2024年9月1日日曜日

《プレイバック再掲載シリーズ》 ヨンカーズ競馬場 1~3(ブログ 生涯現役日記・ マンハッタン西97丁目 )全8000文字

 


(第6章) ヨンカーズ競馬場 

初出:2011年6月23日




(その1)

   修一はその日十八番街のポートオーソリティバスターミナルの十九番ゲートでヨンカーズ競馬場行きのバスを待っていた。


 三日前、職場へ N商事の山崎からひょこっと電話があって、話しているうちにひょんなことから彼と競馬場へ出向くことになったのだ。


 「ところで大野さん、こちらへ来て競馬をやったことはありますか?」山崎は会話の中で唐突に尋ねた。「いいえ、まだやったことはありませんけど」 「そうでしょうねえ、実は大野さん、ぼくは先週のヨンカーズのレースで三千四百ドルの大穴を当てたんですよ。


デイリーダブルと言って、その日の第一レースと第二レースの一着馬を当てるのがあるのですけど、ぼくの買った三ー六の馬券が見事的中したのですよ」 「へぇー、三千四百ドルもねえ。すごいですね。でも山崎さんが競馬をやっているとは知らなかったなあ」 「やると言っていいかどうか、なにしろこちらへ来て二年のうちに僅か四~五回通っただけですからね。


昼間だとちょっと行けないのですけど、なにしろこちらの競馬場はナイターですからね」 「えっ、ナイターって? 馬の走るあの競馬が夜あるのですか?」 「あれっ、大野さん知らなかったのですか。ヨンカーズ競馬場では、いつもウィークデイの夜に開催されているんですよ。先日も仕事を終えた後、同僚二人と行ってきたんです」


 修一は競馬の知識はもともとあまり持ち合わせていなかったのだが、まさかレースが夜行われるとはこれまで想像もしていなかった。こんなことにまで日本と比べて大きな違いがあるのには大きな驚きであった。ナイター競馬か。ちょっと面白そうだな。不意にそう思った修一は、山崎にぜひ一度そこへ連れて行くように頼んだ。


 先日のラッキーにすっかり気をよくしていた山崎はふたつ返事で「OK]と言ってくれ、早速次の週の水曜日ぐらいはどうか、とその場で日取りまで決めてしまった。そして自分はオフィスに近い五九丁目でバスに乗るけど、あなたはエールトンからそれほど距離のないポートオーソリティバスターミナルで乗ったほうがいいでしょう、と修一に指示したのであった。


 その日四時に仕事を終えた修一は、すばやく身支度を整えると、山崎が指示した八番街のバスターミナルへ向かった。発車ゲートでしばらく待ったあと、やがてやってきたバスに勢いよく乗り込んだ。


修一と同時に七~八人の男性が乗りこんだが、彼らはみな手にタブロイド紙を持っており、席に着くや否や食い入るようにその紙面を見ていた。それがその日のレースの予想紙であるということを修一はバスが発車した後で気づいた。 そうか、競馬に行くにはこれが要るんだ。 でも今日はいいか、初めてのことだし、それにたいしたお金を賭けるわけでもないし、どうしても必要なら向こうへ着いて買えばいいだろう。


 修一はそう考えながら、山崎が乗り込んでくるはずの五九丁目にバスが着くのを待った。パーク街五九丁目のバス停では五~六人の人が乗車したが、その先頭に山崎がいた。


 「やあ大野さん、やっぱり来たんですね。ひょっとして気でも変わってこないんじゃないかと心配していたんですよ。よかった、よかった。ハイ、これ今日のレースの予想紙」山崎は席に着くとすぐ手にしていた二部の新聞のうち一部を修一に渡した。「これはすいません。ぼくうっかりしていて、乗る前に買うのを忘れていて」

 

