2025年4月20日日曜日

「 いいエッセイ書くなあ、この人」と思った秀作エッセイのご紹介

 

読み物の中ではエッセイがいちばん好きで、ネットで目にしたものはことごとく読んでいますが、残念ながらすべてが良い作品というわけにはいきません。

つまり、読み終えて、「うーん」と唸るような良い作品にはあまり当たらず、たいていの作品が「まあまあだな」程度の感想で終わるのです。

こう書いていて、ふと思い出したのが、「イギリス毒舌日記」というブログのエッセイです。

名前の通り、イギリスがテーマのエッセイで、作者の長年に及ぶイギリス生活記なのですが、筆法鋭く辛口で書いているところがとても魅力的で、すごく気に入った作品です。

偶然なのか今回ご紹介するのもイギリス生活がテーマになっています。それにこの作者も12年という長期滞在で生活体験が豊富な方です。

偶然とはいえ、私はイギリス生活をテーマにしたエッセイと相性がいいのでしょうか。

久々に「うーん」と唸った良い作品でした。


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瀬戸際の七瀬ちゃん

生活費危機のイギリスで収入ダウン!家賃値上げで「国外退去」の崖っぷち

2025/04/18 06:00

#代田七瀬#コラム&エッセー

大手小町 (読売新聞オンライン)



ケンブリッジの家の庭先で、自転車のハンドルを握りしめたまま思わず叫んでしまった。

“Are you an angel ?!”

庭のトネリコの大木で身を休めていたリスや小鳥たちも、あまりにも大きな声に何事かと目を覚ましたに違いない。


60代のイラン人の大家さんは、私の月々の収入がガタ落ちしたことを知り、来月から私の住民税を支払ってくれるという。

生活コストの上がったイギリスで、同僚の研究者や友人たちは「来月から家賃を10%値上げします」という恐怖の通達を次々に受けている。このタイミングで家賃や光熱費や住民税の値上げとなれば、私にとっては国外退去命令も同然だ。


しかし、私の目の前にエンジェルが舞い降りてきた! 大家さんは人懐っこい愛猫ザーラを抱えて、インテリらしい丁寧な語り口で言った。

「僕も大学関係者だったから、研究職を続けるのがどんなに難しいかよく分かる。外国人ならなおさらだ」


30代半ばで交際相手に振られ、「日本には帰らない!」と踏ん張っている底辺研究者の私が、家賃の高いケンブリッジに居続けられるのは、こうやって私の生活を経済的にも精神的にも支えてくれるエンジェル大家さんのような人が数人いるからだ。


彼らは口をそろえてこう言ってくれる。「Nanaseは家族だから」と。


シェアハウスで暮らすイギリスの若者たち

ケンブリッジは首都ロンドンから電車で1時間ほどの町。中心部を流れるケム川(River Cam)にかかる橋(bridge)が地名の由来と言われている。川にゆかりのある「七瀬」という名前の私が、この町に身を置いているのも、何かの縁かもしれない。


ケム川沿いから10分ほど歩くと、私の暮らす一軒家がある。150年以上前に建てられた家屋はフレームだけを残してリノベーションされ、内装も外観もモダンハウスといったたたずまいだ。


広い庭には樹齢100年を超えるトネリコの大木が堂々と根を張り、ラベンダーや水仙やクロッカスが季節ごとに現れる。庭の壁にはブドウやイチジクやバラも顔を出す。手作りの小さな池には、黄色い花を咲かせるマーシュマリーゴールドや紫色のアヤメが咲く。エンジェル大家さん自慢の庭だ。


私はこの一軒家の2階の一室を間借りしている。窓を見下ろすと、1階に暮らす大家さんが愛猫ザーラとほのぼのと庭で散歩をしているのが見え、遠くに目をやれば、ゴシック様式の教会が尖塔をのぞかせる。日曜日の朝には、教会の鐘がこれでもかというほど鳴り響く。


豊かな英国ライフを絵に描いたような、いかにも“丁寧な暮らし”をエンジョイしているように思われるかもしれないが、実態は楽じゃない。イギリスでは経済的な理由から、学生や若い社会人はシェアハウスで暮らすのが一般的だ。


