2019年1月28日月曜日

いくつ知ってる? プロ野球チーム 女性ファンの愛称



このところプロ野球人気はぐんぐん上昇気味で、各球団とも入場者数をどんどん増やしています。
 
その一つの原因として女性ファンの急増が挙げられます。それをよく表しているのが各チームについた女性ファンの愛称です。



知ってました? TORACO、ハマっ娘、G-jo、オリ姫、鷹ガール、カープ女子

イチローのCMではありませんが、知ってました?上の6つの名前。
 
最後のカープ女子を見て、ようやくプロ野球女性ファンの愛称だと気づいた人が多いのではないでしょうか。
 
どう考えても他の5つを知っている人が多いとが思われません。特にG-joやオリ姫などは、何のこと?と首をかしげる人が多いのではないでしょうか。



勝手に評価してランク付けしてみると


1位 カープ女子 (広島カープ) ⇒ 90点

このネーミングの良さは見ても聞いてもスッキリ耳に入ってくる点です。シンプル is ベスト を地で行ったような見事な名前です。



2位 ハマっ娘 (横浜ベイスターズ) ⇒ 75点

元気の良い女子ファンが連想され、威勢の良さを感じます。


3位 オリ姫 (オリックスバッファローズ) ⇒ 65点

るで星座の名前のような美しさがありますが、野球ファンに必要な元気さが感じられません。


4位 G‐jo (読売ジャイアンツ) ⇒ 55点

アルファベットでうまくまとめておりスマートさは感じますが、女性ファンのイメージが弱いのでは。


5位 TORACO (阪神タイガース) ⇒ 40点

アルファベットでまとめたのはいいのですが、説明がなければ何のことかよくわかりません。


6位 鷹ガール (ソフトバンクホークス) ⇒ 30点

日本一のチームにしてはアイデア、センスとも工夫不足なのでは。




この他のチームには名前はついていないのか?

上に上げたのはセパ合わせて6チームのものです。ではのこの6チーム以外はどうなっているのでしょうか。
 
もちろん、これらのチームにも愛称がついていないわけではありません。でもいずれも上6チームを凌ぐほどの良いネーミングは見当たりません。
 
知ることによってファンが失望してはいけませんので、ここでご紹介するのは控えておくことにしました。悪しからず。

2019年1月25日金曜日

最近よく目にする無神経で能天気な日本礼賛本が気味悪い


昨今のテレビでは外国人が日本を褒め称える番組が数多く放送され,本屋では日本礼賛本がベストセラーになっています。

 

それだけではなく、ネットには「中国人がやたらに日本の美点を紹介する情報があふれており、どこを向いても日本礼賛ブームといえる状況なのです

 

しかし、ここでは立ち止まって冷静に現在の日本の実力と立ち位置を再点検してみることにしましょう。

 

まず手始めに最近出回っている日本礼賛本を点検してみることにします。  




こんなにある!日本礼賛の売れすじ書籍
  

・住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち

(講談社+a新書 2013年)
 
 
 
 



 
 
 
 
・住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち

(講談社+a新書 2014年)



 
 
 
 
 
 
 
 
・日本に住む英国人がイギリスに戻らない本当の理由

(ベストセラーズ 2017年)



 
 
 
 
 
 
 
 
・イギリスから見れば日本は桃源郷にいちばん近い国

(主婦の友社 2014年)



 
 
 
 
 
・イギリスに住んで確信、日本はイギリスより50年進んでいる

(主婦の友インフォス情報社 2014年)












・日本人になりたいヨーロッパ人

(宝島社 2014年)












・外国人が知っている美しい日本、スイス人の私が愛する人と街と自然

(大和書房 2014年)












・日本嫌いのアメリカ人がたった7日間で日本を大好きになった理由

(実務教育出版 2015年)









・外国人が愛する美しすぎる日本

(大和書房 2015年)








・イギリス、日本、フランス、アメリカ、全部住んでみた私の結論、日本が一番暮らしやすい国でした

(泰文堂 2014年)












