2019年8月8日木曜日

AIが人の仕事を奪う、は本当か? ・加熱するネット情報に惑わされな!

 
ネットには「AIと人の仕事」に関する情報が蔓延しているが
 
このところネットを中心にAIに関する情報が次々と発信されていますが、中でも多いのはAIと私たちの仕事に関係する内容のものです。
 
そうした中にはずいぶんセンセーショナルなタイトルをつけたものも少なくありません。例えば下記のようなものがそうした例です。
 
AIは人間の仕事を奪うのか?
AIに仕事を奪われるって本当?大切な家族を守るために絶対に知っておいて
AIは人の仕事をうばうか、ということについてのいろいろな人の意見のまとめ 
 
いかがですか、実に挑発的で刺激的なタイトルですが、「AIが人の仕事を奪う」というこうしたフレーズを見て不安を感じる人は少なくないでしょう。でも本当にAIが人間の仕事を奪うのでしょうか?
 
 
上に挙げたタイトルのように、ネットには「将来におけるAIと人の仕事」に関する記事がゴマンと出ていますが、それらの中には「AIが人の仕事を奪う」という意見を肯定するものと否定するものに分かれており、その比率は半々といったところでしょうか。
 
それゆえに、いったいどちらの意見が本当なのか?と人々は迷ってしまうのです。
 
これを判断するためにはまず「AIが人の仕事を奪う」という説の根拠を知らなければなりません。
 
こういった説の根拠になったのは2013年にオックスフォード大学から出されたされたレポートなのですが、それには「将来的にはあらゆる仕事のうち9割は機械化により代替される」とされています。
 
このレポートの2年後の2015年に日本の野村総研がこの説に関して調査し、「これから先15年間ぐらいで労働人口のうち49%分の仕事が失われる」と発表しました。
 
この発表での「15年先」という具体的でいかにも現実味のある表現が人々に衝撃を与えたのです。
 
これに刺激を受けて、その後「AIと人の仕事」に関する論議が賑やかになっていったのです。

  
こうしたことによって人々の頭に「AIによる雇用喪失」ということが刷り込まれてきたのですが・・・・。
 
 
オックスフォード大学と野村総研の「AIによる雇用創設説」からしばらく経った今はどうなのか?
 
上でご紹介したオックスフォード大学や野村総研による「AIによる雇用喪失説」が発表されてからしばらく時が経ちましたが現在の状況はどうなのでしょうか。
 
上の説が出てから数年が経過した最近の雇用情勢を眺めてみますと、企業の求人は増える一方でかつてないような人手不足の様相を示しており、雇用喪失の様子など微塵も感じられません。
 
AIによる雇用喪失説」はいったいどこへ行ってしまったのでしょうか。
 
現在の雇用の活況の理由は、少子化による労働人口減少、世界的な金融緩和などいろいろあるかもしれません。
 
しかし圧倒的と言ってもいい現在の人手不足を目の当たりにすると、「AIによる雇用喪失説」そのものが疑わしく感じてくるのも否めません。
 
まさかこの説は嘘だったのではないか、という疑念さえ生じてきて、これから先、人の仕事がAIなんかに奪われることはない、という気さえしてきます。
 
いったい真実はどうなのだろうか?と考えてしまいますが、結論としては次のようなことが言えます。
 
 
高度な仕事はAIがやり、単純なマックジョブのような仕事は人々に残される
 
AIが人の仕事を奪う」という表現はやや過激かもしれませんが、今後AIは飛躍的に進歩していくことは間違いありません。
 
その進歩の影響は多岐に及んでいきますが、人の仕事の分野へも少なくないと予想されます。
 
しかし人の仕事にはAIの力が及ばない分野も多くあります。一般的に言われているのは、専門性の高い高度な仕事ほど影響が及び、逆にマックジョブとも呼ばれるマニュアルさえ読めば誰でもできる手作業の仕事には影響が及ばないとされています。
 
具体的に言えば高度な専門職の士業とも言われる会計士、税理士、行政書士などは影響され、逆にマクドナルドの仕事に代表されるような単純な手作業による仕事は影響されないといわれています。
 
その結果、将来的に人の仕事として残るのは単純なマックジョブだけ、ということが、いま巷で囁かれ始めています。
 
このようにAIと仕事に関する情報は諸説紛々で、人々を混乱させており、これでは「惑わされるな」という方が無理かもしれません。
 
発展途上にあるAIだけに、これは致し方ないことで、当面は白黒をつけず黙って成り行きを見守っていくのが、惑わされないためのよい方法かもしれません。
 
 

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