ある程度の自信を得ることができ、次のステップへのはずみがつくはずです。

登山と同じで、いきなり頂上を目指すのではなく、2合目、3合目と順次ステップを定めて進んで行くことがなの得策ではないでしょうか。