1990年代に売れた本は今とまったく逆の日本を卑下する自虐本


一方、今から20年ほど前の1990年代によく売れた本は今とは真逆の日本を卑下する自虐本です。

いったいどのような本があったのか、ここに本のタイトルを並べてみることにしますが、現在との好対照が実に鮮やかです



・ひ弱な男とフワフワした女の国日本

・大人の国イギリス、子どもの国日本

・とんでもない母親と情けない男の国日本

・ふにゃふにゃになった日本人、しつけを忘れた父親と甘やかすだけの母親

・なぜ日本人は成熟できないのか

・お人好しの日本人、したたかなドイツ人

・歯がゆい国・日本 なぜ私たちが冷笑され、ドイツが信頼されるのか

・もどかしい親と歯がゆい若者の国・日本

・甘やかされすぎる子供たち、日本人とドイツ人の生き方



(出典)「だから数字に騙される」 日経BP




2019年1月22日火曜日

ネットの漢字テストをやってみると


テレビのクイズ番組では漢字テストに興味がわくが

テレビのクイズ番組が人気になっていますが、中でも興味を引くのは漢字テストです。

テストには読む問題と書く問題がありますが、どちらかといえば読む方が多いようです。

いつも興味津々で見ているのですが、難問も多く、わからない文字も少なくありません。

これが刺激になって、もっと漢字を勉強しなければ、と思い。ネットの漢字テストで訓練することにしました。

 

漢検2級「読み」の問題でいきなり難問が出現

 
問題に挑戦するに際し、どのレベルから始めようかと迷いましたが、低いレベルからのスタートにはなんとなく抵抗を感じ、とりあえず2級から始めることにしました。

問題に着手してみると、最初の問題で、「なんだ、こんなに易しいのか」と、やや気抜けする感じでしたが、2番目にいきなり見たことのない難しい文字が出現したのです。

何か他の9問とは異なるレベルのように思えました。

これまで見たことがない文字であることは確かです。いったい何と読むのでしょうか。

結局最初の10問では、わからなかったのはこの1問だけでしたが、続いてやってみた(その2)の問題にも、(その1)と同じように難問が一つあり、結局20問で二つが回答できませんでした。

問題は(その50)まで続きますのであと48回も残っています。いったいどのような成績になるのでしょうか。



読み方がわからなかった漢字はこの二つ

2題20問やって、回答できなたのは,彙報と国璽の2問です。
 
彙報の彙、国璽の璽、いずれもこれまで目にしたことのない文字です。いったい何と読み、どういう意味なのでしょうか。


・彙報(いほう)
 
意味⇒種々の事柄集め分類した報告雑報。 「巻末の-



・国璽(こくじ)
 
意味⇒国家の表徴として押す璽(印章または印影)。 外交文書など、国家の重要文書に押される。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
     

以下が今回の問題の内容です。

     

(問題・その1)

1.自然豊かで酪農が盛んだ。

問2、彙報を発行する。

問3.刹那主義の若輩。

問4.今回の台風は甚大な被害をほたらした。

問5.汚職事件には強い憤りを感じる。

問6.息子を溺愛する

問7、盗難が頻発している。

問8.決定するには時期尚早だ。

問9.否定派が肯定派を上回る。

問10.登山時は雪渓に注意が必要だ。      



(問題・その2)


問1織田家の嫡子である信長に嫁ぐ。

問2臆面もなく話す。

問3作物が霜害の被害を受ける。

問4対戦相手を一蹴する。

問5有害物質による土壌の汚染が深刻化している。

問6障害物を避けるために旋回する。

問7醜悪な争いが後を絶たない。

問8彼の本性が露呈された。

問9特徴が顕著に現れる。

問10外交文書に国璽が押される。


(出典) 辞典オンライン漢字検定Web問題集
             日本漢字能力検定協会

















 
























































































