2018年6月18日月曜日

嘘つきは泥棒の始まり・でも嘘はなくならない




人間社会には嘘はつきもの


・嘘から出た実
・嘘つきは泥棒のはじまり
・嘘八百
・嘘も方便
・嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる


上に並べたのは嘘がつくことわざの代表的なものですが、これらの他にも、格言や名言などまで範囲を広げれば、嘘がつくものは数限りなくあります。

それほど嘘は人間社会と密接に結びついているのです。

嘘が世の中の多くの話題をつくっている


最近の世の中は嘘が蔓延しています。森友問題、加計問題、日大アメフト問題、それに海を隔てたトランプ問題など、いずれも渦中にある人たちによるウソの発言が波紋を呼んでいます。

これらに加えて、大きな社会問題となっている振り込め詐欺。これこそ嘘が生み出す大きな犯罪です。


嘘と詐欺の関係


犯罪の一種にサギがあります。振り込め詐欺、寸借詐欺、結婚詐欺など、その種類は多様ですが、これらすべてが悪質な犯罪行為です。

こうした詐欺のもとになるのがウソです。つまりこれらのサギは嘘をついて人を騙すことによって成り立ちます。

ということは嘘がなければこれらの犯罪は成立しないことになります。

これで分かるように人がつく嘘こそ、多くの犯罪を生む原因になるのです。


詐欺は小説、映画の格好のネタになる


上述のように、いま世の中を騒がしている森友、加計問題、日大アメフト問題などは、いずれも関係者のウソが問題の発端になっています。

いずれもがマスコミに大きく報道され、人々の関心の的になっています。

人々がこうした問題に大きな関心を抱くのは、いずれも嘘が根底にあるからです。

要するに嘘は人々の興味を誘う格好の対象なのです。言い換えれば面白いこと、とも言えるのです。

面白いがゆえに、嘘はよく小説や映画のテーマに取り上げられます。

最近の映画でも大竹しのぶ主演の「後妻業の女」がありました。これは老人を騙す結婚詐欺の話ですが、とても面白い作品でした。

では小説では、どんな作品があるでしょうか。数々ある中で、特に忘れがたいのはシドニーシェルダンの「明日があるなら」です。


シドニーシェルダンの小説「明日があるなら」に出てくる詐欺の話


ベストセラーになった小説「明日があるなら」には名詐欺師が登場します。

その手口は見事なもので、これだったら誰でも騙されてしまうのでは、と思うほどの凄い手口です。

ここでは作中で使われた二つの詐欺の手口をご紹介します。

なお、この話は以前にもこのブログで取り上げたことがあります。



詐欺の手口(その1) ・みごとに騙された宝石店

ある宝石店にすごく珍しい高価な宝石が陳列されていました。その宝石は世界にひとつしかないという貴重なものです。

主人公の詐欺師はある企みをもって数万ドルもするその宝石を買うことにしました。

詐欺師はそれを購入してしばらくたって再び宝石店に出向き、無いことをを承知の上で、店主に「同じものをもう一つ欲しい」と伝えまいた。

当然のごとく「あれ一つだけで同じ物はありません」と店主が応えました。

先刻そのことは承知しており、詐欺師は店主に対してある提案をしました。

「どうしてもあれと同じものがほしいので、新聞に広告でも出して探して欲しい。値段はいくら高くてもいいから何としても探して欲しい」

値段はいくら高くてもいいと言うセリフに店主は食指を動かされ、早速広告を出して探すことにしました。

広告に提示された買取価格は驚くほど高価格であった。

その広告を確認した詐欺師は、今度は入念に変装をして先日その店で購入した宝石を携えて、別人になりすましてまた宝石店へて向かいました。

そして宝石をまんまと二倍の値段で売却したのです。

そしてホテルへ戻り、急いで身支度をするとチェックアウトして空港へ向かいその街を去ってしまったのです。



詐欺の手口(その2)・ ニセ札印刷機


主人公のところにある男が訪れてきました。

部屋には印刷機らしいものと、その機械の上には濡れた100ドル紙幣が何枚もべたべた張られていました。

男が不思議そうに訊ねました

「あれはいったい何ですか?」

「あああれねえ、先ほどあの印刷機で作ったばかりの100ドル札ですよ。まだ乾いてなくてねえ。ああして干しているんですよ」

「へえ、あの機械でつくった100ドル札・・。」

男はそう言いながら印刷機のそばへ近づいていき、100ドル札と機械を交互に眺めていました。

席に戻ってくると男はこう言いました。。

「それにしてもいいできですな。本物とまったく区別がつかない」

「気にいってくれましたか。どうですか。あれが乾いたら1枚進呈しますから、外で使ってみたらいかがかですか」

しばらくして男は乾いた100ドル札を手にして早速タバコを買いに外へ出ました。そして満面に笑みを浮かべて戻ってきました。

「タバコ店でもまったく疑われませんでしたよ。ほらこれタバコのおつり」男はそう言って釣銭をテーブルに広げて見せました。そして店主にこう言ったのです。

どうですか。私にあの印刷機を譲ってくれませんか。値段はお望みの金額で構いませんから。

主人公は男の言い分を飲んで100万ドルでその印刷機は売却しました。

そしてすぐさま事務所をたたみ姿を消してしまいました。

その機械というのは今はもう出回っていない古い複写機で、上に張っていた100ドル札は本物を水で濡らしただけだったのです。

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