 「たぶんそんなことだと思って二部用意してきたんですよ。実を言うと、このぼくもさいしょのときはそうでして、同僚に見せてもらったぐらいですからね」


 山崎は笑いながら屈託なく応えた。その後バスは五~六ヶ所の停留所で客を乗せて、アップタウンのハーレムを過ぎる頃にはほぼ満席になっていた。


 「それにしても山崎さん、先日の三千四百ドルというのはすごいですね。当たったときはずいぶん興奮したでしょう?」 「興奮どころじゃないですよ。お金を受け取るときは、思わず手がブルブル震えましたよ。ほらこんなふうに」山崎はそういいながらその場面を再現するかのように、両手を前に突き出して、わざとそれを上下に揺すって見せ、修一を笑わせた。

 

 「でもその日、一緒に行った同僚が二人とも負けていましてね。帰りのちょっと高級なナイトクラブへ行き、その支払いをぼくがしたので、あらかた半分ぐらいは消えてしまいました。残ったお金のうち五百ドルが今夜の軍資金ですよ」


 「へえー、五百ドルも。今日だけでそんなに遣うのですか?」

 「まあね」どうせ勝ったお金だし、」それに競馬をするんだったらこれぐらい遣わなくちゃ妙味はありませんよ。でも大野さんはそんなに賭けては駄目ですよ。なにしろ初心者なんだし、まだよく分からないんだし」 「そんな心配は要りませんよ。なにしろポケットには二百ドルぐらいしかありませんから」そう言いながらも、修一は今日競馬につかうのはこの半分がいいとこだろう、と胸の内で考えていた。


 「そうそう、言い忘れていましたがヨンカーズのレースは普通のレースとは違って、トロッティングレースというやつなんですよ」 「トロッティングレースって?」


 「馬の走り方にはトロット走法というのがあって、普通の競馬の走り方とは違って、左右の足を交互に出す走り方です。


これだとスピードはあまり出ないんですが、うしろに騎手が乗るトロッコのような車をつけて走るものですから、時々その車輪が相手のものとぶつかったりすることがあったりして、お互いに走行が邪魔され、普通の競馬に比べると穴が出やすいんですよ」


「へぇー、そうなんですか。それはおもしろそうだなあ。この前山崎さんが取った穴馬券もその口ですか?」「いいえ、あの時は違います。大穴が出たとはいえ、何のトラブルもないずいぶんすんなりとしたレースでしたよ」

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マンハッタン西97丁目 (第6章) 
ヨンカーズ競馬場




(その2)


バスがハーレムリバーを少し過ぎたとき「大平さん、あれがシェイスタジアムですよ」と、山崎が窓の外のほうを指さした。

「ニューヨークには有名なヤンキースタジアムとこのシェイスタジアムの二つの球場があるのです。ヤンキースタジアムへは一度行ったことがあるんですが、このシェイにはまだ一度も来ていません。大平さん、野球はお好きですか?今度いいカードがある時ご一緒しませんか?」

