2020年3月8日日曜日

小説新人賞の応募者にぜひとも伝えたいこと(その2) ・ まず「下読みさん」のことを知らなければいけない


下読みさんの目はごまかせない

小説新人賞の応募規定などを見て、最初に注意が行きがちなのは審査員です。たいていは有名作家が名を連ねていることが多いのですが、その顔ぶれを見て応募を決める方も少なくないはずです。

つまり、この作家は好きで作品もよく読んでいるので、作風も合い理解してもらえるのではない
か、などという淡い期待を抱くからです。

しかしこういう方々にあえて申し上げますが、それは「もし読んでもらえたら」の話で

そこに至るまでには、まず下読みさんと呼ばれる方々によってなされる厳しい予選の審査を通過してからのことなのです。

そうなのです。小説新人賞の審査は最初から審査員である作家によってなされるのではなく、予選(一次審査、二次審査)は出版社に所属する下読みさんと呼ばれる人たちによってなされるのです。


メジャーな新人賞には実力ある下読みさんがそろっている

小説新人賞の応募者の中には、応募した作品はすべて審査員である作家によってなされるものと思っている方もいるかも知れません。もしそう思っているとすれば、それは大きな勘違いです。

もちろん審査員として名を連ねているのですから審査をしないわけではありません。しかし、その審査とは最終審査のことを意味します。

小説新人賞の審査は予選段階の一次審査二次審査を経て、受賞候補作として数編に絞られます。作家の審査が行われるのはこの候補作に対してだけなのです。

つまり作家の先生方が目にするのはこれら最終候補に残った数編の作品だけで、一次審査、二次審査には参加することはないのです。したがって、応募作品のほとんどは作家の先生方の目に触れることはないのです。

では第一次審査、第二次審査は誰が担当するかといえば、ここで登場するのが下読みさんと呼ばれる方々なのです。

下読みさんと聞けば、その名のごとく、なにか下仕事にあたるような響きがあり、大事な審査をまかせて良いのだろうか、と不審に思う向きもあるかも知れませんが、ズバリ心配にはおよびません。

なぜなら、少なくてもメジャーな小説新人賞(例えば。オール読物新人賞。小説現代新人賞、小説すばる新人賞)などの下読みさんは優秀な編集者などからなる、力のある人たちばかりで構成されているからです。


下読みさんに認められなければ予選は通らない

大手出版社の運営するメジャーな小説新人賞(オール読物新人賞、小説現代新人賞、小説すばる新人賞など)では、一次審査、二次審査という予選があり、それに通過した作品が受賞候補として最終審査に回ります。

この場合審査に当たるのは一次と二次は下読みさんと呼ばれる担当者、最終審査は審査員に任命された作家の先生方とされています。

これで分かるように、応募作品のすべてが第一次審査、第二次審査において、下読みさんと呼ばれる担当者によって行われます。したがって当然のこととして、この段階では作家の目にはまったく触れません。

ということは最終審査に残って作家の目に届くためには、下読みさんによる一次、二次審査を通過しなければ始まらないのです。つまり下読みさんに「よい作品だ」と認められなければ、予選段階で葬り去られてしまうのです。

どれだけの作品が落とされるかといえば全作品の90%です。つまり1000編の応募作品があるとすれば、そのうち900編が一次、二次の予選で消えてしまうのです。

その判断を下すのが下読みさんなのです。とすれば第一次、第二次予選でなんとしても下読みさんに認められなければ先はないのです。


下読みさんにはこんな人達がなっている

上で「下読みさんは実力者ぞろい」と書きましたが、はたして大事な初期審査である下読みという役目を果たしているのはいったいどんな人達なのでしょうか。

小説新人賞では、予選にあたる第一次審査、第二次審査が非常に大事なプロセスであることは言うまでもありません。

なにしろ1000編にも及ぶ大量の応募作品の中から受賞作品の対象になる最終候補作品を選ぶ作業を担当するのですから、熱意と根気、それに小説を読む確かな目を持っていなければ務まる役目ではありません。

見方によっては、看板になっている審査員の有名作家より大事な役目を果たしている、といっても過言ではないかも知れません。

こうした大切な役目を務める下読みさんは、主として編集者、出版評論家、所属ライターなどで構成されますが、更にスタッフ陣を充実させるために、まだ日の目を見ていない(売れていない)無名の作家なども動員されることがあります。

いずれにしても小説を読んだり、書いたりすることにおいてはベテランの実力者ばかりです。したがって「優秀な応募作品を見逃す」などということはまずありません。


小説新人賞応募では、まず予選突破を目指そう

いかがでしょうか。小説新人賞の審査と下読みさんについて少しはご理解いただけたでしょうか。

新人賞に応募される方々に申し上げたいのは、いきなり賞を狙うのではなく、まずは、第一次の予選突破を目指すことをおすすめします。

第一次予選突破とはいえ、10分の1の厳しい関門を通過することになるのです。これを通過した作品は、小説として下読みさんの厳しい審査に認められたことになるのですから、ある程度の自信を得ることができ、次のステップへのはずみがつくはずです。

登山と同じで、いきなり頂上を目指すのではなく、2合目、3合目と順次ステップを定めて進んで行くことがなの得策ではないでしょうか。


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