2020年3月12日木曜日

昔はよくお世話になったが・かつてのような質屋さんは今でも健在なのか?


若い頃よく利用した質屋さんがなつかしい

給料の安かった若い頃、給料日前になると決まって金欠状態になっており「これだけで後何日過ごさないと」と、残り少ない残金を計算していたものです。

なにしろ給与総額が3万円程度という安月給時代のこと、少し油断して使いすぎるとすぐピンチになるのです。

でもなんとかやりくりできればいいのですが、どう考えても無理なときは意を決して質屋さんに走りました。

日本の経済成長前のことで、国自体が貧乏ですから社会全体の給料が安く、多くの庶民にはお金に余裕がありません。ですから貧乏なことを恥とは感じませんでした。

したがって質屋さんでお金を借りることもそれほど恥ずかしいこととは思わず、むしろ給料前にお金が調達できる便利な場所というふうに考えていました。

もっとも今のような消費者金融全盛の時代ではなく、質屋さんは困ったときに庶民がお金を調達できる数少ない選択肢だったのです。


質草には、腕時計 カメラ 衣服類など

質屋さんでお金を借りるには抵当になる品物が必要です。それを質草と呼ぶのですが、若者ですからそれほど良い品物は持っていません。

それでも当時は多くの若者が持っていたカメラ、それに今と違って大抵の人が身につけていた腕時計、その他は背広などの衣類が多かったようです。

いずれも高価なものではなく、若者の誰もが持っているような一般的な品物です。

それだけに借りられる金額も多くはなく、たいていの場合、多くても数千円程度でしかありませんでした。

とはいえ、月給が2~3万円の時代ですから、給料前の数千円にはかなりの価値があったのです。


質屋さんの利息は月9分(ぶ)

もう何十年も前のことなのに、なぜだか質屋さんの利息はよく覚えています。確か月に9分(ぶ)だったと思います。

分(ぶ)とは江戸時代から続いている金利の単位で、1分は今の1%も当たります。

したがって月9分の利子は)9%に当たり年利にすると108%にもなります。

これを具体的にいいますと、例えば5千円借りたとしても利息は1ヶ月450円ですから、決して安いものではありませんでした。

とはいえ質草が惜しいこともあり、大抵は給料が入ったら返済していましたから、当時はそれほど高いとは感じていませんでした。


利息を払わず流した品物も少なくない

給料前にたびたび利用した質屋さんですが、借りたお金が返済できないとこもありました。返済できないまま3ヶ月経つと期限が来て預けた質草が流れてしまいます。

流れるとは品物を没収されることです。借りた5千円の3ヶ月分の利息1350円(月450円✕3)を払わないと預けてあるカメラなどの品物が店の所有物になってしまうのです。

でも、大事な品物が流れてしまっては大変です。そこでなんとか利息のお金を工面して支払おうとするのですが、それが叶わず無念な思いで品物を手放してしまったことは幾度もあります。

ある日気がつくと月賦で無理して買ったカメラ、親からもらった大事な腕時計、一着しか無い冬のコート、などが消えていたのです。


今では多くの質屋さんが買取ショップに変身

今では町を歩いてみても、ネットなどで探してみても、品物担保でお金を貸すのを専門にしている質屋さんはほとんど見かけません。質店という看板を掲げている店がなくなってしまったのです。

その多くが買取ショップに変わってしまったからです。品物でお金を貸すのではなく、その場で買い取ってしまい、その対価を支払うのです。

持ち込まれる商品は安物が多かった質屋さんの時代とは違って、高級ブランドの高価な物が多いのが特徴です。

したがって質屋さんの時代に店内に漂っていた、あの懐かしい一種独特な貧乏臭い雰囲気はすっかり無くなってしまいました。


質屋さんから期限切れ通告のファックスが?

これは余談ですが、数年前、我が家へ身に覚えのない内容のファックスが届いたことがあります。

それにはこう書いてありました。「お預かりしているダイヤの指輪の期限が近づいていますのでご連絡をお待ちいたします」。

差出人は市内の質屋さんでした。要は質入れしてお金を借したダイヤモンドの指輪が、期限が来たので利息を払わないと流れてしまいますよ」という連絡なのでしょうが、質屋さんが宛先を間違えてファックスを流したのです。

なんとも身につまされる話ですが、店と客の名誉のためにと、黙って見過ごしてしまいました。


米国の質屋さんはPAWN SHOPという

アメリカ映画を観ていて店舗のpawn shopという看板を目にしたことはありませんか。それとは別に窓などにMoney Loanという文字が書かれていることもありますが、要は日本の質屋さんと同様の店なのです。

Pawn Shop、日本の質屋さん同様に歴史を感じるなかなか味のあるワードではありませんか。


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