「ええ、まあ好きなほうです。そのときは是非誘ってください」

そんな会話をかわしながら私と山崎は夕闇の迫った茜色の空の下の広々としたシェイ球場の外観をじっと眺めていた。

バスはだんだんとマンハッタンを離れていき、低い家並みのニューヨーク郊外へと入っていった。
道路の両側の鬱蒼とした並木の奥には広々とした邸宅が延々と連なっている。

その広くて堂々とした構えの家々は、そのほとんどが敷地内にプールを備えているらしく、周囲を芝生に囲まれた中で、その水面に映った夕日がキラキラと輝いていた。

家とはこういうものなのか。私は日本の貧弱な住宅事情を思い出しながら、思わず「うーん」というため息を洩らしていた。

バスがヨンカーズ競馬場へ着いたとき、すでに早春の太陽はすっかり沈んでおり、夕闇の中にこうこうと競馬場の証明が浮かび上がっていた。

「さあ、大野さん着きましたよ」 山崎は座席で「うーん」と言いながら背伸びして、その後ゆっくり立ち上がった。

「案外遠かったですね。バスに乗ってからもう1時間半ほど経っていますよ」そう言いながら立ち上がって下車の準備をした。時計は7時少し前をさしていた。

「大野さん、やはりここまで来ると血が騒ぎますねえ。いつものことながらレース場へ入る前のこの興奮はたまりませんよ」

「おやおや、山崎さんって相当な勝負師なんですね」 修一は笑いながらこたえた。

バスを下車した地点から5分ぐらい歩いて、二人は正面入場口へたどり着いた。

十数人の行列に続いて中へ入り、急傾斜の階段を上がり、中段より少し上の観覧席に空席を見つけると、二人はとりあえずそこは腰を下ろした。

「思ったより空いていますね、山崎さん」 席へつくや否や、ぐるっと辺りを見渡したあと修一が言った。

「日本と違ってこちらはウィークデイの開催ですから、まあこんなもんでしょう。これが金曜日あたりになるともっと混むらしいですけどね」

観覧席も下のほうはさすがに満席に近かったが、上へいくほど空席が目立ち、二人が陣取った中段あたりでもまだ三割ぐらいは空席があった。

日本の競馬場の、あのむせ返るような人ごみはここには無かった。

「ああ、次は第三レースですね」 正面に見える電光掲示板に目をやりながら山崎が言った。

「この前は今日より一時間ばかり早く来ましてね。それで第一レースと第二レースの一着馬を当てるデイリーダブルという馬券をみごと的中させたのですよ。第一レースで一着になったインディアンアローという馬は三番人気でそこそこの力はあったのですが、第二レースの一着馬がまったくの穴馬でしてね。キングサミーという名前だったと思いますが、僕はこの馬にたまたま人気ジョッキーのフィリオンが乗っていたので買ったまでなのですよ。

そうしたところ、四コーナーをまわる所まではまだ四、五番手で、やっぱり駄目かなと思っていたのですが、ゴール前に来るや否や一気に先を走る四、五頭をごぼう抜きにして、終わってみれば十二頭中十番人気のその馬がなんと一着になっていたんですよ。

僕はそのとき日本語で「やった」と大声で叫び、思わず飛び上がりましたよ。でもまさか配当金が3400ドルもつくとは思ってもみなかったですよ。

キングサミーという馬もさることながら、そのときの僕には騎手フィリオンがまるで神様のように思えましたよ」
山崎はそのときの興奮を思い出したかのように嬉々として話していた。

「それでその騎手のフィリオンという人、今日も出るんですか?」「もちろん出ますよ。ほらここを見てください。第四レースと第五レース、それに第七レースと第八レース」。手にした新聞の出馬表を示しながら山崎は得意気にこたえた。

「ああそうだ。大野さんは初めてのことだし、馬より騎手を重視して買ってみてはいかがですか?ほら、ここにジョッキーの今期の成績ランキングが載っているでしょう。一位がフィリオンで二位がウィルソンそして三位がカールで・・・・」

「そうですね。山崎さんも先週それで当てたんですから、私も今日はそれでやってみましょう」

修一は深く考えることなく、山崎の提案したその方法を採ることにした。

第三レースは山崎だけがウィンと呼ばれる一着馬だけを当てる単勝馬券に20ドル賭けた。
結果はゴール前でもう一歩及ばず頭差の二着。

馬群が四コーナーを回ったところで山崎は立ち上がって両手を振りかざしながら大声で馬の名前を呼んで声援をおくっていたが、もう一歩のところで及ばず、惜しくも二着になったことを知ると、「あーあ!」と大きなため息をつきながら、どかっといすに腰を下ろした。