私も、香港から来たリンとキッチンやバスルームをシェアして暮らしている。ケンブリッジ大の博士課程に籍を置くリンは機転の利く、早口で気前のいい女性だ。仕事の愚痴やガールズトークを何時間もする関係ではないけれど、「どうぞ」と書いた紙切れをそっとキッチンに置いて、チョコレートやスイーツを交換してお互いをねぎらう。


ケンブリッジでワンルームタイプのアパートを借りる場合、家賃相場は1200~1800ポンド(約22~35万円)。イギリスの大卒初任給が1600~2500ポンドと言われているので、アパートを借りて一人暮らしなんてとてもできない。大手の投資銀行や有名なコンサル、世界的なIT企業に勤めるか、安定した収入のあるパートナーと同棲でもしない限り1LDKなんて夢のまた夢だ。


その上、イギリスはここ数年続く記録的なインフレで、2021年頃からcost of living crisis(生活費危機)に襲われている。急激な物価高や家賃の高騰などで生活苦に陥り、冬に暖房代を払えない人たちも出始めた。多くの地域で「フードバンク」ならぬ「ウォームバンク」と称し、暖を提供する公共スペースやNGOやカフェが日中に人々を迎え入れた。


そんな生活費危機が身近に押し寄せている中、ケンブリッジ大でポストドクター研究員としての1年間の契約は終わり、講師に切り替わった。研究員であれば一定の月収をもらえるが、講師は教えた分を時給で受け取る。だから、授業のない長期休暇中に収入はない。私の所得が大幅に減ることははっきりしていた。


経済的に支え合えるパートナーがほしい

エンジェル大家さんの計らいで、生活費危機とワーキングプアのダブル・ピンチをなんとか乗り越えられそうだが、こうなると、やっぱりパートナーがほしい。経済的に支え合える「家族ユニット」的なチームメートがいれば、生活は少しでも楽になるのにと考えずにいられない。


そして私はまたデートアプリを開いてスワイプを始める。最近は、「家を買った」という人とアプリでマッチして会うことがよくある。

先日会ったのは、ケンブリッジから1時間ほど郊外にあるスポールディングという小さな町に暮らす30代後半の男性だ。身長は175センチくらい。短く刈り込んだ髪の毛はやや少なくなりはじめ、これといって特徴のない顔だけれどニコッと笑顔になるとチャーミングだ。


彼はコーヒーを片手に、子どもの時にサッカーで「スーパー補欠」というトロフィーをもらったと笑いながら話していた。カッコつけない自然体な人だった。そして数年前に「自宅を買った」ということも。


家族、友人、仕事、家、コミュニティー……、友人を除いて私が持っていない全てを持っているように見えた。「経済的に頼もしい。一緒に住んだら家賃0ポンドかな」とか、「家持ちの彼氏なんて超ラッキー」くらいに思えればいいのに、私は心のシャッターをそっと下ろしていた。


“I don`t want to die in Spalding…”

スポールディングで一生を終えたくない……。だって、外国人の私がそんな田舎に住んだら孤独になる。そして私にできる仕事は、たぶんそこにはない。あなたには「家」よりも「国際感覚」を持っていてほしかった。私は密かにそう思っていた。


夜中に狭いキッチンでリンとすれ違った。そういえば、落ち込んでいたリンに、彼女の大好きなポルトガルのパステル・デ・ナタを買ってきて、キッチンに置いておいた。

「タルトをありがとう。本当、うれしかった」と早口で言うリンの背中に、「しっかり休んで」と声をかけた。自分の部屋に戻り、私は静かにドアを閉めた。

ソファー代わりのベッドの端に座り、スポールディングから来た彼に、次のデートのお断りの返信メッセージを送る。私は小さく息を吐いた。


(英・ケンブリッジ大講師 代田七瀬)


出典:大手小町


2025年4月17日木曜日

T.Ohhira エンタメワールド〈2〉うわさ 台風 そして青空

  短編小説 34,000文字(400字原稿用紙85枚)連載13回毎木曜日掲載



噂・台風・そして青空


(あらすじ)

