2020年9月1日火曜日

作家とエッセイ


原稿料はいくら?

エッセイはよく読みます。おそらく活字の作品の中で最も多く読んでいるのではないでしょうか。

それ故によく思うのがエッセイの値段についてです。

今も手元に1冊のエッセイ集があります。タイトルは「ベストエッセイ2019」。

タイトルでも分かるように、この本は2019年(2018~2019)に出たエッセイの中から、良い作品だけを選んだアンソロジーです。

つまり作家が書いた最新のエッセイ優秀作品の集大成ということになります。

収録されているのは80作品です。なにしろ80人もの作家が書いたすばらしいエッセイの作品集ですから読む前からワクワクします。

でも今回は作品の内容はさておき、テーマにしたいのは収録作品の原稿料です。

なんと言ってもベストエッセイと銘打った作品揃い、さぞかし原稿料も張るに違いありません。

はたして1篇の作品に対して出版社はいくらの原稿料を支払っているのでしょうか。


このエッセイでいくら原稿料を貰っているのか 

収録されたエッセイの長さはまちまちですが概して短いものがほとんどで、文字数で言えば1200~2000文字程度が大半を占めているようです。

400字詰め原稿用紙で言えば、3枚~5枚ということになります。

あえて400字詰め原稿用紙というのは、今でもこれが原稿料の計算単位になっているからです。

つまり、出版社は作品の原稿料を400文字原稿用紙一枚に付きいくらというかたちで算出するのです。


原稿料は400文字単位で計算される

でもなぜ400字詰め原稿用紙1枚単位で原稿料が計算されるのでしょう。

それは作品の長さを測るのにこれが使われているからです。つまりこの小説は400字詰め原稿用紙300枚、このエッセイは400字詰め原稿用紙6枚の長さ、というふうに言い表されるのです。



今ではたいていの場合、原稿執筆はパソコンが主流で原稿用紙に手書きする作家は少数派なのですが、出版社はいまだに原稿用紙から離れられないのです。


作家のエッセイはどんな文章でも1文字10円に

では実際にいまエッセイ作品は原稿用紙1枚に対していくら支払われているのでしょうか。

ズバリ言いますと4000~6000円が主流です。

ということは平均が5000円とすると、400字詰め原稿用紙5枚(2000文字)のエッセイは2万円ということになります。

2000文字2万円だと、1文字あたり10円に当たります。

ふーん、1文字10円。はたして高いのか、それとも安いのか?


2000文字のエッセイは2時間もあればじゅうぶん書ける

エッセイ1編の価格2万円が高いか安いかを判定するには、まず最初に執筆の所要時間を知る必要があります。つまりこれを書き上げるのにかかった時間です。

常日頃パソコンを使ってブログを綴っているわたしの推測では2000文字の文章だと2時間もあればじゅうぶんかけます。書くだけでなく、何度か読み直して推敲も入れた時間です。

ちなみに今回のこのブログも2000文字程度です。

アマチュアのわたしでさえこうなのですから、作家というプロの文筆家だともっと速いかもしれません。

2時間で2万円の仕事ができるということは、時給に直せは1万円ということになります。

まあプロの作家なら、これくらいとってもいいでしょう。

しかしそれが言えるのは作品の質が高くて、エッセイとして立派な作品である場合のみです。

はたしてベストエッセイ2019に作品はどうなのでしょうか?


こんな駄作を誰に読まそうというのだ

そもそも今回のブログでエッセイの値段をタイトルに掲げたのは、「ベストエッセイ2019」の収録作品の質に疑問を感じたからです。

つまりベストエッセイと銘打っていながら、あまりにも質の低い作品が多すぎるのです。

いや多すぎると言うより、ほとんどがつまらない作品といったほうが良いかもしれません。

要するに読んでいて失望の連続なのです。はっきり言って「良いな」とか「まあまあ良いな」と、合格点がつけられる作品は全体(80作品)の1割程度でしかありません。

その他は読む作品、読む作品が、これがプロが書いたエッセイなのか、と、読んでいて失望のため息ばかりが出るのです。

その結果、一体こんなつまらない作品に出版社はいくらお金を払っいているのだろうか、という疑問が湧いてきたのです。

私がネットに書いてきた記事は最高で1文字2円

作家のエッセイが1文字10円であるのが高いか安いかの判定の参考にしていただくために、いま盛んなウェブサイトの記事の価格について書いてみることにします。

いまは活動を休止していますが、わたしは長らくの間ウェブライターとして活動してきました。

ウエブライターとは、様々なウェブサイト専門に記事を書くライターのことを言います。

ウェブライターに対して、雑誌などに紙の媒体に記事を普通のライターがいますが、一般的にウェブライターより原稿料は倍ぐらい高いようです。私の場合、原稿料が最も高くて1文字2円でした。

一方は1文字10円以上、他方は1文字2円、何という差でしょうか。

でもこれは決して質の問題から発生したことではなく、単に紙媒体とウェブ媒体の根拠のない値段の差によるものなのです。

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