2021年10月12日火曜日

図書館にこんな珍しい本があった

 今から約20年ほど前、その頃働いていた職場の20代の女性が教えてくれました。今話題の本だと。

タイトルは「ぼっけえ きょうてえ」というずいぶん変わったものでした。意味は「すごく怖い」という岡山弁だそうです。

作者は岡山県出身の岩井志麻子といって、当時売れっ子になっていました。

その記憶が残っていて、図書館で偶然目にしたこの本が気になったので借りてみたのです。

 


「猥談」岩井志麻子著 朝日新聞社
 

20年近く前の2002年発行の本です。図書館では男女の下半身にまつわる話を書いたいわゆる「いやらしい本」はあまり見かけません。

それ故にこの「猥談」というタイトルの本があるのが珍しいと思ったのです。

珍しい理由はこれだけではありません。この本が置かれていたのは「話題の本」というコーナーで、そこの棚に並べられていたのです。

この棚には、この図書館で今よく読まれている(貸し出しの多い)本ばかりが集められているいわば人気本コーナーなのです。

そこに20年もの前の本が並ぶのは珍しいことです。それに発行先に目をやると、なんと朝日新聞社となっているではありませんか。 

つまり 

・「猥談」というタイトル

・20年近く前の本

・「話題の本」のコーナーにあった

・お硬い「朝日新聞社」発行のやわらかい本 

というふうに、4つものことさら気を引く点があったのです。

これだと私に限らず男性の多くが「借りて読んでみよう」という気にならないはずがありません。

 

(読後感)

著者と3人の男性作家による対談集です。3人の中で存在感があるのは野坂昭如です。まさに今回のテーマ「猥談」にピッタリの人選で、お色気話に関心ての造詣の深さは脱帽ものです。この作家に対しては、いかに自称「色きちがい」の著者といえども、まともに太刀打ちできないようです。

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猥談 (単行本) の商品紹介  TSUTAYAオンラインショッピングより)

 

人生枯れては面白からず。艶美あふれる処女対談集。私生活から小説まで、男と女が組んず解れつ、包み隠さず語り尽くす。

 

発行

2002年

 

目次 


猥談(野坂昭如)

禁忌と倫理(花村万月)

色気と文芸(久世光彦)


 

猥談 (単行本) の著者情報

岩井志麻子

岩井志麻子は1964年生まれの日本の小説家。岡山県出身。岡山県立和気閑谷高等学校商業科卒業。
高校在学中の1982年に、第3回小説ジュニア短編小説新人賞佳作に入選。1986年、少女小説『夢みるうさぎとポリスボーイ』で作家デビュー。
その後も『岡山女』で第124回直木賞候補となるなど、順調に執筆活動をする。また、テレビ出演や講演会の講師としての活躍の場を広げている。

 

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