2021年2月25日木曜日

新規オープン居酒屋にクレームをつけた


 コロナ禍真っ只中の開店を意気に感じた 

JR駅前地下街に新しい立呑居酒屋がオープンした。コロナ禍の真っ只中での勇気あるオープンというのが気に入って、さっそく行ってみることにした

 

飲み物は瓶ビールがウリらしく、水槽には多くの銘柄がズラリ

その店は地下街の端の方にあった。

入ってまず目についたのはカウンター後部の冷却水槽に入った大量のビール大瓶。

その水槽はカウンター後部にくっついており、カウンターと同じ長さで端から端まですべて水槽になっている。

したがって客はどこからでも掴んで取ることができるので、いちいち声を上げて「瓶ビール」と、注文する必要がないので便利である。

 

オープン記念サービスの目玉は「ハイボール1円」のようだが

水槽の瓶ビールについては便利さの点では気に入ったが、値段は1本538円でごく普通で特に安くはない。

では飲みもものサービスが何かあるのかといえば、最近新規オープンの店の定番のようになっている「ハイボール1円」というのがあった。

でもこれって、どうせ低原価の安物アルコール類しか使われていないのだろうから、魅力的とは思えず注文は控えた。

では他にオープン特別サービスはないのか、と今度はアテのメニューを眺めてみたのだが。

 

「アテ」の値段が全部同じなのはおかしい

カウンター前の壁にはアテのメニュー短冊がスラリと張ってあった。

しかし一品づつ書かれたメニューは品物名だけで肝心の値段が書いていない。

まさかときどき寿司屋などで目にする「時価」ということでもあるまいし.

そう思ってさらによく見てみると、メニューの端のほうに、やや小さめの文字で「全品358円」と金額が書いてあった。

どうやらアテはすべて均一料金のようらしい。

それを見て、高くはないと思い、とりあえず「ずりの塩焼き」と「冷奴」を注文した。

 

358円の均一価格、ずりの塩焼きはリーズナブルでも、冷奴は? 

そのアテを食べながらふと思った。

ずりの塩焼きの量は少なめだったが358円ならまあこんなものか、しかし冷奴はどうだろう。量が少なすぎるのではなかろうか。これだと一丁の5~6分の1ぐらいしかなく、ボリュームがいかにも貧弱だ。

おそらく原価は20円程度に違いない。とすると358円だと15倍以上になる。

これだと開店記念サービスどころではなく、暴利を貪っていると言っていい値段ではないか。

こう思うと一気に気持ちが冷めてしまい、早く出ようという気になった。

勘定を頼むと1400円だという。注文したのはビール大瓶1本、それにずりの塩焼き、冷奴の3品だけだから決して安くはなく、新規オープンの店のメリットはまったく感じられない。 

新規オープンの店には「損して得取れ」の気概がほしい

新規オープンの店が最も心がけるべきはリピーターの獲得ではないだろうか。せっかくオープンしてもリピーターがなければ店が続かないからだ。

そのために何をすべきかといえば、来客に対する思い切ったサービスである。

魅力的なサービスの提供で客をファンにしてリピーターになってもらうのである。

それに最も効果的なのは料金面での思い切った割引サービスではないだろうか。いわゆる「損して得取れ」の精神である。

でもこの店からはそうしたものがあまり感じられない。それどころかスタート当初から利益優先で臨んでいるようにも見える。はっきり言ってこれでは今後の末永い存続は難しいのでは。 

勘定書の用紙の裏に不満に思ったことを書いて店員に渡した

新規オープンということで期待して来たのに、裏切られた思いだった。

この残念な気持を少しで店側に伝えた方が良いと思った。

それで勘定書の用紙の裏に「アテの値段が全部同じなのはダメ」と書いて、女店員に店主に渡すように、と伝えて店を出た。

クレームを伝えたことで少し気持ちが晴れた。ちなみに店の滞在時間は約30分。

 

