2018年8月6日月曜日

それ以上でもそれ以下でもない、という表現に違和感


「それ以上でもそれ以下でもない」は、なぜうっとうしく聞こえるのか?


 聴いてしっくりこなかったり、違和感を感じたりする言葉がありますが、「それ以上でもそれ以下でもない」という表現もその一つです。

 この言葉に違和感を感じるのはいったいなぜなのでしょう?、ここではその理由について考察してみました。


それ以上でもそれ以下でもないの意味とは


 物事がちょう言葉どおりの状況であり、他に特別な意味合いが含まれていないさま。言い過ぎでもなく、言い足りていないわけでもないさま、などを意味する表現

Weblio辞書の説明)


 また別の辞書にはこうあります。

 それ以上でもそれ以下でもない、は「ちょうど」を表すのに使われる日本語の言い回しである。

 物事がちょうど言葉どおりの状況であり、他に特別な意味合いが含まれていないさま。言い過ぎでもなく、言い足りていないわけでもないさま。などを意味する表現。


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持って回ったところがキザに聞こえ、うっとうしく感じる


 持って回った言いかた、と言われる表現がありますが、これは何を言いたいのかよくわからないだけでなく、聴いてうっとうしいばかりか、うさん臭く感じることさえあります。

 そうしたものの一つに「それ以上でもそれ以下でもない」という表現があります。

 はっきり言って個人的にはこの言葉は好きではありません。というより、はっきり嫌いと言った方が良いかもしれません。

 この言葉の何がきらいなのかと言えば、もって回ったとろろがキザに聞こえるからです。それだけでなく、何を言いたいのかピンときません。

 発言者はこう表現すれば知的でカッコいいとでも思って使っているのでしょうか?

 でも聴く側にとっては、違和感がありうっとうしいと感じるだけなのです。


それ以上でもそれ以下でもない、を言い換えると


「それ以上でもそれ以下でもない」は、ズバリそのもの、という状態を言い表すときに使う言葉です。

 つまり、それだけのもので、それ以外のことは含まれていない、ということを言っているのです。

 例えば私の仕事は医師であり、それ以上でもそれ以下でもありません。というのは、医師としての仕事をまっとうするだけで、職務以外の余分なことはしないということを暗に示しているのです。

 したがってこれを言い換えれば、私は医師です。したがって医師としての職務を果たすだけです。となります。


「ただそれだけのこと」と言えばすむこと


 それ以上でそれ以下でもない、は持って回った表現です。それが聴く人をイラつかせてうっとうしい気持ちにさせるのです。

 言葉づかいはなるべく簡潔で分かりやすくなければいけません。

 それ以上でもそれ以下でもない、と言わずに。ただそれだけのことです。と言った方が、スッキリしているうえに、相手に抵抗なく理解されるのではないでしょうか。






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