2013年4月22日月曜日

魅力を失ったのか?日本商品 ・ 円安になっても一向に輸出が回復しない



貿易赤字国に転落した日本 ・ 円安になっても輸出が回復しないのはなぜ?

しかし最近のわが国の貿易赤字はどうだろう。昨年1年間の輸出から輸入額を引いた赤字総額は実に8兆円という巨額に上っている。

しかも前年の4兆円に続いて2年連続である。


もちろんこの2年間は円高が極端に進んでいたのでそれが大きな原因と見られる。だが、円高が終息して大きく円安に転じた今でも輸出はさほど回復に向かっていないのである。


それをよく示すように本年2月の貿易収支は年率換算で13兆円の赤字で過去最低水準を記録しているのだ。


でもアベノミクス効果でこれほど円安になっているのになぜ輸出は回復しないのだろうか。


もちろん車を中心に一部の商品には回復に向かっているものはある。だが全体としてはそれほど上向いていないのである。


円安は輸出には最大の利点のはずなのになぜその効果が表れないのだろうか。

こう考えると、もうその理由はひとつしか見出せない。それはいまや車を除いた日本の商品は国際市場で魅力を失ってしまっているということなのではないだろうか。


パナソニックでも韓国の「サムスン」や中国の「ハイアール」を抜き返すのは難しい

例えば前年度数千億円という第赤字を出したわが国を代表するパナソニックだが、円安で業績を回復したかに見えたのだが、最近また役員を中心にした給料削減を発表している。


2年ほど前から続いている社員の給与削減が円安に転じた今も続いているのである。


要は円安でもそれほど業績が回復していないのである。これは日本製の電化製品が完全に魅力を失ってきていることをよく表しているのではないだろうか。


ご存知のように韓国の電機メーカー「サムスン」はこの分野ではいまや世界ナンバーワンの企業にのし上がっており、パナソニックはアジアでもとっくに王座を奪われている。


それだけではない目下急成長を続けている中国の「ハイアール」社も白物家電で世界を席巻する勢いである。


これではもうパナソニックやシャープ、それにソニーなどの出る幕はなくなっているのではないだろうか。以下は依然として低迷が続く日本の輸出に関連した新聞記事である。


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輝きを失った日本商品 ・ 円安は本当に輸出を増やすのか


 アベノミクスと日銀の異次元緩和で金融市場は沸き立っているが、意外に低迷したままの数字もある。その代表が円安の恩恵で伸びると期待される輸出だ。


財務省の貿易統計によると、2005年を100とした輸出数量指数は、円安の進んだ昨年秋以降も低下を続け、今年2月には82まで低下した。


この結果、2月の貿易収支は年率で13兆円の赤字となり、過去最悪水準になった。



日本経済新聞電子版 2013年4月17日






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