2021年2月23日火曜日

この記事をもっと多くの人に読んでほしい《プレイバック記事特集4》


プレイバック記事シリーズ・その4

2020327日金曜日

文章はひねり出して書くもの


作家が締切りに苦しめられるのはなぜか

〆切本という本があります。左右社という出版社から出ている〆切にまつわる作家たちのエピソード

を集めたエッセイ集です。

これには多くの作家たちが〆切にまつわる話を書いていますが、そのほとんどは苦しめられた話です。

そうなのです。〆切とは作家にとって苦しめられるだけのもので、年から年中これと闘い続けているのです。

でもなぜ作家は〆切に追われ、苦しめられているのでしょうか。

その答えは簡単です。引き受けた原稿がなかなか書けないからです。

書くことのプロである作家でさえ、簡単に文章が書けることはないのです。 

大抵はいやいやながら、なんとかして作品になるような文章をひねり出そうと、いつも〆切に急かされ悪戦苦闘しながら書いているのです。


作家といえども文章がスラスラ出てくることはない

書くことのプロであるはずの作家がいつも締切りと闘い続けているのは執筆に気が乗らなかったり、アイデアが浮かばなかったりして原稿がなかなか書けないからです。

作家だからといっていつも文章がスラスラ出てくるわけでもないのです。それどころかいつも頭を絞って文章をひねり出していることのほうが多いのです。

出版社から仕事を引き受けたのはいいのですが、なかなか手がつけられずに気がつくといつも締切が迫っている、というのがお決まりのパターンと言っても過言ではないのです。


文章とは苦しみながら書くもの

ある朝、一人の物書きが出版社から頼まれたエッセイを書こうと机の前に座りました。でもすぐ執筆には入りません。タバコを吸ったり、お茶を飲んだりしながら、まずウォーミングアップのあれこれから始めます。

でもタバコは2本、3本と増え、お茶も2杯、3杯とお変わりしていきますが、肝心のペンの方はいつまでたっても握りません。

そうするうちに昼がやってきたのでランチにし、その後眠気が襲ってきたので昼寝をし、気がつくと2時近くになっているではないですか。

いかん、いかんと気を引き締めてやっとの思いでペンを取りました。そしてなんとか最初の1行を書きました。続いて2行目、3行目と進みたいものの、どうしても次の文章が出てきません。


気が向かなくても無理してでも書かなければいけない

作家は書くことの才能があるはずです。でもいつも書いているとネタ切れで書くことが無くなってしまいます。その結果、いつも何を書こうかと、題材探しばかりに時間を費やすようになります。

ああでもない、こうでもない、とあれこれ考えているうちに時間はドンドン経過します。そして何も書けないまま昼が過ぎ、やがて夕方になり、そして気がつけば外が暗くなりかけており、それでも何も書けないことに気がついて愕然とするのです。

ものを書くことが仕事の作家なのに、こんなことが珍しくないのです。

ものを書くことには常に困難さが伴うからです。でも無理をしても書かなければなりません。なぜなら〆切があるからです。


締切りがなければ物書きの仕事は成り立たない

物書きにとって〆切はイヤなものです。いつも苦しめられるばかりで、嬉しいことはなにもないからです。

では〆切がなければどうなのでしょうか。はたして仕事はかどるでしょうか。

答えはノーです。はかどるどころか、いつまでたっても手がつけられず、原稿は一向に進展することはありません。

それを食い止めるのが〆切なのです。締切があるからこそ、物書きはいやいや執筆を始め、苦しみながら無理をして文章をひねり出しているのです。


気がつけばそれなりにまとまった文章が書けている

〆切に迫られて苦しみながら無理をしてひねり出した文章でも、気がつけばなんとか終わりに達しているものです。

でも無理してひねり出したものなので出来が悪いのでは、と心配になります。

恐る恐る読み返してみると、心配には及ばず、なんとかまとまった形になっているではないですか。

そうなのです。文章は無理してひねり出しても、書く人が書けば、それなりの形におさまるものなのです。

 

2021年2月19日金曜日

《プレイバック記事特集・その3》高級ホテルの怪しい人たち 

《高級ホテルのロビーにたむろ怪しい人たち》シリーズ4回(7,486文字)

 