兵庫県H市で小中学生対象のフランチャイズ学習塾を運営している砂田文夫は、その年の8月末、本部との連絡会議の後で、社長の小谷から予期せぬことを質問された。それは本部の社員間で流れているH市の塾講師に関する妙な噂話についてであった。砂田は寝耳に水で「その噂とはどんなことですか」と訊ねると、小谷はいかにも言いにくそうに内容を話した。なんと、7月の生徒のサマーキャンプの際、誰もいない深夜の食堂でH市から生徒を引率した講師浜岡康二と南三枝が「いかがわしい行為をしていた」というのだ。いかがわしい行為とはすなわち性行為のことである。砂田は耳を疑った。浜岡康二と南三枝はまぎれもなく砂田の部下だが、内容が口に出すのもはばかるような破廉恥なことだったからだ。その後すぐ二人の姿が瞼に浮かんだ。あのまじめな浜岡と、明るく清楚な感じの南が、いかに婚約中の身だとはいえ、200名もの生徒を引率して行ったキャンプ場で、そんな浅はかな行動をとるだろうか。いやそんなはずはない。あの二人に限って。ということは、これは偽りの噂なのか、でも誰が何の目的で・・・。いずれにしても放ってはおけない。断じて真相を解明すべきだ。砂田は帰りの新幹線の車内できっぱり決意し、H市に着くなり行動を開始した。だがその解明は甘くはなく、途中 何者かによって事務所にガス爆発(未遂)を仕掛けられるなど大きな困難に遭遇しながらも、「負けるものかと」と、砂田はなおも真相解明に突き進んでいった。


                   


 うわさ・台風・そして青空 



           


H市への帰途、新大阪駅から新幹線に乗って、列車が西明石駅を過ぎる頃まで、砂田文夫はその日、本部の社長、小谷から聴かされた思いもよらないことについて考えていた。


いかに婚約中の仲だといえ、よりによってあの二人が二百人もの子どもたちを引率して行ったキャンプ場の夜の食堂で、そんな破廉恥なことをするだろうか。 いや、そんなことあるはずがない。あの二人に限って。 するとこの噂はいったい何なんだろう。


二日目の夜、キャンプ場の食堂で、講師の浜岡康二と南三枝がやっていた

 口に出すのも憚るようなこんな噂、いったい誰が何のために流したのか。

 

 「あと約五分でH市に到着いたします」

ふいに車内アナウンスの声が耳に入り、文夫は頭を上げ、乗車して初めてまともに車内を見渡した。前方のドアの上の三号車という文字を見たあと、ふと横に目をやると、三人がけの席の真ん中を空けた通路側の席に、若くてすごくチャーミングな女性が座っているのに気がついた。


 「オヤッ、あの人いつ座ったんだろう。おかしいなあ、こんな美人が横に座っているのに気づかなかったなんて・・・ そうか、それほど小谷から聞いたあの二人についての噂話のことに気を取られていたのだ」


 文夫はチラッとそんなことを考えて、このまま席を離れるのは少し惜しい気がしたが、立ち上がって下車の準備をした。


 猛暑もやっと峠を越した八月最終週のその月曜日、大阪の本部で開かれた恒例の打合せ会議に臨んでいて、夕方から社長の小谷とホテルのバーで飲んでから、八時過ぎに帰途につき、列車が間もなくH市に着こうとしていたときはすでに九時を過ぎていた。


 三号車を出て出口のドアの前に立つと、列車はもうH市の駅のすぐ近くまで来ており、駅周辺の見慣れたネオンサインがキラキラと輝いていた。


 とにかく早く浜岡と南三枝に事情を聞いてみよう。でも電話で聞くにしても、こんな話を女房や子どもの前でするわけにはいかない。遅いけど、ひとまず事務所に戻ろう。そしてあの二人に電話して真相をただしてみよう。