「残念!もう少しだったんだけどなあ。今日はこの前のように最初からうまくいきませんよ。よし!次のレースこそ」 山崎はそう言うとまた予想紙とにらめっこを始めた。

普段はいたって冷静な山崎だが、こういう場面では随分ホットになるものだと、彼のもうひとつ違った一面を見た思いがした。

修一だと、たとえ馬券を買っていたにせよ、彼のように大声をあげて感情むき出しの声援をおくることなど決してできないだろうと思ったりした。

第五レースが終わったところで、二人は軽食でも取ろうと席を立ち通路の奥にあるホットドッグスタンドの前にやってきた。

第五レースで私の買った2−6の複式馬券がみごと的中した。フィリオンの騎乗した馬が二着に入り、三番人気の馬とからめたこの馬券には12ドル50セントの配当がついた。

その馬券を3枚買っていたので配当金はしめて37ドル50セント。それから第四レースと第五レースで負けた20ドルを差し引くと17ドル50セントのプラスであった。

逆に山崎はこの日まだ一レースしか当たっておらず、30ドルあまりのマイナスであった。

「大野さん。初めてにしては上出来ですよ。僕の初めてのときなんか最初の4〜5レースは一度も当たらなかったのですからね」

「これも山崎さんのアドバイスのおかげですよ。ホットドッグとコーヒー、ささやかですが僕がおごります」

二人はホットドッグをほうばって、熱いコーヒーをすすりながら次のレースについて話していた。

あたりはどっぷりと日が暮れており、明々とした競馬場の外には延々とヨンカーズの暗闇が広がっていた。

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マンハッタン西97丁目 (第6章) ヨンカーズ競馬場


(その3)

 第五レースが終わったところで二人は軽食でもとろうと席を立ち通路の奥にあるホットドッグスタンドの前にやってきた。第五レースで修一の買った二ー六の複式馬券が的中した。


フィリオンの騎乗した馬が二着に入り、三番人気の馬と絡めたこの馬券には十二ドル五十セントの配当がついた。修一はその馬券を三枚買っていたので、配当金はしめて三十七ドル五十セント、それから四レースと第五レースで負けた二十ドルを差し引くと十七ドル五十セントのプラスであった。逆に山崎はこの日まだ一レースしか当てておらず、三十ドルあまりのマイナスであった。


 「大野さん、初めてにしては上出来ですよ。ぼくが初めてのときなんか最初の四~五レースは一度もあたらなかったのですからね」 「これも山崎さんのアドバイスのおかげですよ。ホットドッグとコーヒー、ぼくがおごります」


 二人はホットドッグをほうばり、熱いコーヒーをすすりながら次のレースについて放していた。

 「オヤッ、あの人!}山崎が前方を通り過ぎる人を目で追いながら突然小さく叫んだ 「あの人って?」修一もすぐその方へ目をやった。


 「アッ、草山さんだ!」前方十メートルほどのところを腋に新聞を挟んで、ややうつむき加減に歩いているのは確かにあの草山さんだ。


 「大野さん、ぼく行って呼んできますよ」山崎がそういって彼の歩いている方へ行こうとしたので「山崎さんちょっと待って」と、修一は慌てて彼の肩を押さえた。

 「どうしてですか?大平さん。草山さんとは昔なじみなんでしょう?」


 「ええ、それはそうなんですけど、今はちょっとまずいんです。事情があって」


修一は八百ドル貸した日の彼のことを思い出していた。あれからもう四ヶ月以上経つというのに、草山からはその後何の連絡もないのだ。確か彼は、借りたお金は三ヶ月以内に返すと言ったはずである。その期限はもうとっくに過ぎている。


でもその約束も約束だが、あの日から一度も修一に連絡がないということが解せなかった。何度かこちらから連絡を取ってみようかとも思ったのだが、なにか貸したお金の催促のように思われてもと、あえてそれもしなかったのだ。でも三ヶ月を過ぎた頃、一度だけ彼の職場へ電話してみた。でもその日あいにく彼は仕事を休んでいたのだ。


はて、家の電話番号は?と、手帳を繰ってそれを見つけ、そこへも電話してみたが、十回ぐらいベルを鳴らしたが誰も応答に出なかった。その後も何度か職場へ電話してみようとは思ったのだが、いつも実行の段階になると躊躇した。