第1回(201221日水曜日

高級ホテルのロビーは怪しい人たちでいっぱい


20年間、日本と米国でホテルマンとして働き、そのうち3分の2ぐらいはフロントマンとして勤めていた。


そのせいもあり、ホテルに出入りする人種についてはよく観察してきたつもりだ。

出入りする人々には、宿泊客や、宴会やレストランなどを利用するいわゆる"お客さま"は当然であるが、

それ以外にロビーまわりの、自由に出入りできる共有スペースだけを利用する人々も多くいる。

本日のテーマは、そうしたロビーまわりの利用を目的としてホテルを訪れる人々についてである。

一概にホテルと言っても、その種別はいろいろである。

大まかに分けるとシティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテルということになる。

このうちロビーに比較的よく人が集まるのはシティホテルではないだろうか。

そのシティホテルにもいろいろとランクがある。

最近のわが国大都市には外資系の随分立派なホテルも多くあり、そうしたホテルは宿泊料も高くシティホテルの中でももっとも高級な部類に属する。

したがってそうしたホテルは、ロビーも立派で、いかにもハイソサイエティの人々の集まる場所のように見える。

だが、宿泊客は別にして、ロビーを利用する人々だけに限って言えば、決してそうとばかり言えないのである。

私が勤めていたところは当時関西ではナンバーワンの呼び声が高い高級ホテルで、宿泊客にも政界などのVIPも多く、

今のようにホテルの利用がカジュアルになっていなかった時代のせいか、一般庶民にはやや近づきがたいような印象を与える場所であった

そのハイクラスな雰囲気とステイタスの高い滞在客をうまく利用していたのが、今回のテーマに主人公たちである。

そうしたホテルで、日常的にロビーにたむろする怪しげな雰囲気を持つ人種というのは、だいたい次のようなカテゴリーに属する人々であった。


・詐欺師

一般的に詐欺師は舞台設定を大切にする。

もちろん相手によっていろいろと場所を変えるのだが、彼らが比較的好んで利用するのが高級ホテルのロビーである。

その理由として第一に挙げられるのが、ターゲットにした相手を浮き足立たせる目的のためである。

高級ホテルのロビーといえば、格が上がれば上がるほどその設備は豪華で、また時にはそこを行き来する有名人などの姿も目にすることもあり、来訪者を非日常的な、言わば豪華な気分へといざなう場所でもある。

したがってそうした雰囲気に慣れていない人であれば、気持ちが浮き上がり、何か落ち着かない気持ちにさせられることもある。

別の表現を使えば、浮き足立つという状態になるのである。

詐欺師はあえて相手をそういう状態に持っていき、優位な立場で仕事?をすすめていくのである。

相手が浮き足立っている隙を見て見事に騙してしまうのだ。


・高級コールガール

ホテルは一流になればなるほど、宿泊客には外国人が多くなる。

特に外資系ホテルとなると、宿泊客の半分ぐらいは外国人と言っても過言ではない。

そうした外国人客を狙うのが英語のできるハイクラスなコールガールである。

コールガールといえども中には大卒さえいて知的なうえに、外国人相手にふさわしく大柄でビジュアルにしても、モデル並に垢抜けしている者さえいる。

そうした彼女たちが相手にするのは欧米系の金持ち外国人ばかりで、原則として日本人はターゲットにしない。


・客引き(高級ぽん引き)

バリッとしたスーツを着込んで身なりはいい。

何気ない顔でロビーへ座っていて、近くにこれはと思う外国人がやってくるとさりげなく話しかける。

最初は一般的な話題から入るが、そのうち次第に夜のはなしになり、そして盛り場の話題に移り、ついには最終目的である女性の紹介話に発展するのである。

まあこれもあくどくなく、リーズナブルなプライスなら、国際親善にもなってさほど問題は無いのだが、これがぼったくりとなると、まさに国の信用問題にかかわってくる。

コールガールと同様、外国人客の多い高級ホテルにはつき物の人種である。


・芸能人かぶれ

一流ホテルには芸能人もよく出入りする。私のいたホテルは親会社がテレビ局であり、それもすぐ隣にその建物があった。

その関係でテレビ出演の芸能人客はほかのホテルに比べて抜群に多かった。そうしたこともあって、芸能人目当ての女性客も多かった。

特に若い人気歌手とでもあれば、いわゆる追っかけと呼ばれる連中も多くいて、そうした連中は高級ホテルロビーの客としてはなじまず、迷惑な対象であった。


・外国人かぶれ

外国人と見れば珍しがって近づこうとする連中は少なくない。

そういう人種は片言ながら英語をしゃべるのが好きで、むやみにロビーの外国人に近づいて声をかけ、迷惑がられている。


・置き引き

高級ホテルには隙をみて人の持ち物を持ち去る置き引きと呼ばれる盗人がいる。リラックスしても持ち物は手から離さないように。


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第2回(2017810日木曜日

高級ホテルのロビ-にたむろする怪しい人たち (その2)

詐欺師は舞台を選ぶ

20122月のこのブログに「高級ホテルのロビーは怪しい人たちでいっぱい」 http://tuneoo.blogspot.jp/2012/02/blog-post_01.html