 車中でずっと考えていて、そう結論づけていたことを文夫はもう一度自分に言い聞かせて下車すると、足早に出口のほうへ向かって歩いて行った。 


 駅前に出ると、近距離で運転手に嫌な顔をされるのは分かっていたが、それは承知の上でタクシーに乗った。いつもなら二十分ぐらいかけて歩いて行くか、バスに乗るかのどちらかなのだが、この日ばかりは気がせいていて、とにかく早くあの二人に電話しなければと、運転手の嫌な顔など、さしたる問題ではなかったのだ。 


 タクシーは三分ほどで花川町へ着き、歩道を五~六歩進んだ所にあるビルの細い階段を四階まで駆け上がり、事務所へ入るや否や、乱れた息づかいを整えようともせず、すぐ机の上の電話に手を伸ばした。                            

 

「はい、浜岡でございます」 

 受話器の奥から、何度か聞いたことのある老女の上品な声が響いてきた。浜岡の母親の声だった。まだ一度も会ったことはなかったが、その品のある耳障り良い声を聞く度に、文夫は物静かで知的な風貌の老女の姿を想い浮かべていた。

 「夜分申し訳ございません。真剣塾の砂田です。浜岡君、いらっしゃるでしょうか」

 月曜日だと、八時半にレッスンを終えもう戻っているはずだと、文夫は時計を見ながら、頭の中で浜岡のレッスンスケジュールを確認して、そう尋ねたのだった。


 浜岡康二、二十九歳。文夫が代表をしている「真剣塾」に入ってきて今年で二年目。

 大学時代に父親を亡くしていて、今は母親と二人暮し。姉が一人いるが、すでに嫁いでいて九州の大分に住んでいるという。文夫の学習塾に講師として入ってきた時は二十七歳で、その歳にもかかわらず既に履歴書には過去五つもの職歴が記されていた。

 「五年間で5ヵ所ですか、よくお変わりになったほうですね」


 面接のとき、自分とは一回りほど下のなんとなく気弱そうな浜岡に向かって文夫はそう尋ねた。

 「ええ、5ヶ所のうち2ヶ所がつぶれたりして運もなかったものですから」

  浜岡は、ややメリハリに欠ける声でボソッとした調子で応えていた。


 「あいにくですが、康二は只今留守でございます。あのう、本人からお伝えしていませんでしたでしょうか。今月から、塾が終わった後で、深夜二時まで別の仕事を始めたのですが」


 「塾が終わって別の仕事を? いいえ、聞いていませんが、それ最近お初めになったのですか」   

「はい、十日ぐらい前からです。いえ、私は反対したのですけど、本人が結婚資金の足しにするためにどうしてもと言って、あなた様には、前もってお伝えしておくように申しつけたのですけど」 

「へー、十日前から、深夜二時まで。それでどんなお仕事を?」

 「パン屋さんなんです。朝までに作るパンの仕込みの仕事らしいんですけど」

 「へえー、浜岡君がパン屋さんへ、それは知りませんでした。


いえ、こんな時間にお電話しましたのは、ちょっと急用がありましてね。でもお帰りになるのが深夜二時では遅すぎて連絡も難しいし・・・。 分かりました。それでは申し訳ありませんが、彼に明朝事務所のほうへ電話くださるようにお伝えいただけませんか。9時半過ぎに」


 浜岡が留守で、その理由は分かったものの、深夜の二時まで働く彼の家庭の事情に対して少し解せない気持ちを残しながら文夫はとりあえずそう伝えて電話を切った。

 でも浜岡君はなぜだろう。この塾で五時間あまりも頭と神経を使う仕事を終えた後で更に別の職場で深夜の二時まで働くなんて。おまけにその仕事がまったくお門違いのパン屋での仕込とは。


ここでの給料の手取りは二十一万円、勤務時間を考えれば決して低い賃金でもないはずなのに。南三枝との結婚資金を貯めるため、と母親は言っていた。 もしそうだとすると仕方ないか、転職の多かった彼のこと、貯金もすくなくて、結婚のためにはそうせざるを得ないのかもしれない。何しろ新婚旅行はヨーロッパ一周したいなどと言っているんだし、あの歳だったら少しは体の無理も利くだろう。