2019年1月19日土曜日

何かにつけて出てくる2人のおじさんの画像がわずらわしい



もうたくさん! ウンザリ している人は多いはず

最近とみに話題になるのは開催が近くなった東京オリンピックと迫りくる平成の終わりです。
 
この二つの話題とともに必ずと言っていいほど登場するふたりの人物がいます。

その二人とはIOCのロゲ会長と、故小渕元首相です。このお二人、このところ何かといえばメディアのニュースやネットサイトに映像が出てきます。
 
あまりにも頻度が多いので、最近ではうんざりしてうっとうしく感じている人も多いようです。


東京オリンピックが決まって以来、いったい何度この画像を見ただろうか

東京オリンピックが決まったのは201398日のことでしたが、決定の瞬間を伝えたのがロゲ会長です。
 
Tokyoと書いた四角いカードを胸に掲げ,トーキョーと発表した声は今も多くの人に耳に残っているはずです。
 
あれからすでに5年が過ぎ、オリンピックは1年後に迫ってきましたが、これまでいったい何度このロゲ会長の画像を見たことでしょうか。5回や10回ではありません。おそらく数十回以上に及ぶはずです。
 
今後もオリンピック開催までにまだまだ登場するでしょうから、あと二~三十回上乗せされ100回の大台を超えるかもしれません。

 ここへきて小渕元総理が「平成おじさん」と呼ばれ大活躍


小渕元総理は歴代の首相の中でも、どちらかといえばあまり目立たない地味な方でした。
 
生前は目立たなかったその方が、このところがぜん目立ってきています。それは平成が終わりに近づいてから起きた現象です。
 
このところ世間ではなにかにつけて「平成最後の」という言葉が使われています。
 
人々が去りゆく平静を惜しんであえて使おうとしている気持ちはわからなくはありませんが、あまりにもよく使われているので、最近ではいささか食傷気味になっています。
 
と同時にこの言葉とセットにようになって登場する小渕元総理の画像が次第にうっとうしく感じ始めた人は少なくないはずです。

 

小渕恵三おぶちけいぞう

[]1937.6.25. 群馬,中之条町
[
]2000.5.14. 東京

政治家。衆議院議員小渕光平の次男として生れる。早稲田大学大学院在学中の 1963年に衆議院議員に初当選。 79年大平内閣で総理府総務長官・沖縄開発庁長官として入閣
 
84年自民党副幹事長。 87竹下内閣の官房長官に起用され「平成」の元号を発表。 91年自民党幹事長。 97年橋本内閣の外相をつとめた。 98年,第 18回参議院通常選挙が行われ,橋本内閣の経済失政が問われた結果,自民党の惨敗に終り,橋本龍太郎首相が辞任。
 
梶山静六小泉純一郎とともに自民党の総裁選立候補,選出されて第 8354人目の首相に就任した。 20004月,首相公邸で体調不調を訴え緊急入院し,みずから決定した沖縄サミットの開催をみることなく脳梗塞で死去した。