という記事を書きました。

この記事は大好評で5年以上たった今でも、アクセスランキングのトップ10を維持しています。

 

それほど好評なら、そのシリーズを書いてみたら、と思って執筆したのがこの記事です。

 

シリーズですから、今回以外にも(その3)(その4)と続きます。

 

 

パイロットは女性のあこがれの的だが

 

東京をはじめ、大都市の高級ホテルのロビーにいると、よく航空会社のパイロットやCA(キャビンアテンダント)など、エアラインクルーの一団を目にすることがあります。

 

そうしたクルーはそのホテルを常宿にしているのです。

 

働く人の制服姿は往々にしてカッコよく見えるものですが、中でもパイロットは格別で、若い女性はため息をついてうっとた見とれてしまうほどで、まさに垂涎の的と言ってもよいのではないでしょうか。

 

そんなパイロットが、休息のひと時をホテルのロビーでくつろぐ姿を目にしたときなどは、「なんという幸運だろうか!」と感激しながら、思わずうっとりと見とれてしまいます。

 

ところがです。万が一、こうしたパイロットが本物でなかったらどうでしょう。

 

本物でないということはニセモノを意味します。

 

つまり、ロビーでくつろいでいる制服姿のパイロットはニセモノかもしれないのです。

 

突然ここでこんなことを言いだすのは、大都市の高級ホテルのロビーはパイロットに限らずニセモノがよく集まる場所だからです。

 

そうしたニセモノは別名詐欺師とも言います。

 

 

ホテルを舞台にして活動する詐欺師たち

 

そうなのです。高級ホテルのロビーは詐欺師にとって格好の活動の場所なのです。

 

この場所で騙す相手を探したり、見つけた相手とニセの商談を行っているのです。

 

したがって、ニセパイロットに限らず、ニセ宝石商、ニセ不動産業者、ニセ芸能プロダクションマネージャーなどがわんさと集まってくるのです。

 

ロビーでくつろぐパイロットもこうしたニセモノの中の一人にに過ぎないのです。

 

では、このニセのパイロットは一人でロビーに座って誰かを待っているのでしょうか。

 

いうまでもなくその通りで、約束の女性が現れるのを待っているのです。

 

例えば、その女性は結婚を前提に付き合っている人の場合もあります。

 

そして、その女性はこの日、彼が海外で付き合っている別の女性と別れるための手切れ金に充てる200万円を持ってきてくれることになっているのです。

 

でも手切れ金とは真っ赤の嘘で、結婚願望が強いこの女性の弱みにつけ込んで200万円をだまし取ろうとしているのです。

 

そうなのです。この男は高級ホテルを舞台にして女性を騙す結婚詐欺師なのです。

 

女性があこがれる職業をいいことに、ニセパイロットに化けているのです。

 

エアラインクルーが宿泊先としてよく利用する高級ホテルは、パイロットの制服姿が周りに良く溶け込んで、あまり目立ちませんから、場所としては都合がいいのです。

 

パイロットだけでははありません。

 

ロビーでは有名芸能人、名の売れたプロスポーツ選手なども目にすることも珍しくなく、若い女性にとっては非日常体験の連続で、それ故に冷静さを失って浮足立った気持ちになります。

 

それが正常な判断力を奪うため、詐欺師にとっては好都合なのです。

 

パイロットにあこがれる結婚前の女性の皆さん、高級ホテルのロビーで一人でくつろいでいるパイロット姿の男性を見たら

 

「ひょっとして、この人結婚詐欺師ではないのか?」と一度疑ってみることも、決して無駄なことではありませんよ。

 

結婚詐欺師に限りません。宝石商、不動産取引業者などが、高級ホテルのロビーを商談の場として指定したときは、「ひょっとして騙そうとしているのでは?」と、一度疑ってみることが賢明です。

 

今も昔も、高級ホテルのロビーは詐欺師が活躍する舞台として格好の場所と言われているのですから。



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第3回(2017922日金曜日

高級ホテルのロビ-にたむろする怪しい人たち(その3)・魅力的なコールガール


ハイクラスのコールガールは外国人セレブのお相手をする

 

ホテルに関する記事については、これまで私的なブログだけでなく、商業ベースのウェブサイトにも多くの記事を書いてきました。

 