 まあいいか、そのうち連絡があるだろう、そう思っているうちに、またたく間に四ヶ月が過ぎたのである。


 「大野さんどうかしたのですか。 深刻な顔をして、さっきからいったい何を考えているのですか?」 草山の姿を見たとたんに黙り込んだ修一を見て、山崎が怪訝そうに尋ねた。「ああ、どうもごめんなさい。ちょっと草山さんのことでね。そう言えば山崎さんも彼を知ってたのですね」


「ええ、知ってますとも。今はもういないそうですが、彼の勤めていた日本レストランへはよく行っていたものですからね。それに大平さんがエールトンにいることを彼に教えたのはこのぼくですからね」

 「ああ、そうですか。ついうっかりしていました。でも山崎さん、いま確か彼はもうそこへいない、って言いましたね。それは?」


 「大野さん知らなかったのですか。彼は先月であのレストランを辞めたそうですよ」 「えっ、辞めたのですか。あの『将軍』って店を、でも急にどうしてですか?」


 「ぼくも先週あの店へ行って聞いたばかりなので、詳しいことは知りませんが、何かプライベートなことで問題があったのではないでしょうか。 それにしても大平さんはまだあの店へ入ってなかったのですか?」


「ええ、そのうち一度とは思っていたのですが、つい行きそびれてしまって」  修一は草山が勤め先を辞めたと聞き、約束の返済期日をオーバーしている彼への貸付金のことが気になった。


 「山崎さん、それで彼は今度はどこへ勤めているのですか?」 「ええ、ぼくもそれを店の人に聞いたのですが、誰も知らないようでした。なにしろそれまで居た家も引き払っているそうですからね」家まで引き払っていると聞いて、修一の驚きは増した。そしてその思いは、草山に関する過去の記憶と次第にオーバーラップしていき、いま彼はのっぴきならない不遇の身であるのではないか、と思えたきた。

ついさっき、この競馬場で彼の姿を見たことで、修一には余計そう思えた。


 「大野さん、この話しはまたにして、そろそろスタンドへ戻りましょうか」山崎はコーヒーを飲み終え、時計を見ながら修一を促した。


 観覧席に戻った後も、修一にはまだ草山のことが気になっていて、次のレースの出走表を目にした時にも、気はそぞろで集中することができなかった。


 「山崎さん、今度の六レースはぼくバスしますよ」 「そうですか。まあ新人はあまり入れ込まないで、それぐらいがいいかも知れませんね。じゃあぼくだけ行ってきます」山崎は、さも何もなかったかのように、そう言うとそそくさと席を立ち馬券売り場の方へ歩いていった。


 さっき草山を追おうとした山崎を止めなければよかったのだろうか? でもあの時はまだ彼が勤め先を辞めたことは知らなかったのだし、それに、もし彼を捕まえたにしろ、不遇にある今、どうしてお金を返せと言えようか。


やはりそっとしていてあげて、彼からの連絡を待つしかない。修一はそんなふうに自分の気持ちを整理しながら、ぼんやりとしてスタンドの下のほうを見つめていた。

 その日、修一は五つのレースに賭けて、結果はトータルで十八ドルの負けだった。山崎は、と言うと、この日もまた運の強いところを見せて、最終レースを残したところで百二十ドルほど負けていたのに、その最終レースで一点買いの中穴馬券をみごと的中させ、結果は百十ドルのプラスになっていた。


配当金の三百ドルを手にしながら「大野さん、十八ドルぐらい負けのうちじゃありませんよ。二人併せれば九十ドルのプラスになりますから良かったじゃないですか。さあ早くマンハッタンに戻って、この九十ドルで寿司バーへでも行きましょう」山崎は明るい大きな声でそう言うと、ポンと修一の肩をたたき、先にたってスタスタと出口の方へ歩いていった。


 

 


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