2019年1月14日月曜日

西野カナ「トリセツ」の歌詞が気に入った



西野カナ トリセツの歌詞

作詞:西野カナ



この度はこんな私を選んでくれてあありがとう。

ご使用前にこの取り扱い証明書をよく読んで

ずっと正しく優しく扱ってね。

一点ものにつき返品交換は受け付けません。

ご了承ください。



急に不機嫌になるこいとがあります。

理由を聞いても

答えないくせに放っとくと怒ります。

いつもごめんね。

でもそんな時には懲りずに

とことん付き合ってあげましょう。



定期的に褒めると長持ちします。

爪がキレイとか

小さな変化にも気づいてあげましょう。

ちゃんと見ていて。

でも太ったとか

余計なことは気付かなくていいからね。



もしも少し古くなってきて

目移りする時は

ふたりが初めて出逢った

あの日を思い出してね。



これからもどうぞよろしくね。

こんな私だけど笑って許してね。

ずっと大切にしてね。

永久保証の私だから。

以下略



トリセツの歌詞の何が良いのか

年甲斐もなく若い女性歌手の歌が気に入ったからと言って、どうか笑わないでください。
 
この歌、メロディーもさることながら特に気に入ったのは歌詞の方です。

上の歌詞が、ご存じ、去年の紅白にも出場した西野カナの歌「トリセツ」のものです。
 
多くのヒット曲がある彼女があえて3年前に出したこの曲を選んだのはなぜなのでしょう。たぶん彼女はこの曲の歌詞がとてもか気に入っていたからではないでしょうか。
 
もちろんこの歌詞も他の多くの作品同様、彼女自身が作ったものです。
 
この歌詞、歌で聴いてもそうですが、こうして改めて文字として書かれたものを眺めて見ると実によくできていて、タイトルのトリセツ(取扱説明書)に照らしても、すごく的を得た表現が多いと思いませんか?
 
女の子である「わたし」の取り扱い上の注意点を細々と書いたものですが、モノでなくヒト(それも若い女の子)の取り扱いだけに、デリケートな部分まで注意が欠かせない点がうまく表現されています。



トリセツはセンスあるスマートなカタカナ略語

それにしても取扱説明書のことをトリセツとはうまくいったものですね。

恥ずかしながら、私がトリセツが取扱説明書の略語であることを知ったのはごく最近のことです。
 
いうまでもなく上に挙げた西野カナのトリセツという曲を聞いたのがきっかけです。
 
つまり、曲のタイトルのトリセツって、どういう意味?と考えてからです。
 
トリセツをネットで調べてみると次のように載っていました。


トリセツの由来

トリセツ』は、テレビ朝日で放送されていた情報番組。番組名の由来は取扱説明書
1期は200243から2003326まで、毎週水曜 24:51 - 25:21 に放送。第2期は200441から2005331まで、毎週木曜 24:51 - 25:21 に放送。第1期はBS朝日でも遅れネットで放送されていた。
案内役は第1期では筧利夫が、第2期では松任谷正隆が務めていた。ナレーターは第1期、第2期ともに近藤サトが務めていたが、第2期の前半のナレーションは荻野目慶子が担当していた時期がある。メインスポンサーはNTT DoCoMoで、番組中にドコモのインフォマーシャルが流れていた。
本番組は第31回国際エミー賞の最終選考に選出されるも[1]、グランプリ受賞はならなかった。テレビ朝日製作の番組としては初の国際エミー賞ノミネート作品となった。

ウィキペディアより


あらゆる人に対してトリセツが必要 ?

トリセツは取扱説明書のことです。一般的には取扱説明書は商品につけられていて、使い方や商品仕様などを説明するものです。それが西田カナのトリセツでは人に対して使われているのです。
 
つまり「私の取り扱い説明書」になっているのです。でもこの歌がトリセツではなく「トリアツカイセツメイショ」であったらどうでしょうか。
 
たとえ同じ歌詞を使ったとしてもヒットすることはなかったのではないでしょうか。
 
ヒットしたのはトリセツというネーミングと歌詞がぴったりマッチしたからに違いありません。
 

これはトリセツはものに対してだけでなく、人にもよく合うからかもしれません。
 
とすれば西野カナのわたしだけでなく、人ひとりひとり誰もが対象になれるかもしれません。
 
例えば、僕のトリセツ、あなたのトリセツ、彼のトリセツ、彼女のトリセツ、というふうに。

2019年1月9日水曜日

チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねえよ」と言われてはいけない!