そうした記事は海外も含む24年間にわたるホテルの職務経験があればこそです。

今回のシリーズは高級ホテルのロビーに特化したものですが、これもこれまでの職務経験が多いに役立っています。

といいますのは、24年間の勤務のうち、大半はフロントオフィスの仕事に従事していたからです。

こういうと、なるほど!と、お気づきになった方がいるかもしれませんが、フロントオフィスはロビーとは切っても切れない関係にあるのです。

なぜなら、一般的にホテルのフロントオフィスはロビーの一画、つまりロビーの端あたりにあることが多く、言い換えればロビーの延長線上にあると言ってもいいのです。

それ故にフロントオフィスからはロビーの全体が見渡せますから、この場所を利用する人々の様子がよくわかるのです。

ましてや、フロントオフィスの勤務は24時間のシフト制になっていますから、昼間だけでなく夜間の様子もうかがうことができるのです。

ホテルの職種は多種多様ですが、ロビーに集まる人々を観察できるという点では、フロントオフィスより勝る部署は他にありません。

私は24年間のホテマンとして仕事をしてきましたが、日本だけでなくアメリカのホテルにも勤務しました。日本は大阪市、アメリカはニューヨーク市です。

こうした海外を含めた経験があるだけに、ホテルに関する記事は日本だけでなく、アメリカのことも書いています。

そうした記事の一つに

「ニューヨークのホテル、日本人事件簿(その2)」

というタイトルでブログに載せたものがあります。

これは勤務していたニューヨークのホテルで、日本人が関わったちょっとして事件にまつわる記事です。

 

さて、前置きが随分長くなってしまいましたが、今回の記事は日本の高級ホテルのロビーを訪れる人の中から、見るからに一般の人とは違う怪しい雰囲気を持った人たちにスポットを当てて書いたものです。

 

記事は3回シリーズで、そのうちの1回目は「高級ホテルのロビーをたむろする怪しい人たち・詐欺師は舞台を選ぶ」として  すでに掲載済です。

 

今回の(その2)は、外国人客が多い高級ホテルによくハイクラスな集まるコールガールに関してつづったものです。

前述の「ニューヨークのほてる、日本人事件簿」にもコールガールは登場しますが、こちらの方は決してハイクラスとは言えず、それどころか客に睡眠剤入りのお酒を飲ませて眠らせ、その間に金品を盗んでドロンするという極めて悪質なものです。

 

これに比べて今回登場する日本のコールガールは、決して悪質ではなく、外見からは「こんな人がコールガールをしているとは」と思わせるほど、知的な美人が珍しくないのです。

 

 

こうしたハイクラスなコールガールの客になる相手はセレブな白人外国人が主で、いくらお金持ちだとはいえ、日本人はターゲットに入っていないようです。

 

理由はなぜだかよくわかりませんが、職業上の一つのポリシーかもしれません。

 

彼女らが高級である証拠に、ロビーなど人目の付くところでは客引きをしたりしないことです。

 

ホテルにやってくるときは一人でも、前から約束ができていたのか、その日の夕刻にはセレブらしき外国人とカップルになって行動していることが多いようです。

 

彼女らの多くはホテルのフロントマンとは数年来の顔なじみで、初めて見かける人は滅多にいません。

 

外国人セレブを相手にするだけ会って英会話が堪能で、中にはフロントマンも及ばないほど達者な人もいます。

 

その上背が高く容姿端麗で、ビジュアル的にはファッションモデル並みの人も珍しくないほどです。

 

それに加えて知的ときていますから、前述したように、初めて見た人は「何ゆえ、この人がコールガールを?」と疑問に思うわけです。

 

その当時の職場の先輩の話では、彼女たちの多くは、コールガールが専業ではなく、普段は貿易会社などOLとして働いているそうです。

 

わたしは縁あってそうした人たちの一人と仲良くなって、時々コミュニケーションを交わしましたが、

 

その人は普段は石油関係の貿易会社の契約社員として働いており、週末や休暇の時だけ、英語の勉強を兼ねて、気に入った外国人のお相手をするのだ、と言っていました。

 

相手にする人は、本国ではエグゼクティブ(重役)が多く、1回2~3日のお付き合いに2000ドル~3000ドルのお手当てをくれるそうです。

 

この待遇を見ても、まさに高級コールガールそのものではありませんか。ちなみに彼女は90,60,90という素晴らしいプロポーションの持ち主です。

 

今回のテーマは「高級ホテルにたむろする怪しい人たち」になっていますが、前回の詐欺師と違って、こと彼女たちに限っては、決して怪しいとばかりは言えず

 

見方によっては高級ホテルによくマッチしており、「ニーズがあるので、居るべきして居る」、と言ってもいい人種なのかもしれません。



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第4回(20171127日月曜日

高級ホテルのロビ-にたむろする怪しい人たち(その4) ・ ホテルのスタッフを見事に騙すスキッパーとは? 