それはそうと浜岡君がいないとすると今夜中に少なくとも南三枝とは話しておかないと、そうでなければこんな夜中にわざわざ事務所へやってきた意味がない。


 文夫は改めて自分にそう言い聞かすと、また受話器を上げてダイアルに手を伸ばした。


つづく


次回 4月24日(木)


2025年4月13日日曜日

(Play Back series No.5)トランプ大統領が嫌われるのは

 

初出;2017年3月15日水曜

更新;2025年4月13日

トランプ大統領は典型的な ”オレ様(傲慢)症候群”・サイコパスとも言われているが


トランプ大統領が嫌われるのは傲慢症候群だから

アメリカの大統領が変わって2ヶ月が過ぎましたが、新大統領トランプ氏の支持率は、当事国アメリカでは50%程度です。

では日本での支持がどれぐらいかと言えば、おそらくアメリカよりうんと低くて、せいぜい20%が良いところではないでしょうか。

20%でも高すぎると思う方がいるかもしれませんが、これは男女平均のもので、女性だけをとってみると、おそらく15%にも達しないでしょう。

なぜ女性の支持がそれほど低いかと言いますと、トランプ大統領には日本女性が嫌う点を多く持っているからです。それが何かといいますと

例えば

・高慢なところ

・冷たいところ

・自慢ばかりするところ

・自分勝手なところ

などです。

日本の女性はこうした点を持つ男性を極端に嫌いますが、残念ながらトランプ大統領にはこれらすべて揃っているのです。

その上、文言春秋3月号には「トランプはサイコパスである」という記事が載っていました。サイコパスとは精神病質者のことです。

記事によれば、彼は性格に精神病的なものを持っているということです。

それだけではありません。サイコパスのような病的なものではありませんが、トランプ氏は「傲慢症候群」という特異な性格の持ち主でもあるのです。

傲慢症候群は別名「オレ様症候群」とも言われますが、名前が示す通り、何かにつけて自分が中心にならないと気がすまず、人や社会に対して傲慢さをむき出しにする性格です。

これに関しては精神科医 片田珠美氏の書いた「オレ様化する人たち」という本がありますが、この本によりますと、傲慢症候群にかかった人には次のような行動をとることが多いようです。

その行動とは

人の話を聞かない

顧客、従業員、投資家、消費者団体、行政のいうことを聞かなくなる。外の世界に耳を傾けない。人の話を無視する、笑い飛ばす。すべて知っていることだと思い込んでいる。

自らを誇示する

豪華な社員旅行、快適なオフィス空間、気前のいい役得、贅沢な保養所。会社の専用ジェット機や美術品のコレクションを見せびらかしたがる。(後略)

人を威嚇する

従業員、顧客、投資家を脅すよう経営陣に奨励し、報酬まで出す。アナリストが会社に不利なレポートを出してきたら、その上司にかけ合って、叱責か懲戒処分を与えることを考える。(後略)

横暴になる

ガバナンスなどうちには関係ない、誰も我々の事業を規制はおろか問題視さえできないと思っているので、ルールや手順を守らない。

同意ばかり求める

コンサルタントやアドバイザーを招いて、現状の正当性を確認し、自尊心をあおる。その一方で、供給業者や顧客だけでなく従業員でさえも、批判的な者は切り捨てる。広告代理店や調査会社の提案する戦略が気に入らない場合は、別の業者に切り替える。

自社開発主義(自前主義)症候群

現実否認の会社と同様、「自社開発でない」ものはよいわけがないと信じている。

などの6点です。

どうですか?これを見て、これらほとんどがトランプ氏に当てはまるのでは、とは思いませんか。 

一人づつアンケートをとるまでもなく、ほとんどの女性をはじめ、多くの人が「その通り」と答えるに違いありません。

それもそのはずです。上の6項目は女性が最も忌み嫌う点だからです。 

したがって上の項目のほとんどを持ち合わせているトランプ氏が嫌われるのは当然のことなのです。

でもこの「傲慢症候群」に取りつかれているのはトランプ大統領だけではありません。 

実は日本の安倍首相も同類である、といういう人が少なくないのです。

これを聞いて「なるほど!」とうなずく人は多いのではないでしょうか。

なぜならトランプ大統領自身が「安倍首相とはよく気が合う」と言っているように、二人の相性は抜群に良いからです。 

つまり二人は似た者同士?なのです。

日米という、お互いの国を背負っている二人の代表者が「傲慢症候群」にかかっているとは、困ったことではありませんか

 


