2011年12月1日木曜日

この訴訟の行方に注目 ! ・ 北海道「白い恋人」 Vs 大阪「面白い恋人」



白い恋人
 
面白い恋人












有名な北海道の銘菓「白い恋人」のメーカー石屋製菓が、「面白い恋人」という、
よく似た名前の製品を販売している関西のお笑い企業「吉本興業」を提訴した。

商標権の侵害していると言うのだが、その気持ちも、まんざら分からなくはない。

しかし、この話、深刻な訴訟問題にもかかわらず、なぜか軽々しく、滑稽にも見えてくる。

なぜかというと、吉本というのは日本を代表をする名の通ったお笑いの会社である。

その会社が慎重に企画、立案した商品に対して、地方の小さな製菓会社が訴訟を起こすことは、ずいぶん無謀でむこう見ずなことであり、その姿が滑稽に見えるのである。

訴えられた吉本としては、会社の面子もあり、黙って引っ込むわけにはいかず、おそらく大弁護団を立てて、防戦につとめるに違いない。

併せてこの会社のファンである一般大衆も吉本側を弁護するに違いない。

なぜならは「おもしろい恋人」の吉本側にははどう考えても、やましい点はないからである。

それに対して「白い恋人」側はそうした世間の思惑をよそに、必死になって攻撃を仕掛けてくるに違いない。

攻撃を仕掛ける「白い恋人」側は、おそらく次のようなことを論点にしてくるであろう。

1.「面白い恋人」は「白い恋人」の名前をもじった模倣である。

2.パッケージもよく似ていて、これについても模倣性が高い。

3.類似品に見せかけて「白い恋人」の人気に便乗しようとしている。などなど。

しかしこれら3点とも訴求力が弱く、訴訟で優位に立つことはまず無理であろう。

まず1.についてだが、もし白い恋人の名前をもじったとしても、それはお笑い会社としての吉本特有のユーモアセンスであり、ことさら面白いネーミングを追求した結果であって、「白い恋人」を利用しようという気持ちなどは更々ないのではなかろうか。

それに、ネーミングの「しろい」の部分は同じでも、"白い"と"面白い"はまったく別個の言葉であり、"おもしろいお笑い会社"の吉本が、"面白い"をネーミングに使うことに何ら問題はなく、むしろ自然なことではなかろうか。

次に2であるが、パッケージがよく似ているというが、決してそうは思えない。

でもあえて似ていることを認めるとすれば、それは商品名の下の曲線であるが、問題になるならその線を除けばいい。

最後に3であるが、「白い恋人」の人気に便乗うんぬんということだが、今や誰もが知っている天下のお笑いの人気会社が、たとえ少しは名前が売れているとはいえ、弱小の製菓会社を利用しようなどという"みみっちい"ことはしないであろう。

今回のネーミングはあくまでユーモアセンスを重視してつけたものであり、その他のなにものでもない。

以上のような理由で「白い恋人」側の訴えは一蹴されるにちがいない。

   以下は朝日新聞のこの問題に関する記事である。

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「白い恋人」が「面白い恋人」を提訴 商標権侵害訴え石屋製菓の「白い恋人」(左)と、吉本興業などが売り出した「面白い恋人」
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北海道を代表する土産菓子として知られる「白い恋人」を製造販売する石屋製菓(札幌市)は28日、吉本興業(大阪市)などが「面白い恋人」の名前で売り出した菓子が商標権を侵害しているなどとして、商標法と不正競争防止法に基づき販売の差し止めを求める訴えを札幌地裁に起こした。
 
石屋製菓の島田俊平社長らが同日、札幌市で記者会見し、明らかにした。
 
訴えによると、吉本興業と発売元で系列会社のよしもとクリエイティブ・エージェンシー(大阪市)など
計3社は、「白い恋人」と似た図柄のパッケージを使い、商品名も「面白い恋人」と似せて2010年7

月に売り出し、商標権を侵害したなどと主張している。
 
「面白い恋人」は、関西の空港やJR主要駅などで販売されている。中身は「白い恋人」がクッキーでホワイトチョコレートを挟んだ菓子、「面白い恋人」はみたらし味のゴーフレットという。
 
「白い恋人」は1976年に製造販売を始めた。2010年度の売上高は約72億円で、石屋製菓の主力商品だ

。島田社長や弁護士らは「『面白い恋人』は、『白い恋人』のブランド力にただ乗りし、不当な利益を追求しようとしている

。商道徳、コンプライアンス(法令順守)の欠落は厳しく断罪されるべきだ」と指摘。損害賠償請求も検討しているという。
 
よしもとクリエイティブ・エージェンシーの広報担当者は「突然の提訴なので驚いている。訴状を見て、適切に対応したい」とのコメントを出した。


     点線以下は朝日新聞 (11月29日)より

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