2018年に流行った言葉としては流行語大賞の「そだね」とか、サッカーの大迫選手に対する「大迫半端ねえ」などがあげられますが、個人的にはこれらよりもっと気に入った言葉があります。
それはNHKで放送されている番組「チコちゃんに叱られる」で、チコちゃんが真っ赤な顔をして叫ぶ「ボーっと生きてんじゃねえよ」です。


チコちゃん

チコちゃんとはNHKのバラエティ番組「チコちゃんに叱られる」に登場する着ぐるみの女児キャラクターです。
 
年齢は5歳ということになっていますが歳の割にはませた仕草と、出演者に切れたときの
「ボーっと生きてんじゃねえよ」という、子供とは思えないような凄みの効いたパンチのあるセリフは視聴者を圧倒してしまいます。

でも、よく考えてみれと、昨今は振り込め詐欺をはじめとした特殊詐欺に騙されてお金を取られる人が多いだけに、この「ボーっと生きてんじゃねいよ」は余計に人々の共感を呼んでいるのではないでしょうか。


チコちゃんならずとも
「ボーっと生きてんじゃねえよ」

と言ってやりたくなる人は多い


 
 

世の中には注意力を欠いてボーっとしていたがゆえに、大きな失敗に見舞われる人は少なくありません。
 
上述のように振り込め詐欺に騙されて大金を失う人などはその最たる例ではないでしょうか。
 
もちろん気の毒な気持ちはじゅうぶんあります。とは言え注意力を欠いて、少なからボーっとしていたことに大半の原因はあります。
 
そうした人たちに対してこそ、チコちゃんの「ボーっと生きてんじゃねえよ」は反省を促すための格好な言葉になるのではないでしょうか。


ボーっと生きているとこんな悪いことが起こる

チコちゃんに叱られるまでもなく、ボーっとして生きていると碌なことはありません。まさに良いことなど一つもなく、弊害だらけと言っていいでしょう。
 
ボーっと生きていて起こるデメリットはたくさんありますが、ざっと上げてみるだけでも、次のようなことがあります。

・うっかりミスをする

人は思いがけないときに失敗をします。でも、後で振り返ってみるとたいていは自分に原因があります。
 
つまり注意力が足りなかったのです。ボーっとしていたところまではいかなくても、緊張感が緩んでいたのです。これはケアレスミスとも呼ばれます。

・人に騙される

世の中には隙あらばと、鵜の目鷹の目で騙す相手を探し回っている悪い連中がゴマンといます。
 
カモになるのはたいていはお人よしの、世の中は良い人ばかり、などと思っている能天気な人たちです。
 
騙されないためにはいつも油断のないように身構えていることが大切です。

・世の中についていけなくなる

情報化が進んだ今の世の中はめまぐるしいほどのスピードで進んでいます。これに遅れないようについていくためにはボーっとしている暇はありません。

・ボケる

普通に生きていても人は歳とともに物忘れが多くなります。ましてやボーっとしていて世の中についていく努力を怠っていると、物忘れが高じてやがてボケてきます。そうなると人生の終わりです。


ボーっとしてたるんでいるとチコちゃんの姿が浮かんでくる

上に上げたのはほんの一例でしかありません。この他にも弊害は山ほどあります。
 
チコちゃんに叱られないまでも、ボーっと生きていることは、人としての堕落に繋がるだけです。
 
私自身もボーっとしている時がありますが、そんな時はチコちゃんを思い出すと、気持ちがしゃんとして気合が入ります。
 
チコちゃん、引き続きたるんだ世の中の人たちに「ぼーっとして生きてんじゃねえよ」と活を入れ続けてください。







2019年1月5日土曜日

お正月も関係ない!原稿の締め切りでホテルに缶詰めになる作家たち



楽しいはずのホテル滞在もこの人たちには苦痛あるのみ

大方の人にとってホテル滞在は楽しい体験です。なぜならホテルは旅行や週末の息抜きなどレジャーとして利用するところだからです。

自宅とは違う華やかな客室、食べたことのないような珍しい料理がふんだんにある素敵なレストランなどすべて非日常の体験ができます。

でもこうした楽しはずのホテルが、ある方々にとっては楽しいどころか、ただ苦痛を感じるだけの場所だというのです。いったいどういった方々なのでしょうか。

ズバリ、それは物書きとも呼ばれる作家の人たちです。この方々のホテル利用は楽しむためではなく仕事をするための場所になるのです。つまりホテルが作品執筆の場所になるのです。



