いまや世界的に普及してきた人気簡易食品インスタントラーメンだが、その歴史は世界ラーメン協会会長の元日清食品社長(故)安藤百福(ももふく、日清食品創業者)が
大阪でチキンラーメンを作って以来50余年の間、毎年うなぎ上りの成長を続け、2008年には1千億食に達した。
上は世界の主要消費国における即席麺(インスタントラーメン)の消費量、及び人口1人当たりの消費量をグラフである。
最新の集計では、953.9億食と過去最大となっており、2009年には世界不況の影響で910億食台に落ち込んでいる。
消費量全体では、中国が423億食と世界全体の約半分を占め最も多く、次にインドネシアの144億食が続いている。日本は世界第3位の53億食である。
一方、人口1人当たりでは、韓国が70食と最も多く、インドネシア、ベトナム、マレーシアがこれに続いており、日本は42食で世界第5位である。
日本で開発された即席麺(インスタントラーメン)はいまや世界、アジアの食として普及するに至っている。
各国における即席麺の特徴は以下の表の通りである。
各国の特徴
・中国 世界消費量の半分を占める。香辛料の効いたビーフ風味が中心
・インドネシア 1人当たり消費は世界第2位(図参照)。汁なしのやきそばタイプが半分を占める
・日本 カップ麺割合が60%以上と最も高い。しょうゆ、みそ、とんこつ、塩味基本
・米国 スープはチキン味、シュリンプ味、ビーフ味が主流
・ベトナム 近年消費量が急拡大。スープは酸っぱくて辛いシュリンプ味が第1位
・韓国 1人当たり消費は世界1(図参照)。1958年に日本で開発されて後5年遅れて1963年に韓 国で生産開始。
袋麺の割合が75%でビーフ味、キムチ味など辛口風味が好まれる
・フィリピン 汁物袋麺は朝食としても食べられ、チキン味、牛骨味が人気
・タイ 世界3大スープの一つ、酸っぱくて激辛のトムヤムクン味が中心
・ブラジル 日本より柔らかい麺が好まれる。風味のよい地鶏味が第1位
・台湾 カップ麺の割合が50%と高い。ポーク味が半分を占め、次いでビーフ味
(資料)東京新聞2008.4.11など
世界一の消費国韓国では、インスタントラーメンはラーミョンという名で親しまれている(普通のラーメンは生ラーミョンという)。
ラーミョンは韓国において高度成長とともに工事現場や軍隊の間食、学生の夜食などの簡便食として普及したが、いまではトウガラシ味インスタントラーメンが開発されたほか、韓国式ファーストフード店である粉食(プンシク)店のメニューとして、またブデチゲ(部隊チゲなる軍隊・闇市で考案されたというハム・ソーセージなども入れる闇鍋風のチゲ鍋)の最後に必ず入れて調理する食材としても利用されるなど応用範囲が広い食べ物となっている。
以上、インターネット「社会実情データ図録」より
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