《バカ》がテーマの本 2冊ご紹介

 

その1《バカの国  百田尚樹  新潮新書》



内容説明

バカが溢れている。何でもいちゃもんをつけて炎上させるクレーマー・バカ、SNSで自らの愚かさを世に知らしめる新手のバカ、常人には理解不能な真正のバカ。だが、笑ってばかりもいられない。血税を食い潰す役人、保身しか頭にない政治家、危機管理能力のない政府…バカは、いまやこの国の中枢まで侵食しつつあるのだ。ベストセラー作家がツッコミながらも警鐘を鳴らす、笑いと怒りの123篇!


目次

第1章 クレーマー・バカ(何でもかんでもクレーム;「弱者のため」を装うクレーマー;そのクレームは誰のため?)
第2章 やっぱりSNSはバカ発見器(自己顕示欲の化け物;暴走するスマホ)
第3章 世にバカの種は尽きまじ(ただひたすら迷惑なバカ;プロ意識のないバカたち;理解不能なバカ)
第4章 血税を食べるバカ(生活保護を悪用する人たち;税金を狙う人たち)
第5章 公務員の楽園(役人と書いてバカと読む;モラルのないバカ;地方議員のバカ)


著者等紹介

百田尚樹[ヒャクタナオキ]
1956(昭和31)年大阪市生まれ。同志社大学中退。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」等の番組構成を手掛ける。2006年『永遠の0』で作家デビュー。『海賊とよばれた男』(第十回本屋大賞受賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

                出典:紀伊国屋書店ウェブストアー

 

 

感想・レビュー ( 出典:読書メーター) 


  ひまわり*

「百田尚輝チャンネル」なるものに掲載されているコラム集の第2弾。これまた隙間時間に読んだので、一年くらいかかったかも(笑)なのでまたまた最初の方は忘れてる。これまた知ってるものから知らないものまで、色んなバカが溢れてます。そしていち個人のバカの話がうならされますね。ここには取り上げられてはいないが、身近なニュースでも似たようなバカなニュースが報道されているのを見ると。理解が難しいですね。百田さんはやっぱり文章はとても上手だと思う。

 

黒木文庫

笑えるバカから笑えないバカまでバカばっかり。選ばれた立場でバカになった人たちには怒りすら覚える。生活保護の件に関しては全くの同意見をもっている。衣食住をしっかりと保障した上で、娯楽を楽しみたいのであれば、誰でもできる仕事(作業)に取り組み、その上で報酬を得る(国あるいは自治体はその仕組みを整備する)。働いた人よりも働かない人の方が豊かな(ワガママな)生活ができるなんて絶対におかしい。

 

CEJZ_

1P15行。2020年刊。2015〜2019年頃の三面記事的事件、珍事を紹介批評。未読の百田尚樹の新潮新書を消化する。まえがきが長い長い。そういえばあったなあと、数年前の事件等をいろいろ思い出す。公務員の不祥事、珍事をまとめた第五章「公務員の楽園」が興味深いが、関西方面、特に兵庫県の公務員の不祥事、珍事の記述が多いのはたまたまなのか、兵庫県が件数的に特に多い傾向なのか。それにしても各社の新書のタイトルは、バカやアホを冠した著書名が多いなあと思う。

 

Nao Ko

このシリーズ、4作目。笑えない、笑ってる場合ではない!!だからと言ってどうすればいいかわからないけど…一般市民のおバカな事件はかろうじて笑えなくもないですが、税金で稼いでる奴らの件はも~も~本当許せない!!俺のお金は俺の物、人のお金も俺の物ですか?でもでもそういう厚顔無恥な人じゃないと政治家、議員、公務員なんてやってられないだろうな~とも思う。モラル無さ過ぎで、開いた口が塞がらない…お金を巡る魑魅魍魎の世界。自己肯定感が低く、気い使い~の私には絶対出来ないし💦