締め切りを守れない作家たち

作家の仕事はものを書くことです。ものを書くのも趣味でやるならいざ知らず、仕事でとなればいろいろな制約が伴います。その最たるものが締め切りです。これが作家を苦しませるのです。

ものを書くことは一種の芸術です。芸術を創出するのは簡単なことではありません。つまり頭を絞らなければできないことなのです。

ホテルの客室にこもって一心不乱に知恵を絞って原稿執筆に向かうのです。これでは楽しいことなどあるはずがなく、果てしない苦闘が始まるのです。

創作は頭を絞らなければできません。この頭を絞るということが苦痛が伴います。作家はこの苦痛とずっと付き合っていかなければならないのです。

でも作家といえども人間です。できことなら苦痛から逃げたくなります。つまり作品の締め切りから逃げたくなるのです。

その結果締め切りが守れなくなります。それを防ぐために逃げ出すことのできないホテルへ籠っての執筆となるわけです。



締め切り前にホテルに缶詰めになる作家

でもなぜ締め切り前の作家が缶詰になる場所がホテルなのでしょうか。なぜ仕事場を自宅から高い利用料を払ってまでホテルへ変えなければならないのでしょうか。

理由は次の二つです。まず一つ目は自宅だと家族がいるためいろいろな雑念が入りやすくなります。

つまり家族や訪問客など、人とのいろいろな交渉事が出てきてそれに煩わされます。でもホテルだとそれから解放されます。

二番目はものを書くのに適した場所を得るためです。ものを書くには静寂さが必要です。ホテルの個室は外界の騒音を遮断していますから静寂そのものです。これが執筆を促進させてくれるのです。




 
作家がよく缶詰めになるホテルはどこ?


作家が缶詰めになるといっても、ホテルであればどこでもいいわけではありません。間違っても場末の騒々しいところはダメです。

条件としては環境が良く閑静なところ、あまり大きくないところ、出版社から近いところ、などになります。

環境が良く静かなところというのは、言うまでもなく執筆に適しているからですまたあまり大きくないところというのは、大きすぎると人の出入りも多く,それに娯楽のための施設が多く、いらぬ刺激や雑念が入るからです。

三つ目の出版社に近いところというのは、締め切りが迫った作家からできるだけ早く原稿を受け取るためです。



山の上ホテルは作家が缶詰めになることで有名

古くから作家が缶詰めになるホテルとして良く知られているのが、東京の山の上ホテルです。

このホテルはカンヅメならずとも有名作家が好んで利用しているホテルですが、その理由は何なのでしょうか。

山の上ホテルは東京の神田駿河台にある客室数35の小さなホテルです。これでお分かりのように静かで小さなたたずまいから、作家が執筆する条件にピッタリ合っているのです。

つまり、環境が良く閑静で人の出入りが少ないので煩わしさがなく、しかも神田という土地柄から出版社に近いという利点も含めて作家に必要な条件をことごとく備えているのです。














2019年1月1日火曜日

2018年に読んだ本(小説除く)のベストスリーはこの3点



昨年(2018年)に読んだ本は例年よりやや少なく80冊程度でした。読んだ本は読書記録を残していますが、その評価の欄にSA(SpecialA)と記したものが最高ランクの評価です。80冊のうち、この評価になったのは僅か5冊(うち小説2冊)でした。ちなみにランクはSA、A,B,C の4段階です。

 
 
SAランク第1位・「〆切本」

〆切本の何が素晴らしいのか

〆切本、なんともユニークな名前ではありませんか。これは左右社という出版社から出ている紛れもない本のタイトルです。
 
ユニークなタイトルに合わせたのか表紙の装丁がまた個性的です。それだけではありません。装丁に負けることなく内容がまた非常にユニークなのです。
 
エッセイのアンソロジーなのですが、内容はすべて締め切りをテーマにして書かれたものなのです。それも大量に及んでおり、上下2巻750ぺージというのがそれをよく表しています。

 