 

 スキッパーとは高級ホテル専門の無銭宿泊者のこと


どんな業界にも一般の人には理解できない業界用語があります。ホテル業界にもそうしたものがあって、特に高級なホテルになるほどその数が多いようです。

 

 

なぜなら都市の高級ホテルは、もともと欧米で生まれて発達してきたものが後に日本に入ってきたものだからです。

 

したがって建物の仕様から、サービスのシステムまで欧米を真似たもので、それらに伴って専門用語も伴って入ってきたのです。

ホテル用語に圧倒的に横文字が多いのもそのためです。

 

専門用語のほとんどが英語のまま使われています。例えば次のような言葉がありますが、ご存知のものはありましたか?

 

・ノーショウ(no show)⇒予約客が連絡なしで来ないこと

・ウォークイン(walk in)⇒予約のない飛び込み客

・デイユース(day use)⇒宿泊を伴わない日中だけの利用

・ペイドインアドバンス(paid in advance)⇒料金前払い

・スキッパー(skipper)⇒説明は本文に

 

想像するところ、これらの用語でお分かりになるとすれば、文字通りの意味のデイユースぐらいではないでしょうか。

 

いうまでもなく、これらの用語はすべて英語がそのまま入ってきた専門用語です。

 

さて本題にはいりますが、5つ用語のうち上の4つはさておき、最後のひとつであるスキッパーが今回の記事のテーマです。

 

スキッパーとは、ホテルを舞台にする詐欺師のことです。

 

とはいえホテルの客を騙すのではなく、ホテルで働いているスタッフをだますのです。

 

このブログの過去の記事に「みごとに騙された京都のホテル」という記事がありますが、これを読んでいただければスキッパーがどのようなものか、その全貌がわかります。

 

 

高級ホテルこそスキッパーの絶好の活躍場所

 

スキッパーを簡単に言えば、ホテルの無銭宿泊・飲食サギのことです。つまり何日間もホテルに逗留し、その間の宿泊費や飲食費をまったく支払わらわずに姿を消してしまう人のことです。

 

街の食堂などの無銭飲食に比べて、金額のスケールが大きいのがスキッパーの特徴です。

 

それをよく表しているのが前回の記事にある京都のホテルですが、その被害額は実に100万円にも達しているのです。

 

これだけ大きい金額を騙されるのも、スキッパーの詐欺師としての腕が良いからに違いありません。

 

彼らはホテル滞在中はスタッフに対しては徹底して紳士的かつフレンドリーに接します。

 

例えば外出から戻った時はフロントや客室のスタッフにおみやげとしてお菓子屋キャンディなどを買ってくることをわすれません。

 

それにとても話し好きで、あれこれと話題を見つけては気さくにスタッフにはなしかけます。

 

それゆえにスタッフとしては親しみを感じ、つい気を許してしまうのです。

 

しかし、それがスキッパーの思うつぼなので、後でうまく利用されるのです。

 

 

ホテルの支払いは後払いが原則

 

話変わりますが、ホテルの料金の支払いは、一般的には予約客に対しては後払いが原則で、チャックアウト時にまとめて支払うことになります。

 

とはいえ滞在が長く、通常より支払額が嵩んでいる客に対してはこの限りではなく、途中で支払いを求めることもあります。

 

ということは、滞在期間の長いスキッパー氏も料金が嵩んで中途請求の対象になることもあります。

 

なにしろ高級ホテルのことですから、たとえ1週間の滞在でも部屋代だけで10万円近くなり、それに飲食費などを加えると15万円~20万円程度になることは珍しくありません。

 

こうなるとチェックアウトのまでの中間時点で中途請求の対象になるのです。

 

でも普段からフロントスタッフとコミニュケーションを良好に保っているスキッパー氏ともなれば、強く請求できるとは限らず

 

「チェックアウトの時クレジットカードで一括払いにしてください」などと言われると、「了解しました」と二つ返事で請求を即座に引き下げてしまうのです。

 

 

かくしてスキッパー氏の勘定はその後も増え続け、スタッフが気がついたときは、スキッパー氏は姿を消してしまっているのです。

 

これで分かるように、ホテルを狙うスキッパーは、スタッフより一枚も二枚も上手なのです。