2020年2月10日月曜日

転職エージェントの宣伝に煽られてはいないか


Benson氏の言葉に考えさせられた

同じ職場に長くいるのは無能なのか?

若かりし頃ホテルマンとして都市ホテルのフロントで働いていました。外国人客の多いホテルで、中には顔なじみになった客もいました。

そんな客の一人にMr.Benson(ベンソン)という人がいました。職業はバイヤーでNYのブルックリン出身の人です。

年に何度か訪れてきて毎回1週間ほど滞在するのですが、ある時彼がやってくるやいなやフロントに立っている私に向かって突然「Are you still here?」というではありませんか。

Are you still here? つまり「まだここにいるの?」という意味です。深読みすれば、まだこんな職場に勤めているの?とも取れ、少なからず蔑みや軽蔑がにおいます。

私は彼のこの言葉に深く考えさせられました。アメリカ人の彼から見れば、特に条件が良いとも言えない職場に長い間とどまることは、軽蔑の対象なのだろうか。まるで「有能な人はどんどん転職するよ」と言っているように聞こえたからです。

つまり長い間同じ職場にとどまるの無能の証に思えたのです。


終身雇用崩壊といわれる今の現実の姿は

かつて日本では終身雇用が美徳とされていました。辛抱して長い間同じ職場で務めてこそ、地位や収入が上がり安定した生活を送ることが出来る、と考えられていたのです。

しかしそれが一転して、今では「終身雇用崩壊」とまで言われるようになりました。

終身雇用崩壊を裏返せば「転職時代到来」とも言えます。それをよく表すのが最近の若者の離職率です。


最近の厚生労働省発行の「新規大卒就職者の事業所規模別離職状況」によります

1年目~3年目まで新卒社員のうち1年目に辞める割合は、大卒の場合で10%前後です。 

その後少しずつ下がっていきますが、1~3年目の合計離職30%を超えいます。


転職ブームに踊らせていないか・大量の宣伝で転職を煽るエージェント

いまテレビでもネットでも、見ない日はないというくらい転職に関する大量の宣伝広告が流されています。

こうした広告で特に目を引くのは高額な報酬です。

その金額を見てみると、これがはたして日本の賃金?と、目を疑うような高賃金が並んでいます。


転職エージェントは信頼できるのか

日本人は宣伝や広告に弱いとよく言われます。つまり、新聞やテレビで宣伝されたものは、何であれ「良いもの」と思ってしまう傾向があるということを言っているのです。

このところの転職ブームに乗ってか、ネットを中心にやたらに広告宣伝の多いのが転職エージェントです。

これは転職者にとっては一面うれしい点ではあるのですが、はたして看板に偽りのない信頼できるものなのでしょうか。

はっきり言って転職業界も他の業界と同じように玉石混交です。ネットにはこれに関する情報が山ほど出ています。これらをよく精査して間違っても玉石混交の「石」に該当する業者に引っかからないことです。


26%もの人が転職に失敗という厳しい現実

終身雇用が終わったと言われている今の時代、転職は決して悪いことではありません。

とはいえ、それは無事成功裏に終わったら言えることです。

しかし現実はそうもうまくも行かないのです。

転職サイトの大手「転職会議」の調査によりますと、全転職者のうち26%の人が「失敗した」あるいは「どちらかといえば失敗した」と答えています。

これで分かる通り、転職は決して順調にいくことばかりでなく、実に4分の1もの人が失敗に終わっているのです。

この現実にしっかり目を据えて、間違っても軽はずみに転職に走らないことです。

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