〆切本は企画力が生み出したユニークなエッセイ集

このユニークな本を生んだ第一の要因は何と言っても優れた企画力です。
 
企画を生み出すのはアイデアの力です。斬新でユニークなアイデアこそが企画の源泉です。
 
この本の素晴らしさは、まさに優れた企画力の賜物と言っていいでしょう。ということは企画の担当者が優秀なのです。


エッセイ集としても稀有な良書

この本は企画が斬新でそのユニークさと相まって読者を惹きつける力になっているのですが魅力
はそれだけにとどまりません。
 
この本はエッセイ集とは謳っていませんが、実は締め切りをテーマにした作家たちのエッセイのアンソロジーなのです。
 
テーマが締め切りという狭い範囲に限定されていれば、内容が乏しいのでは、と一部の読者は心配するかもしれませんが、どっこい、そうではないのです。
 
テーマが限定されているとはいえ、作家にとって締め切りは逃れることができない非常に切実な問題であると同時に、両者は年から年中付き合っている密接な仲なのです。

それゆえに思い入れも大きく言いたいことは山ほどあるのです。

なぜ良いエッセイばかり揃っているのか

上でこの本は優れたエッセイのアンソロジーだ、と書きましたが、なぜ優れているのでしょうか。
 
エッセイについてはこれまでブログにもしばしば書いているように、名のある作家が書いたものでも必ずらずしも良いとは限らず、エッセイ集に載っている作品の7割ぐらいは魅力に乏しい作品です。
 
その第一の理由は、小説が上手に書ける作家でも、エッセイも上手とは限らないことです。なぜなら小説を書く才能とエッセイを書く才能は異なるからです
 
第2は、これまで多くのエッセイ作品を書きすぎてテーマが枯渇していることです。
 
エッセイの多くは体験したことをもとに書かれますが、人によって体験の量は異なります。したがって体験のあまり多くない作家だと、未発表のテーマが次第に枯渇してきて、仕方なく過去に取り上げた事柄を再びテーマにして書くのです。
 
これだと当然新鮮味がなく、読者は、過去の読んだことがある、などと不満を感じます。

作家は締め切りをテーマにすると水を得た魚のように力がみなぎる

良いエッセイは良いテーマによって生み出されます。これは読み手ではなく、書き手に強く言えることです。
 
書き手にとって良いテーマとはどんなものをいうのでしょうか。それは思い入れが大きい事柄です。
 
思い入れが多い事柄は、それだけ考えることが多くなります。物事は多く考えればそれだけアイデアがたくさん出てきます。量だけでなく、質の方も高まります。

では作家にとって締め切りというテーマはどうなのでしょうか。果たして良いと言えるのでしょうか。
 
ズバリ、作家にとって締め切りはこの上ない良いテーマです。なぜなら作家は締め切りと年から年中つきあっており、これに対して考える量も時間も多いからです。

よく考える問題であるゆえにアイデアが豊富で書きたいこともたくさんあるのです。言い換えれば作家にとって締め切りほどエッセイのテーマとして魅力的なものは他にないのです。それゆえに良い作品が生み出されるのです。

これほど多くのメディアが取り上げた本も珍しい

この本が稀に見る優れた書物であることを証明するように、非常に多くのメディアが書評を掲載しています。この種の本でこれだけ評判になるも珍しいのではないでしょうか。
 
以下はそうした書評の一覧です。




SAランク第2位・「直木賞受賞エッセイ集成」

この本もまた素晴らしいエッセイ集です。このエッセイ集に収められた作品は全部で36編あります。
 
普通のエッセイ集(例えば光村図書が出しているベストエッセイなど)だと、収録作品をABCの3ランクで評価するとA(優れている)が20%、B(可もなし不可もなし)60%、C(劣っている)20%、というのが普通です。
 
これはこれまで読んできた多くのエッセイで検証したことで、ほぼ間違いないデータであると自負しています。

ところが、直木賞受賞エッセイ集成には、このデータは当てはまりません。それどころか収録された作品のうち、つまらないと思ったのは僅か5作品で、残り31作品がことごとくすばらしく優れているのです。
 
