2017年6月10日土曜日

地方のデパートがどれほど不況かはエントランスやトイレを見ればわかる

エントランスの前で野菜の安売りをやっている地方のデパート

このところ大都市の歴史ある百貨店が次々と閉店に追い込まれているように、デパート不況は今や誰もが認める隠しようのない事実です。

でも不況の中で、ぎりぎりのところで踏みとどまって、かろうじて営業を続けているところも少なくありません。

わが町にも二つの老舗デパートがあります。駅近で便利が良いのでたまに寄ることはありますが、いつ行っても地下の食品売り場以外客はまばらで、店員さんがひまを持て余しているのがよくわかります。

あまりの客の少なさに、「これでよくやっていけるなあ、店員の給料は払えるのだろうか」、とつまらぬ同情心が起こるほどです。

ひと昔前は、デパートと言えばサービス業の最先端であり、設備の豪華さだけでなく、高品質、ブランド力などを売り物にして、価格も一般の店よりは高めなのがウリでした。

しかし今ではそれが180度変わって、例え値段が安かろうが、生活に必要なものはなんでも売ろうという、スーパーのような店に変貌しています。

それをよくあらわすのが、格調のあるエントランスの前で野菜や果物の安売りまでやっていることです。なりふり構わずとはまさにこのことで、生き残りのためには体裁など気にしておられないのです。


駅前の老舗デパートなのにトイレは旧式

日本を訪れる外国人の多くが、街中にあるトイレがとてもきれいなことに驚くそうですが、それもそれもそうでしょう。

住民である私でさえ駅前のショッピングセンターなどに行くと、トイレがとてもきれいになっていることに感心してしまうからです。

内装がきれいなだけでなく、ほとんどが新式のウォッシュレットを備えており、快適な環境で用を足すことができます。

しかし、こうした傾向の中で例外があります。それは2軒の老舗のデパートです。

一般的にデパートは鉄道のターミナルに隣接した立地条件が良い場所にあるのが普通です。

この2軒とも駅近で、きわめて便利なロケーションにあります。にもかかわらず最近の客入りは惨憺たるものです。

上でも書きましたが、これでよく経営が成り立つものだ、同情心が起こるぐらいです。

どこから見ても、デパート不況真っ只中を青息吐息のでかろうじて踏ん張っている感があります。

それが良く表れているのが店内のトイレです。

前述したように、駅前の繁華街ともなるとショッピングセンターなど、ほとんど店はは新式トイレを備えています。

しかし同じ繁華街にあるのにデパートだけは例外で、いまだに旧式のトイレのままなのです。

性格がら真っ先に新式トイレを備えていいはずのデパートがいまだに旧式のフラッシュトイレのまま、とは驚きではありませんか。

でも考えてみるとデパートには各階にトイレがありますから、全館だと相当な数になります。


これらすべてを新式に換えるとなると費用も半端な額ではないでしょう。

今の地方デパートにはそれを負担するほどの余裕がないのです。

これでお分かりのように、客商売で大切なトイレの設備を取り換える余裕もないほど、今の地方デパートは深刻な不況にあるのです。

0 件のコメント: