2011年1月5日水曜日

激減したハーバード大学日本人留学生

ハーバード大学


世界の大学ランキング

いま名実ともに世界で最も名を馳せている大学と言えばなんと言ってもまずアメリカのハーバード大学の名前を挙げるのが順当ではないだろうか。

これが一昔前だと英国のケンブリッジやオックスフォードに遅れをとっていたかもしれないが、今はその地位は完全に逆転しており世界中から集まる秀才留学生数トップの座に堂々と君臨しているのである。

日本のメディアでもこの大学の様子はよく取り上げられており、ごく最近でもNHKで「ハーバード白熱教室」という同大学で最も人気のある「サンデル教授」の授業がシリーズで放映されている。

また最近の出版物でも同じタイトルの本が出版されており、その他「にも大和書房」からも「ハーバード大学の人生を変える授業」というタイトルの本で人気教授「タル・ベン・ジャハー」氏による人気を博した授業の講義内容が紹介されている。

このように最近になってこの大学の授業はわが国で大きく注目を浴びてきているのである。

しかしである。

こうした日本社会での大きな注目に反するように、近年この大学に留学する日本人学生の数が激減しているのである。

まず下の数字を見て欲しい。

2009年度の海外からの留学生(アジア地域)
 
 韓国       42人
 中国       36人
 シンガポール  22人
 インド       20人
 日本        5人

日本人としてこれはまるで目を疑いたくなるような数字ではないか。

いずれも二桁のアジアの他の国に対して日本だけが一桁で、しかも5人でしかいないのである。

もちろん各国の大学をめぐる国内事情は大きく違う。

これらアジアの他の国に比べて日本には東大・京大というような世界に名を馳せた立派な大学もある。

しかし心配なのは、このところ過去に比べて極端に減少しているという点である。

さらにこの傾向はハーバード大学の留学生だけに留まらず、米国全体の留学生数もこのところ大きく後退してきているのである。

実際の数字を挙げてみるとインドと中国が各々「10万人余」、韓国が「7万人」。

それに対して日本人はわずか「3万人余」とこれら3国に大きく水を開けられているのである。

これでは「世界の先進七カ国」のメンバーとしてはいかにも情けないではないか。

この日本人留学生の激減については、日本人だけでなく大学の当事者であるアメリカ人教授さえも原因究明に頭をひねっている。

例えばハーバード大学社会学部長で大の日本通の最近講談社現代新書から「リスクに背をむける日本人」という本を日本の大学教授と共著で出版したメアリー・ブリントン教授(女性)はその著書の中でこう述べている。

「アメリカの大学に在籍する日本人留学生の激減は非常に気になる。一部ではその原因を日本人が内向き志向に変わったせいにしてているが、何と言っても世界でもっとも高等教育の優れたアメリカに留学生を送らないのは日本にとって将来的にも大きな損失である」

この教授は大の日本通であるがゆえに今の現状を心配しているのである。

どうか教育界に携わる関係者はこうした現状を正しく認識するとともに、速やかに原因を究明して早急に失地回復に努めて欲しいものである。

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