つまり、一般的なエッセイ集ではAの評価は20%ぐらいしかないのに、このエッセイ集に限っては実に80%がA評価なのです。これは普通では考えられないことです。
 
でもなぜこのエッセイ集にはこれほど良い作品が多く揃ったのでしょうか。


直木賞受賞という作家にとって一世一代のテーマの作品だから

作家にとって直木賞受賞というのは一世一代の記念すべき出来事です。最高に名誉であると同時に、この受賞によって作家として生きていくことが保証されたようなものですからこれ以上の喜びはありません。
 
このような、これ以上思い入れの大きい出来事は他にない、と言っていいほどの事柄をテーマにしてにしてエッセイを書くのですから言葉にして発表したいことは山ほどあるはずです。
 
それ故にほとばしり出るような喜びがペン先に伝わり、おのずと読者の胸を打つ良い作品が生み出されるのです。
 
まさにこのエッセイ集こそ、直木賞受賞作家にとっての一世一代の作品集なのです。

だからこそ収められた作品の80%が優れていることが素直にうなずけるのです。

エッセイファンなら絶対見逃してはいけない一冊です。





SAランク第3位・「教養脳を磨く」

教養をつけたい、と思っている人は少なくないはずです。でも教養というものがどういうものかもう一つよくわかりません。

何が教養で、それはどうしたら身につくのかを書いているのがこの本です。
 
著者は茂木健一郎と林望という二人の学者です。対談という形になっており、非常に読みやすいのもおすすめです。

お二人とも、教養人が多いといわれているイギリスへの留学が長く、その点から教養を語る資格を十分備えています。
 
以前のブログでもご紹介しましたが、教養をつけるために読むべき本としてお二人が推奨するのは以下のリストです。



『教養脳を磨く! 30冊』 林望/茂木健一郎()の掲載書籍リスト

1.林望セレクション

1
潁原退蔵 俳句評釈 角川文庫
2
折口信夫 古代研究 中公クラシックス
3
紀貫之等 古今和歌集 岩波文庫
4
島津忠夫 新版百人一首 角川ソフィア文庫
5
シュリーマン 古代への情熱 新潮文庫
6
杉田玄白 蘭学事始 岩波文庫
7
薄田泣菫 茶話 全3巻
8
田中冬二 田中冬二全集 筑摩書房
9
永井荷風 断腸亭日乗 岩波文庫
10
夏目漱石 私の個人主義 講談社学術文庫
11
萩原朔太郎 萩原朔太郎詩集 岩波文庫
12
林望 往来の物語 集英社新書
13
福澤諭吉 日本婦人論 日本男子論 (著作集第10巻)
14
森鴎外 渋江抽斎 岩波文庫
15
与謝蕪村 蕪村全句集 


2茂木健一郎セレクション

1
内田百間 阿房列車 全3巻 新潮文庫
2
小林秀雄 考えるヒント 新潮社
3
シュレーディンガー 生命とは何か 物理的にみた生細胞 岩波文庫
4
高木貞治 解析概論 岩波書店
5
チャールズ・ダーウィン 種の起源 岩波文庫
6
ディラック 量子力学 岩波書店
7
ドストエフスキー 罪と罰 新潮文庫
8
夏目漱石 三四郎 岩波文庫
9
ニーチェ 悲劇の誕生 新潮文庫
10
リチャード・P・ファインマン ご冗談でしょう、ファインマンさん 岩波現代文庫
11
福沢諭吉 新訂福翁自伝 岩波文庫
12
ロジャー・ペンローズ 皇帝の新しい心 コンピュータ・心・物理法則 みすず書房
13
ダグラス・R・ホフスタッター ゲーゲル・エッシャー・バッハ あるいは不思議の環 白楊社
14
マルクス 資本論 岩波文庫
15
クロード・レヴィ=ストロース 野生の思考 みすず書房