 

まんむー

百田尚樹さんの有料メルマガの中から「バカだな」と思った人達のニュースをピックアップして、百田さんならではのきつ〜いコメントが付いてます。記事は2015年あたりから2019年くらいまで。こんなことあったなぁ〜とか、こんなことしてる人がいるんだ、と思いながら読みましたが、忘れかけた時にこの本を読んで思い出し、ネットで調べる。ズッーっとネットの中、本の中、バカなことをした記録が残り続けるというのも怖いものですね。

 

ビグ

2015〜2019年の百田さんのメルマガ配信の中から「バカ」な奴の記事をまとめた本。読んでいると日本のあちこち、一般人から公務員、そして地方・国会議員のバカな奴がこれでもかというくらいに登場する。やはり私のかんにさわるバカは税金を湯水のように使う議員や生活保護者。まあ、国会議員が訳のわからないお金の使い方をしなければ、税金は上がり続けなくてもよいのではと勘ぐりたくなるほど。人間は楽な方に流れやすいけど、それに流されない強いニンゲンを選挙で選びたい。けど、そんな事見た目じゃわかんないから難しい



その2《バカに唾を書けろ》 呉智英 小学館新書



  内容説明

偽善、欺瞞、疑惑―3ギまみれの衆愚社会を撃つ!自称知識人たちの無知・無見識をあぶり出す“劇薬”


目次

第1部 時代を疑え(スケベ人間って言ってみろ;この本はこう読め;「分断社会」への忖度 ほか)
第2部 俗論を疑え(仏キ同罪論;謬説の蔓延;国名の不思議な呼び方 ほか)
第3部 通説を疑え(伝統を知らない保守派たち;世俗化する天皇制;江戸時代に日本国憲法? ほか)


著者等紹介

呉智英[クレトモフサ]
1946年、愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業。知識人論やマンガ論などの分野で執筆活動を展開。日本マンガ学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。            


出典:紀伊国屋書店ウェブストアー



 

感想・レビュー ( 出典:読書メーター) 

 

WS

言葉の定義を正確に捉えることの大切さとともに、物事を見る際の時間軸の大切さを学んだ。人権を疑えの2本の論文は、目から鱗、納得の連続だった。

 

なをみん

「バカにつける薬」の興奮から30年以上経ったのか。相変わらず「利口ぶってるバカ」への的確な批判を中心に「人の嫌がること」をちゃんと言い続ける仕事ぶりは立派で学ぶことも多いけど、何も唾までかけることはないだろうとか感じてしまうのは時代も自分もさすがに何か変わってきたのかもだけど、こんな時代だからこそ真面目に聞かれるべき彼の主張も実はあるのだけどなあとも思うけど。

 

koishikawa85

久しぶりの呉智英さんの本。毎度のお話もあり、新しく知ったこともある。でも、つくづく考えてしまうのは、人権が一種の制作物であって、人間の本源に基づくものでも何でもない、という指摘。確かにそうだ。でもこの理屈、中国は大喜びだろう。欧米による中国への批判は自らの民主主義を唯一の真理と勘違いしている単なる傲慢です、という主張を補強するものだからだ。小田嶋さんが自分の著書にその正義があぶない、というタイトルをつけたことを後悔していたが、私も小田嶋さんに今は共感する。

hiroshi0083

本書には、著者の呉氏が「週刊ポスト」に隔号連載した時評コラムのうちの、2018年から2021年までの分が収録されている(さらに過去の新書の原稿2篇も収録)。 日常の出来事やニュース、あるいは書籍などを挙げ、そこに潜む矛盾や良識、約束事に物申すスタンスでわかりやすく、時にはタブーも恐れず斬り込んでいく。そんな呉氏の著作から気づかされたり感銘を受けたりしたことは、氏の著書を追いかけたこの30年の間に数えきれない程たくさんあった。