2020年8月1日土曜日

大相撲の翔猿(とびざる)・「初の懸賞金は母へ贈る」は微笑ましい、でも受け取り方がそっけなかった


力士は懸賞金の受け取り方をもっと考えたほうが良い

テレビで大相撲を観ていていつも疑問に思うのは懸賞金の受け取り方です。

それは懸賞金がかかった勝負に勝って、行事から金一封の入った祝儀袋を受け取るときの態度です。

この際ほとんどの力士はまったく表情を変えず、無表情のまま手刀を切る(注1)だけで受け取ります。

そして受け取った袋を付き人に渡す際も同じで、表情を変えず一言も発すること無く渡します。



一体懸賞金をどう思っているのでしょうか。嬉しくないのでしょうか。

こういうふうに強く思ったのは30日の翔猿の取り組みです。

彼は十両上位(二枚目)の力士で、この日は幕内力士の千代丸との取り組みでテレビ中継に出たのです。

この取組で翔猿はみごとな下手投げで千代丸を破りました。

幸いにもこの取組には懸賞がついており、彼は力士になって初めての懸賞金を手にしたのです。

でも受け取るときの表情は・・・。

(注1)手刀を切るとは
相撲で、懸賞のかかった取組みの勝ち力士が、勝ち名乗りを受けるとき、行司が軍配にのせて差し出す懸賞金を、手刀を中・右・左と縦に三回振り受け取る作法。 三回振るのは造化三神を敬い、感謝する意とされる。 現在は左・右・中の順で切る


力士はなぜ無表情、無愛想で懸賞金を受け取るのか

懸賞金の祝儀袋には3万円が入っています。それとは別に同額が本人分として協会の積立金にまわります。要するに1本に付き6万円が手に入るのです。

いうまでもなく2本だと12万円、3本で18万円です。

わずか1~2分の勝負でこれだけのお金が手に入るのです。ですから勝てば勝負に買った喜びにプラスして2倍嬉しいはずです。

しかし懸賞金を受け取るときは無表情なのです。

はっきり言ってこれ人間らしくありません。たとえ、負けた相手のことを考えてとはいえ、少しぐらい嬉しそうな表情をしても良いのではないでしょうか。

いや、そうすべきです。観客のことを考えても。


翔猿は後で「懸賞金は母におくる」といったそうだが

初の懸賞金なのに、受け取る際全くの無表情だった翔猿ですが、後の談話では「初の懸賞金は母親に贈る」と話したそうです。

やはり喜んでいたのです。初めての懸賞金の大事さもはっきり分かっていたのです。それ故に大事なものだけに最愛の母親に贈ろうと思ったのです。

ならどうして受け取る際にもっと嬉しそうな表情をしなかったのでしょうか。

協会や親方から「勝っても表情を変えるな」と言われているからなのでしょうか。

だとすると大相撲の世界は間違っています。なぜなら人間らしくないからです。

勝って喜び負けて悔しがるのが人間です。それを表情に出さないと、人には気持ちが通じません。


大相撲力士へのお願い、懸賞金はもうすこし嬉しそうに受け取って

表情を変えず懸賞金を受け取るのが力士の慣習になっているようですが、1本6万円もの懸賞金をもらって嬉しがらないようならスポンサーも懸賞のかけがいがないだろうし、観客も観ていて感動しません。

大相撲界は協会を筆頭にして懸賞金の受け取り方を考えないといけません。

つまり、スポンサーが苦労して稼いだ金を懸賞金に回してくれることに対して感謝の意を伝えなければいけないのです。

そのためにいちばん大事なのは。受け取る際の力士が態度です。

まずは無愛想な態度はやめて、もう少し嬉しそうな表情をすることが大切ではないでしょうか。




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