2013年11月4日月曜日

自信がないからへりくだってばかりいるのだろうか? ・ 何かにつけて「・・・させていただく」とばかり言うようになった日本人(その2)


このところ気になって仕方ないことが一つあります。それは最近の日本人の言葉づかいに関してです。


このテーマについては以前もこのブログで取り上げたことがありますから、今回で2度目です。


昨日もテレビのバラエティ番組で男性タレントが悪びれる様子もなく、ごく普通に使っている言葉がありました。


それは「拝見させていただきました」というセリフです。明らかにこの人は拝見の拝の意味が分かっていないのです。


「拝見」は「見る」の謙譲語ですから、すでにこれだけですでにへりくだった表現になっているのです。


したがって、さらに「させていただく」と言うと二重敬語にあたるのです。ですからこの場合は「拝見しました」が正しい表現なのです。


この例ように「~させていただく」というような表現は、今ではテレビなどで一日に何度も耳にしますが、そのたびに首を傾げてしまうのです。


要するにいま日本人の多くの人が基本的に言葉の使い方がおかしくて、日本語としての形をなしてなかったり、TPOをわきまえない表現を非常に多く使っているのです。


代表的なのが上の例でも挙げた次のような言葉遣いです。


私たちは日常生活で、「何々します」とか「何々してもいいですか」という表現を使う場面がよくありますが、その際、ストレートにそう言えばすむことを、いつも謙譲語を使って「何々させていただきます」とか「何々させていただいてもいいですか」と言っているのです。


それもたまにこういった表現を使う人がいるのならいいのですが、最近ではことごとくといっていいほど、非常に多くの人がこういった表現をごく普通に使っているのです。


これの何がおかしいかと言えば、こうした言葉を発する人は、謙譲語や敬語を使うべきところと、そうでないところの区別がついていないと思えるからです。


こういう話し方を、会話のシーンを見ていない第3者が聞いたときは、おそらく当事者が話している相手は、目上の人かあるいはお客様のような大事な人だと思うに違いありません。


でも実際はそうではないのです。こうした言葉を使う当事者は、いつでも、誰に対してもこうしたへりくだった言葉使いで臨んでいるのです。


だからこそ、私たちはこうした表現をいつも、いたるところで耳にすることになるのです。


いったいこれはどういった現象なのでしょうか。誰もこうした表現をする人が多くなったことをおかしいと思わないからなのでしょうか。それとも、おかしいと思っても相手に注意する人がいないからなのでしょうか。


こういった表現をよく使うのはテレビのバラエティ番組に出演する芸能関係の人が多いように思うのですが、それが国語力のあまり強くない視聴者に次第に伝染したのでしょうか。


しかもバラエティ番組があまりにも多くて、ひっきりなしにこういった表現を耳にするため、最初におかしいと感じた視聴者も、そのうち麻痺してしまったのでしょうか。


よく分かりませんが、とにかく学校の国語の先生方には敬語や謙譲語の使い方をよく指導していただきたいものです。

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